新型戦略原潜ボレイ-Bを建造するか否かはロシア海軍の意向次第である

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年5月24日14時21分配信
【原子力潜水艦プロジェクト「ボレイ-B」の将来は軍次第である-『統合造船業営団』トップ】
サンクトペテルブルク、5月24日、インタファクス-AVN
原子力潜水艦プロジェクト「ボレイ-B」の将来は、軍の決断に依る。
『インタファクス』は『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフより伝えられた。

「私共は、提示された決定の一部の変化を待っております。
私共は、軍のみが、これを解決すると申し上げております。
新たな目的と課題について、私共は軍の同意を得なければなりません」
アレクセイ・ラフマノフは、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムのロビーで話した。
昨年11月7日、ロシア連邦参謀本部総長ワレリー・ゲラシモフは、ロシアが改善された特性の原子力水中巡洋艦「ボレイ-B」の作成作業を開始すると述べた。
ロシアの潜水艦乗員は、近年中に10隻以上の原子力潜水艦及び通常動力潜水艦を受け取るとロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフは語った。
彼によると、更なる6隻の原子力潜水艦プロジェクト「ヤーセン-M」と5隻の原子力ロケット艦「ボレイ-A」が様々な建造段階に在る。
[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[プロジェクト955ボレイ戦略用途原子力水中巡洋艦 ]
プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦シリーズは、計8隻が起工され、このうち3隻が就役済みです。
1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]
2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2015年9月30日に太平洋艦隊の原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しています。
[ロシア海軍新世代戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ半島の原潜基地へ到着した]
3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役しました。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]
2016年9月26日に太平洋艦隊の原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]
4番艦からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、その1番艦「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]
2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]
就役は2019年に予定されています。
[ボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年にロシア海軍へ引き渡される]
5番艦(「ボレイ-A」級としては2隻目)「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工されました。
[ボレイ級戦略原潜5番艦クニャージ・オレグはロシア海軍の日に起工された]
[ロシア海軍の為の新世代戦略原潜ボレイ級5番艦クニャージ・オレグの船体(耐圧殻)の水密試験は完了した]
就役は2019年に予定されています。
6番艦(「ボレイ-A」級としては3隻目)「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜は起工された]
就役は2020年に予定されています。
7番艦(「ボレイ-A」級としては4隻目)「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は2015年12月18日に起工されました。
[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]
就役は2020年に予定されています。
8番艦(「ボレイ-A」級としては5隻目)「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
就役は2021年に予定されています。
当初は「クニャージ・ポジャールスキー」を以ってプロジェクト955A「ボレイ-A」の建造は終了し、その後は、更なる改良型であるプロジェクト955B「ボレイ-B」が少なくとも4隻建造される計画でした。
[新型戦略原潜ボレイ-Bの1番艦は2026年にロシア海軍へ引き渡される]
しかし、「ボレイ-B」は、経済的には満足の行くものとはなりませんでした。
[ロシア海軍の新型戦略原子力水中巡洋艦ボレイ-Bの設計作業は進められている]
2018年5月下旬、「ボレイ-B」の建造は取り止めとし、その代わりに「ボレイ-A」を6隻追加建造するという話が非公式筋から出てきました。
[ロシア海軍の為の新型戦略原潜ボレイ-Bの建造は中止され、代わりにボレイ-Aが6隻追加建造される]
ロシア造船業界の総元締である『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏の今回の発言を見ても、「ボレイ-B」を建造するか否かはロシア海軍の意向次第との事であり、建造される可能性は低いようです。
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