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ロシア海軍の為の新型戦略原潜ボレイ-Bの建造は中止され、代わりにボレイ-Aが6隻追加建造される

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『タス通信』より
2018年5月21日14時13分配信
【情報筋:ロシアは原子力戦略潜水艦「ボレイ-A」級を更に6隻建造する】
モスクワ、5月21日/タス通信

戦略原子力潜水艦プロジェクト955B「ボレイ-B」『2018-2027年の国家軍備プログラム』には含まれず、2023年以降に『セヴマシュ』は更に6隻のプロジェクト955A「ボレイ-A」潜水艦を建造する。
海軍の戦闘編制へ引き渡される新たな戦略潜水艦の数は14隻に達する。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

以前に伝えられたように、2018年には、新たな水中駆動設備と艦内設備を有する改善されたプロジェクト955B潜水艦の概略設計が開始されなければならなかった。
同プロジェクトの開発は国家軍備プログラムに含まれており、4隻の潜水艦シリーズの建造が計画されていた。

「原子力潜水艦ボレイ-Bの作成に関する分析結果が提示された後、これを断念する事が決定されました。
何故ならば、このプロジェクトの潜水艦の建造は、費用対効果の規準を満たしていないからです。
同時に、最終的な選択肢といたしまして、2027年までの国家軍備プログラムには、ボレイ-Aが含まれることになりました」
情報提供者は『タス通信』へ伝えた。

彼は説明した。
「プロジェクト955A潜水艦の新たなシリーズの建造は、『セヴマシュ』で2023年以降に開始されます。
合計で6隻のボレイ-Aの建造が計画されており、北方艦隊と太平洋艦隊で勤務に就きます。
このシリーズの完了後、海軍の戦闘編制には14隻の新たな戦略原子力潜水艦が在籍する事になります。
11隻はボレイ-A級、そして3隻はボレイ級です」
情報提供者は伝えた。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

[「ボレイ」ファミリー]
プロジェクト955/955A潜水艦
は、海洋工学中央設計局『ルビーン』により開発された。
セヴェロドヴィンスク(アルハンゲリスク州)『セヴマシュ』では、8隻から成る最初のシリーズの潜水艦の建造が続けられている。
海軍の戦闘編制には、既に最初の3隻のプロジェクト955「ボレイ」が加わっている~トップ(「ユーリー・ドルゴルーキー」)及び生産艦(「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」)。
改善されたプロジェクト955A「ボレイ-A」として5隻の潜水艦が起工され、建造中である(「クニャージ・ウラジーミル」、「クニャージ・オレグ」、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」、「インペラートル・アレクサンドルIII」、「クニャージ・ポジャールスキー」)。

2隻の「ボレイ-A」「クニャージ・ウラジーミル」「クニャージ・オレグ」は、ロシア海軍の戦闘編制へ2019年の引き渡しが計画されている。
その後、「クニャージ・ポジャールスキー」までの潜水艦は、様々なデータによると、2021年~2023年に海軍へ加入しなければならない。
プロジェクト955955Aの差異は知られてはいないが、以前に『ルビーン』のトップ、イーゴリ・ヴィリニトが指摘したように「艦のシリーズ建造全体で、段階的に改善されています」
公開情報によると、「ボレイ-A」は前任者に比べて船体構造が近代化され、新たなエレクトロニクスが使用され、更にプロジェクト955A潜水艦は、隠密性が非常に良くなっている。

戦略用途水中巡洋艦955及び955A第4世代原子力潜水艦に属しており、ロシア核戦力の3本柱に含まれている。
「ボレイ」は、固体燃料大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」で武装しており、各潜水艦は16基のミサイルを搭載できる。
潜水艦は、ロシア海軍第3世代戦略水中ロケット艦太平洋艦隊667BDR北方艦隊667BDRMを代替する。



[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[プロジェクト955ボレイ戦略用途原子力水中巡洋艦 ]

プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦シリーズは、計8隻が起工され、このうち3隻が就役済みです。

1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]

2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2015年9月30日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しています。
[ロシア海軍新世代戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ半島の原潜基地へ到着した]

3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役しました。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]
2016年9月26日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]

4番艦からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、その1番艦「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]
2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]
就役は2019年に予定されています。
[ボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年にロシア海軍へ引き渡される]

5番艦(「ボレイ-A」級としては2隻目)「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工されました。
[ボレイ級戦略原潜5番艦クニャージ・オレグはロシア海軍の日に起工された]
[ロシア海軍の為の新世代戦略原潜ボレイ級5番艦クニャージ・オレグの船体(耐圧殻)の水密試験は完了した]
就役は2019年に予定されています。

6番艦(「ボレイ-A」級としては3隻目)「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜は起工された]
就役は2020年に予定されています。

7番艦(「ボレイ-A」級としては4隻目)「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は2015年12月18日に起工されました。
[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]
就役は2020年に予定されています。

8番艦(「ボレイ-A」級としては5隻目)「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
就役は2021年に予定されています。


当初は「クニャージ・ポジャールスキー」を以ってプロジェクト955A「ボレイ-A」の建造は終了し、その後は、更なる改良型であるプロジェクト955B「ボレイ-B」が少なくとも4隻建造される計画でした。
[新型戦略原潜ボレイ-Bの1番艦は2026年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、「ボレイ-B」は、経済的には満足の行くものとはなりませんでした。
[ロシア海軍の新型戦略原子力水中巡洋艦ボレイ-Bの設計作業は進められている]

そして結局、「ボレイ-B」の建造は取り止めとし、その代わりに「ボレイ-A」を6隻追加建造する事になったようです。
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