ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはシリアへ貨物を運ぶ
- カテゴリ:地中海情勢(2018年)

『インタファクス』より
2018年6月15日21時50分配信
【ロシア連邦海軍の大型揚陸艦は地中海へ入った】
モスクワ、6月15日、インタファクス-ロシア
ロシア海軍の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、金曜日に黒海海峡を通過して地中海水域へ入った。
現地の情報ポータルサイトはボスポラス海峡を通過する写真を公表した。
イスタンブールのサイトは、黒海艦隊の戦闘艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、地中海のロシア海軍の物資-技術サービス供給所が置かれているシリアのタルトゥース港へ向かっていると確信している。
これは、大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」のシリアへの今年4度目の航海となる事は注目される。
6月10日、最上甲板に大量の大型コンテナが視認できるロシアの乾燥貨物船「ピジマ」、更には、ロシア連邦国防省がチャーターしてノヴォロシースクから出航した貨物船「スパルタ」が黒海海峡を通過してタルトゥースへ向かった。
この他、6月9日には、最上甲板に緑色に塗装された貨物車「ウラル」を積んだ輸送船「アレクサンドル・トカチェンコ」が黒海海峡を通過してシリアへ行った。
伝えられているように、5月には黒海艦隊の大型揚陸艦「アゾフ」及び「ニコライ・フィリチェンコフ」がシリアへの2度の航海を行なった。
海外メディアによれば、ロシア海軍の大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアのフマイミーン飛行場のロシア航空群、タルトゥースの海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける「シリア・エクスプレス」と呼ばれる作戦へ参加している。
ロシア海軍の大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアのタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に就いています。

当初は大型揚陸艦のみが「シリア・エクスプレス」へ参加していましたが、2015年夏以降は海軍がチャーター或いは購入した貨物船も参加するようになりました。
「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは、主に黒海艦隊所属艦ですが、この他に北方艦隊及びバルト艦隊からも大型揚陸艦が交代で派遣されています。
黒海艦隊の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(1975年12月30日就役)は「シリア・エクスプレス」の常連であり、2017年には、計7回の「シリア・エクスプレス」に従事していた事が確認されています。
(ロシア海軍当局からの公式発表は無いが、ボスポラス海峡を南下すればシリアへ向かい、北上すれば黒海沿岸のロシア海軍基地へ戻っている)
・1月18日にボスポラス海峡を南下、1月27日に北上
・2月19日にボスポラス海峡を南下、3月5日に北上
・3月15日にボスポラス海峡を南下、3月24日に北上
・4月6日にボスポラス海峡を南下、4月17日に北上
・5月1日にボスポラス海峡を南下、5月11日に北上
・5月20日にボスポラス海峡を南下、6月2日に北上
・7月20日にボスポラス海峡を南下、8月初頭に北上
2017年8月初頭にセヴァストーポリへ戻った後はオーバーホールが行なわれ、2018年2月に修理を終えて復帰した後は黒海の演習へ参加していました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフとオルスクはクリミア半島で上陸訓練を行なった]
2018年4月13日、大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、ほぼ9ヶ月ぶりにボスポラス海峡を南下、シリアのタルトゥース港へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはシリアへ向かった]
タルトゥース港で貨物を降ろした後、4月21日にはダーダネルス、ボスポラス海峡を通過し、地中海を去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはシリアから戻ってくる]
5月1日にボスポラス海峡を南下してシリアへ行き、5月11日に同海峡を北上しました。
5月23日にダーダネルス、ボスポラス海峡を通過し、今年3度目となる「シリア・エクスプレス」へと向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフと対水中工作艇P-433はシリアのタルトゥースへ向かった]
そして6月15日、今年4度目となる「シリア・エクスプレス」へと向かいました。
この他、ロシア海軍がチャーターした貨物船3隻も6月9日~10日にダーダネルス、ボスポラス海峡を通過してシリアへ向かいました。
乾燥貨物船「ピジマ」(1990年12月10日就航、シンガポールで建造)

貨物船「スパルタ」(2000年11月21日就航、トルコで建造)

輸送船「アレクサンドル・トカチェンコ」(1989年12月1日就航、イタリアで建造)

現在、地中海東部には、以下のロシア海軍艦船が滞在しています。
これらの艦船は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]
フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(バルト艦隊):2018年5月初頭から地中海東部に滞在
警備艦「スメトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年4月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(黒海艦隊):2018年6月15日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋掃海艦「トゥルビニスト」(黒海艦隊):2018年5月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
対水中工作艇P-433(黒海艦隊):2018年5月23日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型海洋給油船「レナ」(バルト艦隊):2018年5月初頭から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」(黒海艦隊):2018年5月23日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋曳船MB-304(黒海艦隊):2018年5月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-82(バルト艦隊):2018年4月下旬から地中海東部に滞在
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