ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの試験は進められている
- カテゴリ:大洋多目的システム「ポセイドン」
『タス通信』より
2018年7月19日8時53分配信
【(ロシア)国防省は無人水中装置「ポセイドン」の試験を開始した】
モスクワ、7月19日/タス通信
ロシア連邦国防省は、その射爆場で無人水中装置「ポセイドン」の試験を開始した。
木曜日、軍当局は報道機関へ伝えた。
「ロシア国防省の射爆場では、確実にダイナミックな特性の装置(ポセイドン)が組織的に実施されており、現実の条件での発射が行なわれ、航路上の動力装置の能力が自動モードでチェックされています」
国防省は話した。
今日において、無人水中装置は複合実験への取り組みを完了しており、業界の企業は、合同で装置の全てのシステム及び構造の動作及び信頼性をチェックしている。
当局は、大洋多目的システム「ポセイドン」が、敵の航空母艦と戦い、大陸間の距離の沿岸施設を撃破できると付け加えた。
「ポセイドンの主な長所は、事実上100パーセント敵の対潜手段から無傷でいられる事に在ります。
装置のユニークな能力は、あらゆる方向の戦闘行動の大洋舞台(テアトル)における海軍の潜在敵の航空母艦及び打撃艦グループとの戦闘、大陸間距離の沿岸インフラストラクチュア施設の撃破を可能にします」
国防省は伝えた。
国防省は、新たな戦略兵器システムの作成は「ロシア防衛の増強、我が国及び友邦へのあらゆる侵略の予防へ指向されている」事を強調した。
次に、ロシア連邦軍参謀本部総長の顧問グループの分析官イーゴリ・カサトノフは述べた。
「"ポセイドン"システム作成の全ての活動は、国防省に承認されたスケジュールに沿って行なわれています」
「現在、無人水中装置のシステムの全ての要素の複合試験は完了しております。
水中装置システム"ポセイドン"の技術的数値は、非の打ち所がないことが認められました。
それは大潜航深度に達し、高速で航行し、更には敵の目標の航路上の動きからは予測不能であります」
カサトノフは強調した。
[ポセイドン]
大洋多目的システム「ポセイドン」は、基礎として無人水中装置を用いる全く新しい種類の海洋水中兵器である。
ロシアが作成する無人水中装置は核動力装置を有するという事は、今年3月にロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンが連邦教書演説で初めて話した。
この時大統領は、この無人機は通常は核弾頭を装備し、敵の沿岸インフラストラクチュア、航空母艦グループ、その他を破壊できると述べた。
その後、海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフが説明したように、新たな兵器は、敵の領域付近の海域における海軍の広範囲の課題の解決を可能にする。
総司令官によると、無人機の基礎的要素~小さなサイズの核動力装置の試験は既に行われている。
装置「ポセイドン」は、搭載艦~原子力潜水艦を含め、大洋多目的システムと呼ばれる。
無人機は、国防省サイトの公開投票により命名された。
以前、『タス通信』は防衛産業企業体の情報提供者より、ロシアが作成している無人水中装置「ポセイドン」は、敵の海軍基地を破壊する為、2メガトンまでの威力の核弾頭を搭載可能であると伝えられた。
[ロシア海軍の為の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)の開発は進められている]
2018年3月1日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は教書演説を行ない、この中で、ロシアが開発中の各種新兵器に言及しました。
『タス通信』より
2018年3月1日18時25分配信
【プーチンが話したロシアの超兵器はどのようなものか】
この演説の中でプーチン大統領は、ロシア海軍の「無人水中装置」について話しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月1日13時36分配信
【プーチンは水中システムの為の新たな原子力推進について話した】
プーチン大統領の教書演説の後、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将が「無人水中装置」について記者団へ説明しました。
コロリョーフ提督は、この原子力推進の「無人水中装置」を「大洋多目的システム」と呼んでおり、原子力潜水艦に搭載され、敵の領域付近で使用されると述べています。
この「大洋多目的システム」は、おそらく、数年前から開発が噂されている大洋多目的システム「スタトゥース6」の事でしょう。
これは、2015年11月10日のプーチン大統領とロシア連邦軍首脳の会議について報じたニュース映像の中で「偶然」映った図面に描かれていたのが発端でした。
(動画の1:45から大洋多目的システム「スタトゥース6」の説明図が映っています)

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2015年11月12日20時17分配信
【知られざるプロジェクト「スタトゥース6」】
大洋多目的システムは、敵の海軍基地や、航空母艦グループなどを撃破する為の兵器です。

その後、ロシア国防省は、この「原子力無人水中装置」などの公式に名前が付いていない新兵器の愛称を公募しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月23日4時27分配信
【ロシアは新たな国産兵器の為の名前を公表した】
その結果、原子力無人水中装置は「ポセイドン」と命名されました。
その他の候補には「アヴローラ」、「プリボイ」などが有りました。
大洋多目的システム(原子力無人水中装置)「ポセイドン」は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、同プログラムの末までにロシア海軍へ制式採用されます。
「ポセイドン」の搭載艦は、セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で建造される原子力潜水艦になります。
[大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、ロシア海軍へ採用される]
「ポセイドン」は2メガトンの核弾頭を搭載できるようです。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは2メガトンの核弾頭を搭載する]
大洋多目的システム「ポセイドン」の動力には、液体金属(鉛ビスマス合金)冷却原子炉が使用される可能性も有ります。
[ロスアトムはロシア軍(海軍)の為の新たな液体金属冷却原子炉を開発する]
そして今回、ロシア国防省は、「ポセイドン」の試験が行なわれている事を公式に認めました。
試験は「ロシア国防省の射爆場」で行なわれ、「現実条件で発射」されているとの事ですので、おそらくは白海の北方艦隊の射爆場でしょう。

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