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ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年5月4日9時0分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理及び近代化には約600億ルーブルの割り当てが計画されている-情報筋】
モスクワ、5月4日、インタファクス-AVN

北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥クズネツォフ)の修理及び近代化の為の技術的課題は署名され、承認されている。
金曜日、『インタファクス-AVN』は消息筋より伝えられた。

「航空母艦アドミラル・クズネツォフの修理及び近代化には、約600億ルーブルの割り当てが計画されております。
これは現在のレートで、およそ10億ドルになります」

彼は説明した。

彼の評価では「これは、航空母艦の修理及び近代化の選択肢としては、充分に楽観的なものです」
何故なら、以前の報道で言及された費用の範囲は、220億~650億ルーブルであったので。

インド海軍の為の同タイプの航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」(旧「アドミラル・ゴルシコフ」)の修理及び近代化の費用は、23億ドルと見積もられている。

以前、ロシア連邦海軍副総司令官ヴィクトール・ブルスク中将が伝えたように、航空母艦は、修理及び近代化の際に新たな対空防衛複合体、新たな要素の動力設備を受け取る。

「アドミラル・クズネツォフは、既に工場へ配置されています。
5月には当地で作業が開始されます。
その対空防衛兵装は改善されます。
新たな海上運用複合体パーンツィリが設置されます。
この他に、動力設備も交換されます:新たなボイラー、一連の新たなポンプ。
そして新たな飛行支援システム。
新たな着艦、観測、管理などのシステム」
ヴィクトール・ブルスク
は話した。

彼は、全ての近代化の作業は2020年末までの実行が計画されている事を指摘した。

以前に『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフが伝えたように、「アドミラル・クズネツォフ」は2020年末に修復され、2021年にロシア連邦海軍へ復帰する。
「私共は、作業(「アドミラル・クズネツォフ」の修理)を既に始めています。
私共は、全ての作業の完了を2020年末に計画しています。
2021年前半には試験を実施し、艦は海軍の戦闘即応部隊へ引き渡されます」
アレクセイ・ラフマノフ
は語った。

「アドミラル・クズネツォフ」は、昨年2月に地中海からセヴェロモルスクへ戻ってきた。
ロシア海軍の歴史上初めて、艦上戦闘機Su-33及びMiG-29KRは戦闘動作を行なった。

航空母艦の艦上には40機以上の飛行装置が在った。
「アドミラル・クズネツォフ」航空団の飛行士は420回の戦闘飛行を実行し、シリア領内のテロリストの1200以上の施設を撃破した。

公式データによると、「アドミラル・クズネツォフ」は、航海中に2機の艦上戦闘機を失った。
事故は着艦へのアプローチの際に発生し、飛行士は脱出した。

航空母艦地中海への航海の際、艦上打撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」の試験が実施された。



ロシア北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月20日就役)は、2016年10月15日から2017年2月8日に掛けて6度目となる地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

「アドミラル・クズネツォフ」機動部隊は2016年10月上旬にシリア沖へ到達し、2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。
以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。



シリア沖への遠距離航海から1年後、2018年2月23日の「祖国防衛者の日」クレムリン宮殿で開催された国家表彰授与式において、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、「アドミラル・クズネツォフ」ウシャコーフ勲章を授与しました。
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『タス通信』より
2018年2月23日14時24分配信
【プーチンは祖国防衛者の日に国家表彰を授与した】



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[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]
今後、「アドミラル・クズネツォフ」は寿命を延長する近代化改装が行なわれます。

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、ムルマンスク『第35艦船修理工場』になります。
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近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな火災探知システムを装備する]
機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用のボイラーは8基全てが交換されるようです。

近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

以前には「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まる予定でしたが、2018年に延期されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスク艦船修理工場で2018年から始まる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装案を作成しています。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]
「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな淡水化装置が設置されます。


「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の契約は、2018年4月23日に締結されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事は2020年末に完了し、2021年初頭以降に洋上試験を行ない、同年半ば頃に艦隊へ復帰する予定です。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2020年末に近代化改装を完了し、2021年に復帰する]
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2021年にロシア海軍へ復帰する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

更には、ロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]


「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに、200億ルーブル650億ルーブル500億ルーブル250億ルーブルという数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
この金額は、重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の大規模な近代化改装の費用(500億ルーブル)よりも多くなっています。
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