地中海東部に滞在しているロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海沿岸のロシア友好国で修理を行なうかもしれない
- カテゴリ:プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)


『インタファクス』より
2018年5月17日9時19分配信
【情報筋は地中海の友好国での黒海艦隊潜水艦の修理の可能性について述べた】
モスクワ、5月17日、インタファクス-ロシア
黒海艦隊の2隻のプロジェクト636.3潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」の地中海への常時滞在に関連し、近い内に、当面のドック修理の問題が出てくるだろう。
木曜日、『インタファクス』は軍事-外交筋より伝えられた。
「問題の解決には、3つの選択肢が存在しています。
潜水艦の製造工場(『アドミラルティ造船所』、サンクトペテルブルク)への帰還か、シリアのタルトゥースのロシア海軍物資-技術サービス供給所の浮きドックへ向かうか、地中海の友好国の内の1つでドック入りか」
彼は説明した。
彼によると「第3の選択肢は、資金の経済性及び潜水艦のリソースの観点から検討し、より好ましいと考えられています。
この地域の一部の国の海軍には、このような、或いは似たようなプロジェクトの潜水艦が軍備として在籍しているだけに尚の事です」
以前、有翼ミサイル「カリブル-PL」を有する潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」は、地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊の基礎として恒久的に残留すると伝えられた。
タルトゥースの物資-技術サービス供給所の能力のお陰で弾薬の装填が行なわれ、3月~4月には、初めて乗組員のローテーションが実施された。
ロシア連邦国防省によると、潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」は、地中海で戦闘勤務へ就いている時に、シリアのイスラム国(ロシア連邦では非合法のテロ組織)の目標へ4回のミサイル打撃を与えた~2017年9月14日、9月22日、10月4日、11月3日。
この間に、少なくとも29基の有翼ミサイル「カリブル-PL」が発射された。
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」は、黒海艦隊の為に『アドミラルティ造船所』(『統合造船業営団』へ加入)で建造された6隻の潜水艦シリーズの5隻目と6隻目である。
同プロジェクトの前の4隻の潜水艦は、黒海艦隊への艦隊間移動を行ない、地中海戦隊には長期間留まらなかった。
しかしながら、この内の2隻~「ロストフ・ナ・ドヌー」と「クラスノダール」は、シリアのイスラム国の目標へミサイル「カリブル」により打撃を与えた。
[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]
プロジェクト06363通常動力潜水艦の5番艦B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、2014年10月30日に起工され、2016年3月18日に進水し、2016年10月26日に就役しました。
[黒海艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦5番艦ヴェリキー・ノヴゴロドはロシア海軍へ就役した]
プロジェクト06363通常動力潜水艦の6番艦B-271「コルピノ」は、2014年10月30日に起工され、2016年5月31日に進水し、2016年11月24日に就役しました。
[黒海艦隊の為の第6のプロジェクト06363潜水艦コルピノはロシア海軍へ就役した]
2隻の潜水艦は就役後もバルト海で慣熟訓練を行ない、2017年7月30日の「ロシア海軍の日」にはクロンシュタットの観艦式へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

プロジェクト06363潜水艦は、既に4隻が黒海艦隊基地(セヴァストーポリ)へ回航されており、4隻目の「クラスノダール」は2017年8月9日に到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールはセヴァストーポリへ到着した]
2017年8月中旬、「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」も黒海艦隊基地へ向けて出航し、8月16日には北海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海艦隊基地へ向かった]
8月28日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。

[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海へ入った]
9月1日には地中海東部に展開する他のロシア海軍艦船と共に各種の演習を行ないました
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海で演習を行なう]
9月14日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」は、シリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ初めて計7基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]
9月22日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」はシリアのイドリブの『アル=ヌスラ戦線』の施設へ計3基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはシリアのイドリブの『アル=ヌスラ戦線』へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
10月5日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」は、シリア政府軍の攻勢を支援する為、再びデリゾールのISIL施設へ計10基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリア政府軍の攻勢を支援する為、デリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
10月31日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、シリアのデリゾールへ計3基の「カリブル」を発射しました。
『タス通信』より
2017年10月31日17時53分配信
【潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」はデリゾールの『イスラム国』戦闘員へ「カリブル」で打撃を与えた】
11月3日、「コルピノ」は、シリアのアブ・カマルへ計6基の「カリブル」を発射しました。
(同時にロシア航空宇宙軍の爆撃機Tu-22M3が空爆)
『タス通信』より
2017年11月3日17時17分配信
【ロシア軍のTu-22M3と潜水艦「コルピノ」はシリアの『イスラム国』戦闘員へ打撃を与えた】

「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」は、合計29基の「カリブル」を発射していますが、無論、2隻合わせても、これだけの「カリブル」を一度に搭載する事は出来ないので、1回発射する度にシリアのタルトゥースへ寄港してミサイルを補充していたようです。
結局、「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」は、その後も地中海東部に滞在し続ける事になり、2018年3月~4月には、予備の乗組員チームと交代しました。
「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」は、2017年8月にバルト海沿岸の港(おそらくはクロンシュタット)から出航して以来、補給や乗組員の休養の為にシリアのタルトゥースへ寄港した以外は、ずっと海上に居続けているので、そろそろドック入りして修理する必要が出てきます。
この為、何処でドック修理を行なうのかの選択肢の1つとして、地中海沿岸の友好国のドックを使うという案が浮上してきました。
地中海沿岸には、ロシアの友好国は幾つか存在していますが、この内、「ヴェリキー・ノヴゴロド」及び「コルピノ」と同系列の潜水艦を保有している国は、アルジェリアしか有りません。


現在、アルジェリア海軍は、2隻のプロジェクト877EKM潜水艦(1986~1987年に就役)と、2隻のプロジェクト636潜水艦(2010年に就役)を保有しており、1隻の877EKMは、2005年~2009年にオランの造船所で近代化改装を行なっています。
「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」の修理を行なう事は充分に可能でしょう。
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