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ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの近代化改装は断念される?

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『インタファクス』より
2018年7月3日16時18分配信
【海軍及び黒海艦隊首脳は、巡洋艦「モスクワ」を修復するのかどうかを決定する】
モスクワ、7月3日、インタファクス-ロシア

近い内に黒海艦隊司令部及び海軍総司令部首脳は、黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」の今後の運命に関連する決断を下さなければならない。
『インタファクス』は消息筋より伝えられた。

「現在、巡洋艦はセヴァストーポリに在り、将来の更なる使用に関連する決定が予定されています」
彼は指摘した。

彼によると、問題の解決の為の複数の選択肢が検討されている。

「前黒海艦隊司令官アレクサンドル・ヴィトコ大将は、モスクワが同型の巡洋艦マルシャル・ウスチーノフのような修理及び近代化へ向かう事に反対でした。
艦の退役将兵は、この視点を支持しています」

情報提供者は想い起こした。

彼によると、「更なる視点として、モスクワが修理及び近代化へ向かうのは理にかなっていないというものが在ります。
何故なら、巡洋艦は既に35歳です~これはプロジェクト1164アトラントの1番艦ですから」
「それが修理及び近代化を行なう場合、マルシャル・ウスチーノフと同様のケースだと、5年間に渡る事になります。
修理が終わった時、それは40歳になります」

対談者は話した。

彼は、同時に、このような観点から、「モスクワ」に比べ、より「若い」太平洋艦隊の同型のロケット巡洋艦「ワリャーグ」の修理が提案されている事を指摘した。

北方艦隊巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2016年12月、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(『統合造船業営団』へ加入)での5年にわたる修理を終えた。

以前、巡洋艦「モスクワ」は、2018年からセヴァストーポリ海洋工場(『ズヴェズドーチカ』支所)で3年間に渡る修理を始める事が意図されていた。
しかし、これは実行されていない。
『インタファクス』が他の情報筋から伝えられたように「モスクワは修理されません。資金が拠出されませんので」



黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年には何度も長期航海を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の艦船は2015年に総計50万海里以上を航行した]

2015年1月1日の時点では、太平洋遠征(ニューギニア沖まで進出)から戻る途中であり、オマーンで新年を迎えました。
[ロケット巡洋艦モスクワ遠距離航海(2014年9月-2015年1月)]

2015年5月には中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』へ参加しています。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

2015年6月には、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加しました。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]

2015年6月下旬から8月初頭まで大西洋へ進出し、アンゴラ赤道ギニアを訪問しています。
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-)]

2015年9月24日にセヴァストーポリを出航して地中海東部(シリア沖)へ向かい、2016年1月9日に帰港しました。

[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアからセヴァストーポリへ帰港した]

2016年5月21日から7月16日までセヴァストーポリ第13艦船修理工場浮きドックへ入渠しました。
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2016年7月22日、視察のためにセヴァストーポリを訪れたロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将によりナヒーモフ勲章が授与されました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはナヒーモフ勲章を授与された]


2016年7月31日及び2017年7月30日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。


以前、「モスクワ」は、2018年から近代化改装の開始が予定されていました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2018年からセヴァストーポリで近代化改装を行なう]

記事中で触れられていますが、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズド―チカ』では同型艦の「マルシャル・ウスチーノフ」の近代化改装が行なわれ、2016年12月末に完了しています。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]


続いて、『ズヴェズド―チカ』セヴァストーポリ支所である『セヴァストーポリ海洋工場』「モスクワ」の近代化改装が行なわれる筈でしたが、既に就役から35年が経過している同艦の近代化改装には疑問の声も出ており(前の黒海艦隊司令官アレクサンドル・ヴィトコ提督も反対していた)、実行に移される可能性は限りなく低くなっています。

「モスクワ」は、2018年5月末頃から錆止め塗装(赤茶色の塗料)が始まっています。
すぐに近代化改装を実施する事は無いが、かといって除籍の予定も無いので、当面の間は艦を保管する為でしょう。
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