ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフと対水中工作艇P-433はシリアのタルトゥースへ向かった
- カテゴリ:地中海情勢(2018年)

『インタファクス』より
2018年5月23日13時0分配信
【ロシア海軍の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は地中海へ入った】
モスクワ、5月23日、インタファクス-ロシア
ロシア海軍の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は黒海海峡を通過し、地中海水域へ入った。
現地のサイトはボスポラス海峡を通過する写真を公表した。
イスタンブールのサイトは、黒海艦隊の戦闘艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、地中海のロシア海軍の物資-技術サービス供給所が置かれているシリアのタルトゥース港へ向かっていると確信している。
これは、ロシア軍艦にとって、今年3度目のシリアへの航海であり、5月には2度目となる。
5月19日、ロシア連邦黒海艦隊の大型揚陸艦「アゾフ」は地中海へ進出した。
海外メディアによれば、ロシア海軍の大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアのフマイミーン飛行場のロシア航空群、タルトゥースの海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける「シリア・エクスプレス」と呼ばれる作戦へ参加している。

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年5月24日10時47分配信
【シリアのタルトゥースへ対水中工作艇「グラチョノク」が向かった】
ロシアの対水中工作艇P-433(プロジェクト21980「グラチョノク」)は黒海海峡を地中海水域へ進み、地中海のロシア海軍の物資-技術サービス供給所が置かれているシリアのタルトゥースへ向かった。
トルコのインターネットリソースは、ボスポラス海峡を通過する「グラチョノク」の写真を掲載して報じた。
トルコのメディアによると、P-433艇は5月23日に地中海へ入った。
同じ日に、黒海艦隊の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」、更には救助海洋曳船「シャフテル」が同じコースを進んだ。
プロジェクト21980「グラチョノク」艇は、水中破壊工作部隊及び手段へ対処し、駐留所及びその近辺の水域における水上での戦闘活動の支援の為に意図されている。
それは、5日間海上に自立滞在し、200海里までの距離の航行が可能である。
「グラチョノク」には8名の船員が居る。
「グラチョノク」の排水量は139トン、全長31メートル、幅7.4メートル、吃水1.85メートル。
速力23ノット。
艇の弾薬は、口径14.5mmの海洋機銃座、対水中工作擲弾DP-65AとDP-64、更には携帯式高射ミサイル複合体「イグラ-1」である。
ロシア海軍の大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアのタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に就いています。

当初は大型揚陸艦のみが「シリア・エクスプレス」へ参加していましたが、2015年夏以降は海軍が調達した貨物船も参加するようになりました。
「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは、主に黒海艦隊所属艦ですが、この他に北方艦隊及びバルト艦隊からも大型揚陸艦が交代で派遣されています。
黒海艦隊の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(1975年12月30日就役)は「シリア・エクスプレス」の常連であり、2017年には、計7回の「シリア・エクスプレス」に従事していた事が確認されています。
(ロシア海軍当局からの公式発表は無いが、ボスポラス海峡を南下すればシリアへ向かい、北上すれば黒海沿岸のロシア海軍基地へ戻っている)
・1月18日にボスポラス海峡を南下、1月27日に北上
・2月19日にボスポラス海峡を南下、3月5日に北上
・3月15日にボスポラス海峡を南下、3月24日に北上
・4月6日にボスポラス海峡を南下、4月17日に北上
・5月1日にボスポラス海峡を南下、5月11日に北上
・5月20日にボスポラス海峡を南下、6月2日に北上
・7月20日にボスポラス海峡を南下、8月初頭に北上
2017年8月初頭にセヴァストーポリへ戻った後はオーバーホールが行なわれ、2018年2月に修理を終えて復帰した後は黒海の演習へ参加していました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフとオルスクはクリミア半島で上陸訓練を行なった]
2018年4月13日、大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、ほぼ9ヶ月ぶりにボスポラス海峡を南下、シリアのタルトゥース港へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはシリアへ向かった]
タルトゥース港で貨物を降ろした後、4月21日にはダーダネルス、ボスポラス海峡を通過し、地中海を去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはシリアから戻ってくる]
5月1日にボスポラス海峡を南下してシリアへ行き、5月11日に同海峡を北上しました。
そして5月23日にダーダネルス、ボスポラス海峡を通過し、今年3度目となる「シリア・エクスプレス」へと向かいました。
プロジェクト21980対水中工作艇P-433は、ロシア内陸部のゼレノドリスク造船所で建造され、2017年9月16日に就役しました。
5月23日にダーダネルス、ボスポラス海峡を通過し、シリアのタルトゥース港へ向かいました。
P-433はタルトゥース港周辺の警備任務に就きます。
現在は同型艇P-424「キネリ」(2015年3月16日就役)がタルトゥース港へ派遣されていますが、同艇と交代するのでしょうか。
この他、5月23日には救助曳船「シャフテル」(1985年12月20日就役)もダーダネルス、ボスポラス海峡を通過して地中海へ入っています。
同日には、地中海東部に滞在していた黒海艦隊の大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」と中型海洋給油船「イマン」がダーダネルス、ボスポラス海峡を北上して黒海へ戻っています。
現在、地中海東部には、以下のロシア海軍艦船が滞在しています。
これらの艦船は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]
フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(黒海艦隊):2017年12月2日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(バルト艦隊):2018年5月初頭から地中海東部に滞在
警備艦「プイトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年4月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「スメトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年4月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「アゾフ」(黒海艦隊):2018年5月19日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋掃海艦「トゥルビニスト」(黒海艦隊):2018年5月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
対水中工作艇「キネリ」(黒海艦隊):2018年3月30日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型海洋給油船「レナ」(バルト艦隊):2018年5月初頭から地中海東部に滞在
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船SB-5(黒海艦隊):2018年5月9日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋曳船MB-304(黒海艦隊):2018年5月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
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