ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は錬成訓練を行なう

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2018年6月15日4時25分配信
【太平洋艦隊の最新コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は第1錬成任務へ移行する】
K-1任務は単艦訓練プログラムの重要なパートであり、その戦闘及び基地条件下での戦闘及び航海の日常の組織的な準備への取り組みが予定されている。
教習に関する重要な伝達行動の為、艦隊の統制士官グループと共に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将が到着して艦を視察し、沿海地方多種戦力小艦隊司令官、水上艦連合部隊司令官、コルベット艦長の報告を聞いた。
受け取った課題の初日の結果を、乗組員は確かめ、記録し、自身の職責と責務を良く理解し、乗員は演習中、艦の戦闘と航海、投錨及び係留の準備に関し、巧みに行動した。
近日中にコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員は、K-1の枠組みにおいて、艦の停泊条件下での組織的な対空防衛及びダメージコントロール、組織的な対水中工作防衛、更には化学、生物、放射線の感染条件下での要員の行動へ取り組む。
閲兵の隊列を完成させる課題を受け取る。
[参照]
コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、プロジェクト20380コルベットシリーズの4隻目であり、2017年に太平洋艦隊へ加わった。
艦は、近海ゾーンでの行動、敵の水上艦及び潜水艦との戦闘実施、更には、海洋揚陸作戦中の海洋揚陸部隊の砲撃支援の為に意図されている。

[プロジェクト20380/20385コルベット]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]
ロシア太平洋艦隊向けプロジェクト20380コルベットの1隻目となる「ソヴェルシェーンヌイ」は、2006年6月30日にコムソモリスク・ナ・アムーレのアムール造船工場で起工され、2012年10月にはサンクトペテルブルクで製造された上部構造物が海路でコムソモリスク・ナ・アムーレまで運ばれました。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]
しかし、「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は大幅に遅延しました。
[ロシア太平洋艦隊の為の2隻の新型コルベットの建造は価格を巡る問題により遅延する]
[ロシア太平洋艦隊の為の新型コルベットの建造は遅延する]
その主な原因は、コルベットの建造価格に関するロシア国防省とアムール造船工場の対立に有ったのですが、2014年4月、国防省は造船所側の要求を受け入れ、建造費用の増額に同意しました。
[ロシア太平洋艦隊向けの新型コルベットの建造費用は130億ルーブルに増額された]
その後、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は進み、2015年1月~3月には「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員がバルト艦隊のプロジェクト20380コルベット「ソーブラジテルヌイ」で実地訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"乗組員はバルト海での訓練を開始した]
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員はバルト海での研修を終えた]
2015年5月22日に進水式典が開催されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は進水した]

進水した「ソヴェルシェーンヌイ」は、2015年7月末にコムソモリスク・ナ・アムーレから沿海地方のボリショイ・カーメニへ回航されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は2015年7月下旬に沿海地方へ回航される]

ボリショイ・カーメニへ回航後、艤装工事が進められました。

2016年11月初頭から消磁作業が始まりました。
舷側番号は「333」となりました。

2017年1月初頭から係留試験が行われました。
2017年1月30日、「ソヴェルシェーンヌイ」は、航行試験を行なう為、初めて出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は洋上試験を開始した]
3月16日に初めてA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲の射撃試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は100mm砲の射撃試験を行なった]
その後も日本海で航行試験は続けられました。
6月19日までに、対艦ミサイル「ウラン」の発射試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は対艦ミサイルの発射試験を行なった]
6月20日には100mm単装砲で対艦ミサイル標的を撃墜しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は日本海での洋上試験中に対艦ミサイルを撃墜した]
6月28日には艦のソナーの試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は日本海でソナーの試験を行なった]
6月30日までに100mm単装砲及び30mmガトリング砲の射撃試験、太平洋艦隊航空隊の航空機を対象にしたレーダーなどの動作点検などが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は日本海で洋上試験を続けている]
7月3日にはヘリコプターの着艦試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は日本海で艦載ヘリコプターの着艦試験を行なった]
「ソヴェルシェーンヌイ」は国家受領試験の海上段階を全て完了し、ボリショイ・カーメニに在る『アムール造船工場』の出張所)で艦の点検と塗装作業が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は洋上試験を完了した]
7月18日にはウラジオストクへ入港し、就役式典会場となる金角湾の第33埠頭へ接岸しました。


2017年7月20日、「ソヴェルシェーンヌイ」はロシア海軍へ納入され、海軍旗初掲揚式典を開催して正式に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。
[コムソモリスク・ナ・アムーレで建造された最初の新世代コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
就役したばかりの「ソヴェルシェーンヌイ」は、2017年7月30日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加しました。
[最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"はウラジオストクで2017年7月30日の『ロシア海軍の日』の観艦式へ参加する]
2017年8月1日から12日までウラジオストクで開催された国際海軍競技会『海洋杯-2017』へ参加し、中国海軍のコルベット「黄石」と「対決」しました。
[国際海軍競技会『海洋杯-2017』でロシア海軍の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と『対決』する中国海軍のコルベット(軽型護衛艦)はウラジオストクへ来る]
その後も「ソヴェルシェーンヌイ」はウラジオストクに留まっており、乗組員の訓練を行なっているようです。

今回の記事で触れられているK-1(第1錬成任務)とは、基地内に停泊した状態での乗組員の各種訓練です。
このK-1を終了した後、海上へ出て各種訓練を行なうK-2(第2錬成任務)を行ないます。
「ソヴェルシェーンヌイ」は就役してからほぼ1年が経過していますが、おそらくは、今後就役する同型艦「グロームキー」の乗員予定者(2017年10月末までに乗員団の編成を完了)として本艦の乗組員が多数引き抜かれ、その代わりに新人が入ってきた為、改めて錬成訓練を行なう事になったのでしょう。
[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"は2018年末にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]
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