ロシア海軍の将来航空母艦の設計草案は2018年末までにロシア国防省へ提出される
- カテゴリ:ロシア新世代航空母艦

『タス通信』より
2018年5月16日11時26分配信
【『統合造船業営団』は年末に(ロシア)国防省へ新たな航空母艦の完成ヴァージョンを提示する】
モスクワ、5月16日/タス通信
『統合造船業営団』は2018年末までにロシア連邦国防省へ、新たな国産航空母艦の複数の完成した設計草案を検討の為に提示する。
ヴァージョンの内の1つが選定された場合、艦の試験設計作業は2019年から開始できる。
『タス通信』は防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「『統合造船業営団』は、年末までにロシア連邦国防省へ検討の為に、完成した提案(註:航空母艦の)を提示する課題があります。
ヴァージョンの1つは、具体的には、排水量75000トンの航空艦の建造を前提としております」
対談者は話した。
情報提供者は、設計の内の1つが選定された場合
「艦の技術設計、プロジェクト設計文書の準備は2019年に開始する事ができ、航空母艦は、2021~2022年には起工できるでしょう。
その建造は、事前の見積もりでは、約10年間に渡るでしょう」と説明した。
対談者は、『2018~2027年の国家軍備プログラム』において、新たな航空母艦プログラムへの「最初の資金供給」が規定されていると付け加えた。
『統合造船業営団』は『タス通信』へ、この情報に関してコメントしなかった。
現在、ロシア海軍の戦闘編制には、唯一の通常動力中型航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」(国内の分類は重航空巡洋艦)が在籍している。
以前に海軍が表明したように、ロシア海軍は、核動力装置を有する将来航空母艦の受領を2030年末に見込んでおり、新たな航空母艦の排水量は、少なくとも7万トンでなければならない。
『クルイロフ国立科学センター』は、以前、外国の発注者の為、更には自国海軍への提案の為、航空母艦の素案を開発し、広範囲の人々へ提示した。
プロジェクト23000は「シトルム」の名を受け取った。
提示された草案では、艦は80000~90000トンの排水量を有し、複合動力装置(原子炉及びガスタービンエンジン)を装備する。
艦の航空グループは60機の機体を有していなければならない。
[ロシア新世代航空母艦]
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]

ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの設計開発作業は2007年に始まりました。
現在の所、将来航空母艦は、5万トンから8万5千トンまでの3種類のヴァリエーション(軽空母、中空母、重空母)が提示されています。
重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t)
建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]
将来航空母艦のアイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]
将来航空母艦の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていますが、ロシア海軍の要求により、ほぼ原子力推進に確定しております。
[ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる]
[ロシア海軍将来正規空母と将来駆逐艦リデル級は同型の原子力機関を搭載する]
将来航空母艦は、2016年6月16日にサンクトペテルブルクの『バルト工場』で進水した新型原子力砕氷船「アルクチカ」(2019年就航予定)と同型の原子炉RITM-200を搭載するようです。
[ロシア海軍将来原子力空母は原子炉RITM-200を搭載するかもしれない]

将来航空母艦の建造は2023年~2028年の開始が計画されています。
[ロシア海軍の新世代空母の建造は2023年~2028年に開始される]
[ロシア海軍の為の新世代空母の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開始される]
将来航空母艦の艦載機に関しては、以前には2019年以降に配備予定のロシア第5世代重戦闘機Su-57の艦上機型が有力視されていました。
[ロシア海軍将来正規空母は第5世代重戦闘機Su-57の艦上機型を搭載し、カタパルトとスキージャンプを並行装備する]
[ロシア航空機製造業界は第5世代重戦闘機Su-57の艦上戦闘機型を開発する用意がある]
しかし、2017年7月以降、ヤコブレフの新世代VSTOL艦上戦闘機を開発するという話が出てきており、搭載機はVSTOL戦闘機になる可能性も有ります。
[ロシア海軍の将来空母の為のVSTOL艦上戦闘機が開発される]
[ロシア海軍の為の新たなVSTOL艦上戦闘機が開発される]
[ロシア航空業界はロシア海軍の為の新たなVSTOL艦上戦闘機の為のエンジンを開発する用意がある]
将来航空母艦の建造は、セヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』と、サンクトペテルブルクの『北方造船所』の協業になるようです。
[ロシア海軍の新世代航空母艦はセヴェロドヴィンスク造船所(セヴマシュ)とサンクトペテルブルク北方造船所が協同で建造する]
2018年4月下旬、ロシア海軍副総司令官(軍備担当)ヴィクトール・ブルスク中将は、将来航空母艦の排水量は70000トンになると発言しました。
[ロシア海軍の将来航空母艦は7万トン級になる]
そして、今回の記事に登場する「ロシア防衛産業企業体の匿名希望の情報提供者」によると、将来航空母艦の複数の設計草案が2018年末までにロシア国防省へ提示され、そのうちのどれか1つが選定されれば、2019年からは本格的な設計作業へ取り掛かり、順調に行けば、2021~2022年には艦を起工できると言っています。
なお、複数ある設計草案の1つは、排水量7万5千トンになるとの事です。
おそらくは、これが最も大きな艦でしょう。
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