ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)に常駐する


『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年6月12日8時46分配信
【クリル諸島のマトゥア島は輸送航空機及びローテーション要員の受け入れを準備している-太平洋艦隊本部】
モスクワ、6月12日、インタファクス-AVN
要員の計画ローテーション及び物資の運搬が、近い内にマトゥア島(クリル諸島)で行なわれる。
火曜日、太平洋艦隊本部は発表した。
「要員の計画ローテーション及び物資の運搬の為の準備が、クリル諸島のマトゥア島の飛行場で行なわれています」
『インタファクス-AVN』が受け取ったプレスリリースでは、こう述べられている。
飛行場施設の運用と防護は太平洋艦隊の部隊により保障されている。
「当直の交代は空中空間からの恒常的な統制の下で行なわれ、軽軍用航空機及びヘリコプターの給油及び整備の受け入れが準備されています」
声明では、こう述べられた。
更に、計画任務を遂行する為、カムチャツカの艦隊補助船支隊のサルベージ船KIL-168が来る。
「それは、島へ将兵、食料、燃料-潤滑油を送り届けます」
太平洋艦隊本部は通知した。
2016年、ロシア軍は、マトゥア島に艦船駐留所の作成を計画していると発表した。
更に2016年秋、ロシアはクリル諸島へ新たな沿岸ミサイル複合体「バル」及び「バスチオン」を配置した事が公式に伝えられた。
増強された複合体「バスチオン」の大隊がイトゥルプ島(択捉島)で、複合体「バル」の大隊がクナシル島(国後島)で戦闘当直に就いていると太平洋艦隊機関紙『戦闘当直』は報じた。
クリル列島には、機関銃-砲兵師団が配置されている。
2017年5月、東方軍管区広報サービスは、師団が、無人機を含む新たな風貌の兵器及び軍用車両を受け取ると発表した。
将兵の為、クリル諸島にはインフラストラクチュアが展開していると伝えられている。

現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア海軍の沿岸ミサイル部隊は駐留していますが、ロシア海軍の「軍港」は存在せず、艦船も駐留していません。
2016年3月下旬、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、クリル諸島にロシア海軍の「軍港」が造られる可能性に初めて言及し、クリル諸島へ太平洋艦隊の調査部隊を派遣すると述べました。
[クリル諸島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設されるかもしれない]
2016年5月7日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」とサルベージ船KIL-168など6隻で構成され、太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将が指揮する調査部隊はウラジオストクを出航し、5月14日にクリル諸島中部のマトゥア島へ到着しました。
以後、マトゥア島へ太平洋艦隊の基地を建設する可能性についての調査が行なわれました。
[クリル諸島のマトゥア島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設される?]
マトゥア島には太平洋戦争中に旧日本海軍が建設した飛行場跡(3本の滑走路)が残されており、その復旧の可能性についても調査が進められました。
[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]
2016年5月末からはヘリコプター発着の為のマトゥア島飛行場の復旧作業が始まりました。
この他、大型揚陸艦が海岸へ貨物を荷揚する為の海岸の整備も行われました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍飛行場を再建する]
これと並行して旧日本軍の地下施設(掩体壕など)の本格的な調査(重機による掘削)も行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設を調査する]
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設の調査を続ける]
2016年6月下旬には、ドヴォイナヤ湾で旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見されました。
[クリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)で旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見された]
2016年6月末までにマトゥア島の調査は全て完了し、調査隊は一旦撤収しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を全て完了した]
2017年にはマトゥア島の第2次調査が実施される事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2017年6月~9月にクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を行なう]
2017年5月30日、第2次マトゥア島調査隊を乗せた太平洋艦隊艦船支隊はウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)調査部隊はウラジオストクから出航した]
6月7日、太平洋艦隊艦船支隊はマトゥア島へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)調査部隊は現地に到着した]
更に、最新鋭の潜水艦救助船「イーゴリ・ベロウソフ」(2015年12月25日就役)が派遣され、マトゥア島沖の海底で発見された潜水艦(1944年6月1日に撃沈されたアメリカ海軍の潜水艦「へリング」)の調査が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭救助船イーゴリ・ベロウソフはクリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)沖で沈没した潜水艦を調査する]
マトゥア島の第2次調査は9月初頭に完了し、9月7日には現地の設備や人員を収容する為の艦船部隊がマトゥア島へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2017年度のクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を完了した]

現在、マトゥア島の飛行場は軽輸送機とヘリコプターの発着が可能であり、太平洋艦隊により運用されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の飛行場を運用する]
「軽輸送機」は、太平洋艦隊航空隊の保有機の場合、具体的にはAn-26を指しています。

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