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プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンは2018年6月末にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2018年6月12日17時17分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は2018年6月末までにロシア海軍へ加わる】

大型揚陸艦「イワン・グレン」は、今年の6月末までにロシア海軍へ加わる。

大型揚陸艦「イワン・グレン」は、公開株式会社『ネヴァ川計画設計局』により開発されたプロジェクト11711のトップ艦であり、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された。

プロジェクト11711は、1960年代から70年代に沿バルト造船工場『ヤンターリ』で14隻から成るシリーズが建造されたプロジェクト1171の最新の発展型である。
プロジェクト11711大型揚陸艦のトップは「イワン・グレン」と命名された。

大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家受領試験は2017年11月に始まった。
その第1段階の分析後、必要に応じてシリーズのトップ艦の試験は2018年4月初頭まで継続された。
現時点で、艦の国家試験の海上部分は完了している。
艦の出航及び基地間移動中、航行性能の良好さと全ての居住保障システムの正常な動作が示された。
試験の結果、その戦術-技術的特性は、技術設計上の仕様に完全に沿っている事が確認された。

大型揚陸艦「イワン・グレン」プロジェクト11711のトップ艦であり、公開株式会社『ネヴァ川計画設計局』により開発された。
それは、ロシア連邦国防省の発注の下、沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された。
工場は、同プロジェクトの最初の生産艦の建造を続けており、大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は2015年6月に起工され、2018年5月25日に進水した。



[プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)]
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プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]

6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラード『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]

6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]

6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]

8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。
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その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]

フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」バルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]

しかし、その後に艦の消磁システムの不具合が発覚し、航行試験は中断されました。

「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。

「イワン・グレン」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で不具合の改修が進められていました。
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2017年6月3日にカリーニングラードからバルチースクへ移動し、6月上旬に洋上試験を再開しました。

[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバルト海での洋上試験を再開する]

その後、7月30日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加するため、クロンシュタットへ移動しました。

7月30日、クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。

[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

その後、洋上試験を再開し、10月21日にはバルト海AK-630M 30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月21日11時14分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は海上で砲複合体の試験を行なった】

10月27日にも30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月27日14時29分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」乗組員は海上で砲射撃を実施した】

11月14日までに工場航行試験は終わりました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年11月14日20時53分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は工場航行試験を完了した】

その後、国家受領試験が始まり、12月9日までに軍用車両の積載及び下船試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月9日11時6分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家試験の枠組みで車両積載試験が実施された】

12月22日までにバルト海30mm機関砲(AK-630M 30mmガトリング砲30mm2連ガトリング砲「ドゥエト」)の射撃試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月22日14時0分配信
【試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」はバルト海で砲射撃を実施した】


「イワン・グレン」は2017年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、艦の後進の制御に問題が有る事が判明した為、またもや引き渡しが延期されました。
[最新大型揚陸艦イワン・グレンのロシア海軍への引き渡しは2018年春以降になる]


2018年4月3日、「イワン・グレン」国家受領試験を再開する為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンは洋上試験再開の為にバルト海へ出航した]

5月4日までに試験は完了し、カリーニングラード造船所へ戻ってきました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験は完了した]

その後は造船所で検査が行なわれ、6月2日に完了しました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ引き渡す前の検査を完了した]

「イワン・グレン」ロシア海軍への納入と聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典(正式な就役式典)の開催は、2018年6月末になるようです。


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2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」は2018年5月25日に進水していますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは進水した]

その後は、より大型の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造へ移行します。
[新世代汎用揚陸艦セヴァストーポリ型]
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