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大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、ロシア海軍へ採用される


『タス通信』より
2018年5月12日10時1分配信
【情報筋:ロシア海軍は水中無人機「ポセイドン」を2027年までに軍備採用する】
モスクワ、5月12日/タス通信

核動力機関を有する無人水中装置「ポセイドン」は、現行の2018年~2027年の国家軍備プログラムの枠組みにおいてロシア海軍へ軍備採用され、その搭載艦は、『セヴマシュ』で建造される新たな原子力潜水艦になる。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「システム"ポセイドン"は、2027年までの国家軍備プログラムに含まれており、同プログラムの終末までにロシア海軍の戦闘編制へ導入されなければなりません。
その構成には、コンパクトな核動力機関を有する幾つかの高速深海魚雷が含まれます。
これを搭載するのは、『セヴマシュ』で建造されている原子力潜水艦になります」

対談者は話した。

情報提供者は搭載潜水艦のタイプを明らかにしなかったが、「それは第5世代潜水艦ハスキーでは無い」事を指摘した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

『セヴマシュ』では、少なくとも2隻の特殊用途原子力潜水艦が建造されている。
特に、公開情報によれば、未完成のプロジェクト949A原子力潜水艦「ベルゴロド」は、2012年12月に特殊プロジェクト09582として再起工され、無人及び友人の深海調査装置の搭載艦となる。
もう1隻の特殊用途原子力潜水艦「ハバロフスク」は2014年7月に起工された。
未確認データによると、潜水艦プロジェクト09851として建造され、様々な深海装置や、新たな兵器システムの搭載艦としての役割を演じる。

[装置「ポセイドン」]
ロシア
が核動力機関を有する無人水中装置を作成しているという事は、2018年2月のウラジーミル・プーチン大統領の連邦教書演説において初めて発表された。
その後、海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフは、この兵器は、敵の領域付近の海域における海軍の広範囲の課題の解決を可能とし、照準システムは、高い精度での装置の目標への自動発進を可能にすると説明した。

コロリョーフによると、装置は搭載艦~原子力潜水艦も含め、大洋多目的システムと呼ばれる。
この水中装置~核動力機関~の基礎的要素試験は、既に成功裏に実施されており、そのお陰で、装置のエンジンは1000メートル以上の深度と高速を可能にし、敵から目立たないままである。
装置は、国防省サイトの公開投票により「ポセイドン」と命名された。



[ロシア海軍の為の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)の開発は進められている]
2018年3月1日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は教書演説を行ない、この中で、ロシアが開発中の各種新兵器に言及しました。
『タス通信』より
2018年3月1日18時25分配信
【プーチンが話したロシアの超兵器はどのようなものか】

この演説の中でプーチン大統領は、ロシア海軍「無人水中装置」について話しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月1日13時36分配信
【プーチンは水中システムの為の新たな原子力推進について話した】


プーチン大統領教書演説の後、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将「無人水中装置」について記者団へ説明しました。

コロリョーフ提督は、この原子力推進「無人水中装置」「大洋多目的システム」と呼んでおり、原子力潜水艦に搭載され、敵の領域付近で使用されると述べています。

この「大洋多目的システム」は、おそらく、数年前から開発が噂されている大洋多目的システム「スタトゥース6」の事でしょう。

これは、2015年11月10日のプーチン大統領ロシア連邦軍首脳の会議について報じたニュース映像の中で「偶然」映った図面に描かれていたのが発端でした。
(動画の1:45から大洋多目的システム「スタトゥース6」の説明図が映っています)
18-0302a.png

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2015年11月12日20時17分配信
【知られざるプロジェクト「スタトゥース6」】


アメリカの一部メディアは、北方艦隊試験潜水艦「サロフ」(2008年8月7日就役)が2016年11月27日に「スタトゥース6」の発射試験を行なったと報じています。
18-0302b.jpg
『ワシントンフリービーコン』より
2016年12月8日5時0分配信
【ロシアは核潜水ドローンをテストした】


その後、ロシア国防省は、この「原子力無人水中装置」などの公式に名前が付いていない新兵器の愛称を公募しました。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月23日4時27分配信
【ロシアは新たな国産兵器の為の名前を公表した】

その結果、原子力無人水中装置「ポセイドン」と命名されました。

その他の候補には「アヴローラ」、「プリボイ」などが有りました。


大洋多目的システム(原子力無人水中装置)「ポセイドン」『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、同プログラムの末までにロシア海軍へ制式採用されます。

「ポセイドン」の搭載艦は、セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で建造される原子力潜水艦になります。

現在、『セヴマシュ』では、2隻の特務原子力潜水艦の建造が進められています。

プロジェクト09852原子力科学調査潜水艦「ベルゴロド」:2012年12月20日再起工(元プロジェクト949A原子力水中巡洋艦K-329)/2018年末再就役予定
[原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年にロシア海軍へ引き渡される]

プロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦「ハバロフスク」:2014年7月27日起工
[ロシア海軍の為の特務原潜ハバロフスクの3Dモデルが作成された]

双方とも無人水中装置の搭載が可能ですが、「ポセイドン」の搭載艦に適しているのは、モジュール設計により兵装を交換できる「ハバロフスク」でしょうか。
(公開されている動画を見る限りでは、搭載原潜は「ベルゴロド」に似ていますが)
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