ネヴァ川計画設計局はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の拡大発展型の2つのヴァージョンを設計している

『タス通信』より
2018年5月25日18時19分配信
【『ネヴァ川計画設計局』は(ロシア)海軍の為の2つの新たな揚陸艦プロジェクトを開発している】
カリーニングラード、5月25日/タス通信
『ネヴァ川計画設計局』はロシア海軍の依頼により、プロジェクト11711建造後に意図される大型揚陸艦の2つのヴァージョンを開発している。
金曜日、設計局の代表アレクセイ・ユフニンは報道陣へ伝えた。
「我々には、更なる開発の2つのラインが有ります。
この艦はプロジェクト11711をベースとしており、(建造で)得られた経験を考慮し、全く新しい揚陸艦となります。
我々は、この作業を行なっております」
ユフニンは大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」の進水式典で話した。
ユフニンは、カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』で、プロジェクト11711の2隻のシリーズの艦が建造されている事を想い起こした。
「イワン・グレン」は間もなく海軍へ引き渡され、「ピョートル・モルグノフ」は金曜日に進水した。
設計局の代表は、新たなプロジェクトでは、前よりも大きな艦の建造が提示される事を指摘した。
ロシア連邦海軍造船管理部長ミハイル・クラスノぺーエフ1等海佐は、海軍は新たなプロジェクト艦に関心があると述べた。
プロジェクト11711大型揚陸艦は、13両の戦車、36両の装甲兵員輸送車あるいは歩兵戦闘車、300名の揚陸隊員を収容する。
それは、指定場所へ強化された標準装備の海軍歩兵中隊を送り届け、ポンツーンにより上陸させる事ができる。
艦の兵装は、口径30mmの6銃身自動砲から成り、甲板の格納庫には2機の輸送戦闘ヘリコプターKa-29が駐留する。
シリーズのトップ艦(イワン・グレン)はカリーニングラードで2012年5月に進水し、現在は海上試験プログラムを完了し、海軍への引き渡しの準備が行なわれている。
シリーズの最後となる大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は、2018年に発注主へ引き渡されなければならない。
[プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)]

現在、カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』では、2隻のプロジェクト11711大型揚陸艦の建造が進められています。
1番艦「イワン・グレン」は2004年12月24日に起工され、2012年5月18日に進水、2016年6月17日から洋上試験を開始し、2018年5月初頭に完了しました。
現在はロシア海軍への引き渡しの準備が行なわれています。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験は完了した]
2番艦「ピョートル・モルグノフ」は2015年6月11日に起工され、2018年5月25日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは進水した]
プロジェクト11711大型揚陸艦の建造は2隻で終了します。
プロジェクト11711を設計した『ネヴァ川計画設計局』は、2番艦「ピョートル・モルグノフ」進水式典において、11711の拡大発展型となる大型揚陸艦の設計案を2パターン作成している事を明らかにしました。
『ネヴァ川計画設計局』は、2つのヴァージョンの具体的な内容には触れておらず、11711よりも大型となり、全く新たな揚陸艦となるとしか言っておりません。
以前、『ネヴァ川計画設計局』は、輸出用のプロジェクト11711Eを提示していますが、これは、今回の「2つのヴァージョン」とは別でしょう。


2020年以降に建造される汎用ヘリコプター揚陸艦「セヴァストーポリ」型も、11711の発展型とは言い難いので、これも「2つのヴァージョン」には含まれていないでしょう。
[新世代汎用揚陸艦セヴァストーポリ型]
「イワン・グレン」型は、ソヴィエト時代のプロジェクト1171大型揚陸艦(アリゲーター級)の発展型という位置付けになりますが、ソヴィエト時代には、その1171の拡大発展型として、プロジェクト1174大型揚陸艦「イワン・ロゴフ」型が建造されました。



因みに、アリゲーター級も「イワン・ゴロフ」型も、『ネヴァ川計画設計局』が設計しました。
この過去の例から見て、11711の拡大発展型となる大型揚陸艦の内の1つは、おそらくは「イワン・ゴロフ」型をリファインしたような艦でしょう。
もう1つのヴァージョンですが、「全く新たな揚陸艦」と言うからには、11711をそのまま拡大したような艦にはならないでしょう。
或いは、11711をベースにして全通甲板にした艦、つまり上記の汎用ヘリコプター揚陸艦「セヴァストーポリ」型の小型版かもしれません。
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