fc2ブログ

ロシア海軍の最新海洋調査船ヤンターリは地中海へ入った

18-0503b.jpg
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年5月3日10時51分配信
【海洋学調査船「ヤンターリ」は地中海西部の投錨停泊地へ停まった~情報筋】
モスクワ、5月3日、インタファクス-AVN

北方艦隊海洋学調査船「ヤンターリ」は、現在、地中海西部に滞在している。
木曜日、『インタファクス-AVN』は消息筋より伝えられた。

「昨日、ヤンターリは、地中海西方のアルボラン海のトフィーノ・バンクの投錨停泊地へ停まりました」
対談者は指摘した。
18-0503d.jpg
彼は、この水域は、ロシア及びソヴィエト連邦海軍の艦船の停泊の為、伝統的に使用されている事を想い起こした。

「ヤンターリ」プロジェクト22010のトップ船であり、沿バルト造船工場『ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)でロシア連邦国防省深海調査管理総局の発注により建造された。
2015年5月23日に海軍へ引き渡された。

公開出版物によると、船は、2つのタイプの自動深海装置プロジェクト16810「ルイシ」プロジェクト16811「コンスル」を使用できる。
一部の情報源によると、更に、この船は深海有人装置「ミール」を搭載できる。
自動深海装置「ルイシ」「コンスル」は、それぞれ深度6000m及び6270mまで降下する。
その用途は、物体のビデオ撮影及び分類、海底への配置、マニュピレーター装置による水中技術的作業の実施、水中物体及び建造物の調査、重量200kgまでの様々な物体の水面への引き揚げ或いは海底への配達である。

以前、「ヤンターリ」乗組員は、2017年末から2018年初頭まで、南大西洋海域で消息を絶ったアルゼンチン潜水艦「サンフアン」の捜索へ参加した。

未確認情報によると、「ヤンターリ」ロシア専門家は、水中無人装置の助けを借り、2016年の飛行事故の後にシリア沿岸の水中へ墜落した航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33及びMiG-29KRを探索し、更には、航空機から機密機上機器を取り外した。



プロジェクト22010海洋学調査船「ヤンターリ」は、2010年7月8日にカリーニングラード造船所「ヤンターリ」で起工され、2012年12月4日に進水し、2015年5月23日にロシア海軍へ就役しました。

15-1029h.jpg
15-1029j.jpg
[プロジェクト22010海洋学調査船]
満載排水量:5786トン
全長:107.8メートル
幅:17.2メートル
機関:950馬力のアジマス推進ポッド2基
速力:15ノット
航続距離:8000海里
搭載艇:プロジェクト16810深海潜水艇AS-37、プロジェクト16811深海潜水艇AS-39
乗員:60名


AS-37(16810)(下)とAS-39(16811)(上)
18-0503e.jpg

就役後、大西洋へ進出して深海試験を含む各種試験を行ない、2015年10月28日に北方艦隊基地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新海洋調査船ヤンターリは大西洋での試験を終えて北方艦隊基地へ到着した]

2016年10月には地中海東部へ進出し、その後、2016年11月中旬及び12月初頭にシリア沖で事故により海中へ沈んだ艦上戦闘機MiG-29K及びSu-33の捜索を行ない、機密性の高い機上機器を回収しました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年11月13日/12月5日)・続報]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年12月)の原因は着艦拘束装置のケーブルとは関係が無い]

2017年9月29日にはボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、10月8日には同海峡を南下して再び地中海へ入っています。

2017年12月から2018年1月まで、南大西洋で消息を絶ったアルゼンチン海軍潜水艦「サンフアン」(2017年11月15日に交信途絶)の捜索へ参加しました。
18-0503c.jpg

その後も北方艦隊基地へは戻らず、2018年5月初頭にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。

今後、「ヤンターリ」地中海東部へ向かうようです。
関連記事
スポンサーサイト