ロシア海軍の為に新たな8000トン級大型揚陸艦が開発される
- カテゴリ:ロシア新世代水上艦

『タス通信』より
2018年6月18日9時8分配信
【情報筋:ロシアは約8000トンの新たな揚陸艦を作成する】
モスクワ、6月18日/タス通信
『北方計画設計局』は、ロシア連邦海軍の為、根本的に新しい大型揚陸艦プロジェクトを作成する。
『タス通信』はロシア防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「『北方計画設計局』は、ロシア海軍の為の新たな大型揚陸艦プロジェクトの作成を委託されています。
草案設計の作業が行なわれます」
対談者は話したが、作業の時期については明らかにしなかった。
彼は、この話は、存在するプロジェクトは如何なる発展型にも非ず、排水量約8000トンの大型揚陸艦のゼロからの作成である事を強調した。
他の設計局は、この作業に参加していない。
『統合造船業営団』は、この情報にコメントしなかった。
[計画設計局]について
『北方計画設計局』は、ロシアの大手の計画設計局の1つであり、1946年に設立された。
それは、プロジェクト11356警備艦、最新のプロジェクト22350フリゲート、モジュール哨戒艦プロジェクト22160を含め、様々なクラスの水上艦を作成している。
更に『北方計画設計局』は、将来駆逐艦プロジェクト「リデル」の作業を行なっている。
ソヴィエト及びロシア時代の事実上全ての揚陸艦プロジェクトは、現代のロシアにおいて、航空艦及び揚陸艦のテーマに従事する唯一の設計局である『ネヴァ川計画設計局』により開発された。
最近のロシア史上での初めての作成となる大型揚陸艦「イワン・グレン」(プロジェクト11711)は、1998年に開始されたが、ロシア連邦海軍の要求による度重なる艦の戦術-技術的課題の変更により遅延した。
「イワン・グレン」は約6000トンの排水量を有し、その前のプロジェクト11711(コード名「タピル」)大型揚陸艦は4300トンである。
ロシア連邦海軍において、このクラスの艦で最も数の多いプロジェクト775は4400トンである。
【『北方計画設計局』公式サイト】
現在、ロシア海軍には、2タイプの大型揚陸艦が合計19隻在籍しています。
その内訳は、1960年代後半から1970年代半ばに建造されたプロジェクト1171(アリゲーター級)が4隻、1970年代後半から1990年代初頭に就役したプロジェクト775/775M(ロプーチャ級)が15隻です。
[ロシア海軍は19隻の大型揚陸艦を有する]
そして現在、プロジェクト1171の拡大発展型に位置づけられるプロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」型2隻が建造中です。
[プロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」型]
将来的には、より大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦「セヴァストーポリ」型の建造が計画されています。
[新世代汎用揚陸艦セヴァストーポリ型]
今回の記事に登場する『北方計画設計局』が設計する8000トン級大型揚陸艦は、上記の新型艦とは違うものとなるようです。
(「セヴァストーポリ」型は約24000トン)
『北方計画設計局』は、ソ連時代から巡洋艦、駆逐艦、フリゲート級の水上戦闘艦の設計を専門としており、揚陸艦の設計の経験は殆ど有りませんが、2000年代には輸出用としてプロジェクト21810中型揚陸艦を設計しました。


[プロジェクト21810中型揚陸艦]
満載排水量:1600トン
全長:97メートル
幅:11メートル
速力:16ノット
航続距離:14ノットで2500海里
自立航行期間:30日
乗組員:47名
積載能力:海軍歩兵隊員200名、戦車5両
兵装:110mmロケット砲×2基
AK-630M 30mmガトリング砲×2基
高射砲複合体「パラシ」×3基
高射ミサイル複合体「イグラ」8連装発射機×1基
これはインド海軍向けなどを念頭に輸出用として設計されましたが、何処からも発注が無かった為、ペーパープランに終わりました。
以前、新世代汎用揚陸艦の設計が『北方計画設計局』へ移管されたという話がありましたが、これは、今回の8000トン級大型揚陸艦の事だったようです。
[ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター揚陸艦セヴァストーポリ型の設計は『北方計画設計局』が担当する]
この8000トン級大型揚陸艦は、全くゼロからの設計となり、以前のタイプの発展型では無いとの事ですから、或いは、全通甲板の揚陸艦~「セヴァストーポリ」型の縮小版~になるかもしれません。
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