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ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの近代化改装は断念されていない

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年7月17日10時25分配信
【造船業界は巡洋艦「モスクワ」の近代化の2つの選択肢を提案している】

造船分野は、黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦プロジェクト1164「モスクワ」の近代化の2つの選択肢を検討している。
第1は、クリミアの企業の1つでの作業を仄めかしており、他は、セヴェロドヴィンスクへの艦の移動である。


「モスクワ」は2016年1月から海へ出ておらず、近代化の契約締結を待っている。
『Mil.Press FlotProm』ロシア防衛産業の情報提供者より伝えられた。
彼によると、セヴェロドヴィンスク『ズヴェズドーチカ』は、前もって造船台のスケジュールを計画し、近代化の操作の為の契約を事前に締結する必要がある。
これはクリミア艦船修理企業も同様であり、更なる技術的再装備が必要である。

北方への艦隊間移動の問題は、「モスクワ」が現在航行できないという事にある。
ロケット巡洋艦の乗組員の1人は話した。
その代わり、司令部要員は肯定的な考えである:彼らは修理開始を待っている。
ある作業は、艦が第13艦船修理工場に居た2018年初頭に始まった。
しかし、それは数ヶ月の設計作業が必要となる近代化では無い。

『Mil.Press FlotProm』の業界の情報提供者によると、クリミアでの修理の実行は可能ではあるが、費用が高く付く。
セヴェロドヴィンスクへの移動の為には、「モスクワ」を曳航し、自力で戻る必要がある。
最後の操作には、更に多くの費用と、半年間が費やされる。
その代わり、情報提供者は、巡洋艦の解体の可能性に関する多くのメディアの情報を否定した。
「黒海には、このような艦は他に無く、予見されることも有りません」
彼は要約した。

黒海艦隊広報サービスは『Mil.Press FlotProm』へ、巡洋艦の近代化開始の時期は未だ未定である事を確認した。
黒海艦隊の代理人は、近代化を実行する企業が何処になるのかについては話さなかった。


巡洋艦「モスクワ」は、2018年には『セヴァストーポリ海洋工場』(艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』支所)で3年間の修理が計画されていた。
しかし、それは実行されておらず、契約は未だ署名されていない。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
「モスクワ」
は、プロジェクト1164「アトラント」のトップ艦である。
1983年に「スラヴァ」の名で就役した。
1996年、後援者としてモスクワ市庁が現れ、それに改名された。

プロジェクト「アトラント」巡洋艦の排水量は11380トン、全長186メートル、最大幅20.8メートル。
艦は34ノットまでの速力を発揮できる。
乗組員は510名。
巡洋艦の主な打撃兵装は、ミサイルP-1000「ヴルカーン」の16基の発射装置である。
これに加え、砲、対空防衛ミサイル手段、高射ミサイル複合体「オサー-M」、魚雷発射管及び深海爆撃の為の反応装置を装備する。

2015年後半、巡洋艦は、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊を率い、その対空防衛手段でシリアロシア航空基地フマイミーンをカバーした。
最後の戦闘勤務は2016年1月に完了した。



黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年には何度も長期航海を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の艦船は2015年に総計50万海里以上を航行した]

2015年1月1日の時点では、太平洋遠征(ニューギニア沖まで進出)から戻る途中であり、オマーンで新年を迎えました。
[ロケット巡洋艦モスクワ遠距離航海(2014年9月-2015年1月)]

2015年5月には中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』へ参加しています。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

2015年6月には、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加しました。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]

2015年6月下旬から8月初頭まで大西洋へ進出し、アンゴラ赤道ギニアを訪問しています。
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-)]

2015年9月24日にセヴァストーポリを出航して地中海東部(シリア沖)へ向かい、2016年1月9日に帰港しました。

[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアからセヴァストーポリへ帰港した]

2016年5月21日から7月16日までセヴァストーポリ第13艦船修理工場浮きドックへ入渠しました。
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2016年7月22日、視察のためにセヴァストーポリを訪れたロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将によりナヒーモフ勲章が授与されました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはナヒーモフ勲章を授与された]


2016年7月31日及び2017年7月30日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。


以前、「モスクワ」は、2018年から近代化改装の開始が予定されていました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2018年からセヴァストーポリで近代化改装を行なう]

セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズド―チカ』では同型艦の「マルシャル・ウスチーノフ」の近代化改装が行なわれ、2016年12月末に完了しています。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]

続いて、『ズヴェズド―チカ』セヴァストーポリ支所である『セヴァストーポリ海洋工場』「モスクワ」の近代化改装が行なわれる筈でしたが、実行を危ぶむ見方も有ります。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの近代化改装は断念される?]


しかし、今回の記事に登場する情報提供者は、近代化が断念された事については否定しており、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズド―チカ』へ回航して近代化改装を行なうのか、或いは『セヴァストーポリ海洋工場』で近代化改装を行なうのかが検討されているようです。
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