fc2ブログ

ロシア海軍向けミストラルの搭載艇は決まっていない

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【メディア:「ミストラル」は揚陸艇が無いままである】
2012年9月3日

ロシア軍フランスDCNS社は、ヘリコプター揚陸ドック艦「ミストラル」型を完成させる為の重要なセグメントの一つにおいて折り合いが付く可能性が無い。
状況に精通しているロシア防衛産業企業体の代理人は『イズベスチヤ』に伝えた。

ロシア国防省は、DCNS社からの「ミストラル」に搭載される揚陸艇の提供を断った。

「フランスは、ロシア海軍のヘリコプター空母へ揚陸艇L-CAT型(フランスのCNIM社が開発)を搭載する事を提案したのです。
しかしロシア軍首脳部は、理由を説明せず、この案を拒否しました」

情報提供者は話した。

海軍総司令部は、「ミストラル」のレイアウトについての最終決定は下されていないと説明した。
「全ては、日ごとに変更されております。
プロジェクトは、当初に承認された計画の枠組内で実行されます。
しかしながら、その内容については機密事項であります」

海軍の代理人は説明した。

L-CATは、最新のカタマラン(双胴型)「水中ゴム引布」型船(空中キャビテーション原理に基づいて動く)であり、2011年1月にフランス海軍の軍備として採用された。
「ミストラル」は、エアクッション揚陸艇LCAC型(アメリカベル·エアロスペース社が開発)を搭載できるが、フランスでは、このクラスの船は生産されていない。

ロシア防衛産業企業体の代理人によると、フランスの提案に対するロシアの代替案は存在しない。
彼によると、最初の2隻のヘリコプター空母の建造契約の締結直前、ロシア国防省は、プロジェクト12601エアクッション揚陸艇「ムレナ」(サンクトペテルブルク「アルマーズ」中央設計局が開発)を搭載できるように輸送ドック艦を再設計する事をフランスの造船所へ提案した。
しかし、「ムレナ」の幅と全高は、L-CAT及びLCACよりも大きく、ドックに収める事は出来ない。

「艇を再設計した場合、寸法を小さくすればドックに収容できますが、それは積載量を減らす事になります。
現在、この艇はT-72戦車を輸送できるのですが」

海軍軍備の専門家ウラジーミル・シチェルバコフは説明した。

中央設計局「アルマーズ」設計主任コンスタンチン・ゴルベフは、「ムレナ」設計変更の問題について話した。
「研究の必要性について解決する事は出来ません」
彼は、「ムレナ」の建造が終了している事を想起させた。
同型艇の最後の3隻は、2005年から2006年に大韓民国へ輸出されたと『イズべスチア』は記した。

シチェルバコフによると、代替案として、「水上滑走」型高速揚陸艇プロジェクト11770「セルナ」(ニジニ·ノヴゴロドアレクセーエフ記念中央設計局が開発)が使用されるかもしれない。
これは、「ミストラル」に少なくとも2隻を配置できる。

「ですが、ロシア製ヘリコプターKa-27が格納庫に収まらない事や、Ka-52がエレベータに載せられない事が判明した時のようなミストラルの航空グループの話を繰り返さないように、入念な試験が必要です」
専門家は述べた。

シチェルバコフは、加えて、艦を完成させる為に未解決の問題が複数存在し、それら全ての件は、2012年9月末のロシア連邦国防長官第1代理アレクサンドル・スホルコフフランス訪問中に討議される事になると述べた。

『ヴィズグリャード』紙が報じた所によると、2隻の「ミストラル」フランスで建造する為のモスクワ-パリ間の契約は、昨年6月に署名された。
契約額は、12億ユーロである。

ロシア海軍の為の最初のヘリコプター空母は、2月初頭に起工された。
同艦は、2014年にロシアへ引き渡される予定である。
ロシア海軍は、2隻目の「ミストラル」を、2015年に取得するだろう。

最初の「ミストラル」は、「ウラジオストク」及び「セヴァストーポリ」と命名される。
更に、全ての「ミストラル」は、超音速有翼ミサイルを含むロシア最新の打撃及び防衛兵器システムを設置する。

8月上旬、ロシアは「ミストラル」の為の艦載ヘリコプターKa-52Kの最初の試作機の製造を開始したと報じられた。

ロシア海軍ドック艦「ミストラル」型の乗員となる士官及び水兵は、2013年に選抜されて集められる。

5月、アメリカ合衆国議会の調査機関は、アメリカおよびNATOに加入するバルト諸国は、ロシアへの「ミストラル」供給契約の締結を懸念していると報告した。


[ヘリ空母ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]


フランス海軍「ミストラル」型に搭載される揚陸艇の寸法

[L-CAT]
全長:30m
幅:12.8m
吃水:0.6m

[LCAC-1級]
全長:26.4m
幅:14.3m



今回の記事に登場するロシア海軍揚陸艇の寸法

[プロジェクト12601エアクッション揚陸艇「ムレナ」]
全長:31.3m
幅:14.6m
吃水:0.8m
12-0904b.jpg

[プロジェクト11770揚陸艇「セルナ」]
全長:25.8m
幅:5.8m
吃水:0.42m

12-0904f.jpg



というわけで、確かに「ムレナ」は、L-CATLCAC-1よりも少し大きいです。

「ムレナ」の積載量は約50トンであり、(50tまでの)戦車1両、或いは2両の装甲車輌、或いは140名の海軍歩兵を積載できます。
『アルマーズ造船所』公式サイトより
【揚陸艇プロジェクト12061「ムレナ」】

「セルナ」の積載量は約45トンであり、(45tまでの)戦車1両或いは2両の装甲車輌、或いは92名の海軍歩兵を積載できます。


「ムレナ」は既にロシア海軍から退役しておりますが、「セルナ」は、カスピ小艦隊に4隻、黒海艦隊に1隻、バルト艦隊に1隻、太平洋艦隊に1隻が在籍しております。
太平洋艦隊に配備された1隻はウラジオストクで、それ以外の7隻はニジニ・ノヴゴロドで建造されました。

太平洋艦隊所属のD-107(2010年就役)
12-0904c.jpg
12-0904e.jpg
12-0904d.jpg

ただ、ロシア海軍「ミストラル」太平洋艦隊北方艦隊に配備される計画ですから、仮に「セルナ」を搭載するとなると、カスピ小艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊から掻き集めるか、或いは、ウラジオストク及びニジニ・ノヴゴロドの造船所で追加建造する必要が有ります。
「セルナ」「ミストラル」に2隻を搭載出来るとの事ですから、「ミストラル」を4隻導入するのならば、8隻が必要になります。

ただ、「セルナ」を搭載するというのは、あくまでもロシアの軍事専門家ウラジーミル・シチェルバコフ氏個人の意見であり、ロシア軍当局としては、「ミストラル」を設計変更してでも「ムレナ」の搭載を希望したが実現は不可能であり、フランス製揚陸艇L-CATを導入する気も無く、搭載艇に関しては、あまり重要視していないようです。


記事中の「全てのミストラルは超音速有翼ミサイルを含むロシア最新の打撃及び防衛兵器システムを設置する」というのは、この事です。
[ロシア海軍向け「ミストラル」型には巡航ミサイル、対空・対潜ミサイルなどが装備される]
[ロシア海軍向け「ミストラル」型はロシア製兵器を装備する]
関連記事
スポンサーサイト