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遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはウラジオストクへ入港した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月3日7時50分配信
【練習艦「ペレコプ」はセヴァストーポリからウラジオストクへの艦隊間移動を完了した】

2ヶ月間の遠洋航海を行なった練習艦「ペレコプ」の歓迎式典がウラジオストクで開催された。

艦隊の沿岸艦船埠頭で艦は、一時的に太平洋艦隊司令官の職務を代行しているイーゴリ・オシポフ少将と海軍総航海士エドゥアルト・ルイク少将の出迎えを受けた。

閲兵場で、太平洋艦隊水上艦連合部隊の要員、「ペレコプ」乗組員、海軍兵学校生徒及び「全連邦軍事スポーツ少年団」愛国者運動参加者で構成された隊列の行進が行なわれ、練習艦黒海から極東への移動完了に捧げられる会合が開催された。
講話では、練習艦が初めてのユーラシア周回航海の枠組みでセヴァストーポリからウラジオストクへの移動を行なった事が協調された。
艦は2つの大洋と15の海を通過し、53日の航海で143000海里を走破した。
艦は移動中にインドネシア、スリランカ、そして初めてパプアニューギニアを訪問した。
しかしこれは、長大な航路の一部でしかない。
今後、「ペレコプ」北海航路の移動を続け、ムルマンスクを訪れ、その後にクロンシュタットへ帰投する。
この航海は、海軍総司令部が歴史上初めて企画したものであり、艦は航行中に4つの大洋を通過する。

練習艦には、ロシア海軍研修-研究センター海軍兵学校(ピョートル大帝兵学校)の200名以上の第2及び第4コースの生徒が乗っており、様々な気候地帯における航海士の海上実習の機会が提供される。

実習プログラムに沿って、生徒は艦内演習へ参加し、更には海上で任務を遂行する艦で航海士当直へ就く実地技量を取得し、様々な特殊航法を持つようになる。
沿海地方の生徒は艦を去り、軍事輸送航空隊の航空機の研修場所へ戻る。

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練習艦「ペレコプ」ウラジオストクで航海機器の修理を行ない、乗組員はシュマコフカ軍事休養基地で休養の機会を得る。
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更に艦は、150名のS.O.マカロフ提督記念太平洋艦隊海軍兵学校及びナヒーモフ海軍学校ウラジオストク分校の生徒を受け入れ、遠距離航海へ向かう。
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最初の移動航路の地点はカムチャツカ半島となり、その後、「ペレコプ」北海航路を通過してムルマンスクへ行く。



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プロジェクト877練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。



今年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)、更には北極海まで行く事になります。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海及び極東への遠洋実習航海を準備する]
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2018年3月1日、「ペレコプ」サンクトペテルブルク海軍兵学校の生徒を乗せてクロンシュタット港を抜錨し、遠洋実習航海へと出発しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは士官候補生の遠洋実習航海へ出発した]

3月5日には北海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北海へ入った]

「ペレコプ」ヨーロッパ大陸沿いに南下し、3月9日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは英仏海峡を通過した]

その後、更にヨーロッパ大陸に沿って南下し、3月12日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは地中海へ入った]
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「ペレコプ」地中海を東進して3月17日にはボスポラス海峡を北上し、黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ入港しました。

ここでクロンシュタット港から乗っていた生徒は艦を降り、新たにサンクトペテルブルク海軍兵学校から200名以上の生徒が3月26日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍兵学校の生徒はセヴァストーポリからウラジオストクまでの遠洋実習航海へ参加する]

4月1日、「ペレコプ」セヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはセヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かった]

翌4月2日にはボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過してエーゲ海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過してエーゲ海へ入る]

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4月7日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

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4月11日には海賊出没海域であるアデン湾へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはアデン湾へ入った]

4月12日にはアデン湾を抜けてアラビア海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはアラビア海へ入った]

「ペレコプ」は、2018年4月18日から22日までスリランカコロンボ港を訪問しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボを訪れる]
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボへ入港した]
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボを去り、インドネシアのジャカルタへ向かった]

4月29日から5月1日までインドネシアタンジュンプリオク港(ジャカルタ)を訪問しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはインドネシアのタンジュンプリオク港へ到着した]

その後、5月4日から9日までインドネシア近海で実施された多国籍海軍演習『KOMODO-2018』へ参加しました。
【多国籍海軍演習『KOMODO-2018』公式サイト】



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演習が終わった後、「ペレコプ」パプアニューギニアの首都ポートモレスビーへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはパプアニューギニアの首都ポートモレスビーへ行く]

5月16日、「ペレコプ」ポートモレスビーへ入港しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはパプアニューギニアの首都ポートモレスビーを訪れた]


5月19日にポートモレスビーを出航した後の動向は公表されていませんが、おそらくは中部太平洋を北上してウラジオストクへ向かったようです。
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そして6月3日、「ペレコプ」ウラジオストクへ入港しました。

無論、「ペレコプ」にとっては、就役後初のウラジオストク寄港となります。

今後、「ペレコプ」ウラジオストクを出航してカムチャツカ方面へ向かい、ベーリング海峡を通過して北極海へ入ります。
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