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北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは7月29日にクロンシュタットで行なわれる『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する

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『タス通信』より
2018年7月6日3時9分配信
【情報筋:水中巡洋艦「オリョール」はサンクトペテルブルクの『海軍の日』へ参加する】
モスクワ、7月6日/タス通信

北方艦隊から来るプロジェクト949A原子力水中ロケット艦「オリョール」は、『海軍の日』へ捧げられるサンクトペテルブルクのパレードの最大の参加艦となる。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「北方艦隊からはオリョールが来ます。
巡洋艦の乗組員は、バルト海への移動に必要な準備を行なっています」

対談者は話した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

潜水艦は初めてサンクトペテルブルクへやって来る。
「オリョール」は最大のパレード参加艦であり、水上排水量は15000トンである。
次に大きな艦は、排水量11000トン以上のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」でり、北方艦隊からフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」と共にパレードへ来る。
この他、1等艦の隊列には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」を見る事ができる。

[他の参加艦]
パレード
には、最近に海軍が受領した大型揚陸艦「イワン・グレン」も来る。
バルチースクからは、間もなくプロジェクト20380コルベット「ソーブラジテルヌイ」警備艦「アドミラル・マカロフ」(プロジェクト11356)が到着する。
泊地の空いている場所には、偵察艦「イワン・フルス」が入り、対水中工作艇「グラチョノク」ファミリー、小型ロケット艦「ブヤン-M」「カラクルト」が登場する。
パレードには更に、バルト艦隊及び北方艦隊から2隻のプロジェクト877「パルトゥース」ディーゼルエレクトリック潜水艦が参加する。

主要海軍パレードで見る事のできる参加艦は、更に、哨戒艇、揚陸艇、泊地掃海艇、基地掃海艇、海洋掃海艦、ロケット艇「モルニヤ」ファミリーが有る。
以前、パレードには総計で40隻以上の戦闘艦が関わり、この内の18隻は最新型であり、更には25機の航空機ヘリコプターも関わる。

[オリョール]
949A「アンテイ」潜水艦
は、ソヴィエト時代、非公式に「空母キラー」と呼ばれていた。
この潜水艦は11隻建造され、ロシア海軍には8隻が残っている。
「アンテイ」の満載排水量は24000トンであり、主要兵装は24基の有翼ミサイル「グラニート」である。
原子力水中ロケット巡洋艦K-266「オリョール」は、1993年に赤旗北方艦隊の戦闘編制へ加入した。

[2017年のパレード]
昨年、ロシア現代史上初めて主要海軍パレードが行なわれ、同時に、北方艦隊、黒海艦隊、太平洋艦隊、カスピ小艦隊でもパレードが行なわれた。

サンクトペテルブルクのパレードでは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、世界最大の原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」、一連の海軍の新型艦~大型揚陸艦「イワン・グレン」、フリゲート「アドミラル・マカロフ」、ディーゼルエレクトリック潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「ウラジカフカース」を見る事ができた。

中国からの艦もパレードへ参加した~駆逐艦「合肥」、フリゲート「運城」、支援船「駱馬湖」
合計して約50隻の艦が参加した。



プロジェクト949A巡洋潜水艦K-266は、1989年1月19日にセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」造船所で起工されました。
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1991年、「セヴェロドヴィンスク」と命名されました。

1992年5月22日に進水し、同年7月3日、「原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。
1992年10月6日から20日まで工場航海試験が実施され、同年10月30日から国家受領試験が実施されました。
1992年12月30日、ロシア海軍への納入証書へ署名され、海軍へ引き渡されました。

1993年1月20日、ロシア海軍旗を掲揚し、正式にロシア海軍へ就役しました。
1993年1月27日に北方艦隊原潜基地ザーパドナヤ・リッツァへ到着し、2月5日に北方艦隊第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。
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1993年4月6日、「オリョール」と改名されました。

「オリョール」Орелロシア語「鷲」という意味ですが、この場合は、ロシア連邦オリョール州から取られています。
K-266は、オリョール州政府の後援を受けています。

2000年8月に同型艦「クルスク」が爆沈した後、「オリョール」「クルスク」引き揚げの為の各種リハーサルに使われました。

2003年から2004年に掛けてロスリャコヴォ村第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50で修理が実施され、推進軸が交換されました。
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2013年10月4日、バレンツ海有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

2013年11月、修理の為にセヴェロドヴィンスク市艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
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[オスカーII級原潜オリョールはオーバーホールを行なう]

2014年4月、「オリョール」の寿命延長近代化改装の為の契約が締結されました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事を行なう]

同年4月23日、セヴェロドヴィンスク市艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」ドックへ入渠しました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事の為にドック入りした]
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2015年4月7日、溶接作業中に艦尾の外部非耐圧殻と内部耐圧殻の間で火災が発生しました。

[セヴェロドヴィンスクの修理工場で火災が発生した]
[修理中のロシア海軍原子力潜水艦オリョールで火災が発生した]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報その2]
火災は4月7日14時14分に発生し、翌4月8日0時57分に完全に鎮火しました。
この間、火災が完全に鎮火できない為、「オリョール」が入っていたドックへの注水が行なわれました。

「オリョール」の改装工事は2015年4月中旬に再開されました。
[ロシア海軍の原潜オリョールの近代化改装工事は再開される]
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2016年10月3日、「オリョール」は再び進水しました。
[火災事故に遭ったロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは再進水した]

「オリョール」は2017年4月末までに北方艦隊へ復帰する予定です。
[近代化改装される原子力水中巡洋艦オリョールは2017年4月末までにロシア海軍へ復帰する]

2017年4月6日、「オリョール」艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」を去り、駐留基地へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは寿命延長近代化改装を終えて出航した]


4月11日に駐留基地ザーパドナヤ・リッツァ基地(ザオゼルスク)へ到着しました。
[寿命延長近代化改装を終えたロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは駐留基地へ戻った]
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2017年9月には北方艦隊の演習へ参加し、9月19日には有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の水上艦と原子力潜水艦はバレンツ海で超音速対艦ミサイルを発射した]

9月21日には重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと原子力水中巡洋艦オリョールはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]


今回の記事で触れられていますが。「オリョール」は、2018年の『ロシア海軍の日』(7月29日)にサンクトペテルブルク及びクロンシュタットで行なわれる観艦式へ参加するかもしれません。

既に、他の北方艦隊の参加艦はクロンシュタットへ向かっています。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はセヴェロモルスク基地を出航した]

昨年(2017年)のクロンシュタット観艦式には、「オリョール」よりも遥かに大きな原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」北方艦隊から参加しているので、「オリョール」が参加する事は十分にあり得るでしょう。
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