ロシア海軍は2018年4月~6月に49基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した
- カテゴリ:打撃巡航ミサイル「カリブル」

『インタファクス』より
2018年7月20日14時9分配信
【ロシア連邦国防省は半年間に49基のミサイル「カリブル」を受け取った】
モスクワ、7月20日、インタファクス-ロシア
ロシア海軍は、2018年の前半に数十基のミサイル「カリブル」を受け取った。
ロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコは発表した。
「海軍は49基の作戦-戦術用途有翼ミサイル「カリブル」と4基の対艦ミサイルを受け取りました」
クリヴォルチコは、金曜日の軍需製品統一受領の日に話した。
彼によると、更に3隻の新たな戦闘艦が、最初の半年に海軍の戦闘編制へ受け入れられた。
「海軍の為の受領は、3隻の戦闘艦、2隻の支援船と、修理を経た1隻の戦闘艦、沿岸ミサイル複合体バスチオンです」
国防次官は話した。
現在、プロジェクト636.3潜水艦は、有翼ミサイル「カリブル-PL」で武装している。
その同類~ミサイル「カリブル-NK」は、一連のロケット艦の兵装となっている。
これは、シリアの『イスラム国』(ロシア連邦では非合法のテロ組織)の目標への打撃へ2000km以上の距離から何度も参加した。

エカテリンブルク市の『L.V.リュリエフ記念試験設計局ノヴァトール』により設計された有翼ミサイル「カリブル」(対地/対艦/対潜用)は、輸出用有翼ミサイル「クラブ」シリーズのロシア海軍向けヴァージョンです。
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
最大射程距離は、対地攻撃型で2500km、対艦攻撃型で375km、対潜型(水上艦発射用)で40km、対潜型(潜水艦発射用)で50kmになります。
飛翔速度は亜音速ですが、対艦攻撃型のみは目標の手前20km位で弾頭が分離して超音速に加速します。
元々は、ソ連海軍時代に配備された対地有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)をベースに開発されました。

現在、ロシア海軍では、プロジェクト11356フリゲート、プロジェクト11661Kロケット艦「ダゲスタン」、プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦、プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦、プロジェクト06363潜水艦、プロジェクト671RTMK原子力大型潜水艦「オブニンスク」に搭載されています。
今後も「カリブル」搭載艦は増加します。
[2020年末にはロシア海軍の約半数近くの軍艦が巡航ミサイル"カリブル"を装備しているだろう]
「カリブル」は、2015年10月初頭以降、シリア領内のテロ組織~ISIL(イラク・レバントのイスラム国)や『アル=ヌスラ戦線』に対し、何度か実戦で使用されています。
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2015年10月7日:カスピ小艦隊の警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」がカスピ海南方からシリアへ発射(計26基)。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]
・2015年11月20日:カスピ小艦隊の警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」がカスピ海南方からシリアへ発射(計18基)。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2015年12月8日:黒海艦隊の潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」が地中海東部からシリアへ発射(計4基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2016年8月19日:黒海艦隊の小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」が地中海東部からシリアのへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]
・2016年11月15日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」が地中海東部からシリアへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]
・2017年5月31日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」、潜水艦「クラスノダール」が地中海東部からシリアのパルミラへ発射(計4基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年6月23日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、潜水艦「クラスノダール」が地中海東部からシリアのハマーへ発射(計6基)。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年9月5日:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」が地中海東部からシリアのデリゾールへ発射(計6基)。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]
・2017年9月14日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と「コルピノ」が地中海東部からシリアへ発射(計7基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]
・2017年9月22日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」が地中海東部からシリアのイドリブへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはシリアのイドリブの『アル=ヌスラ戦線』へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年10月5日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「コルピノ」が地中海東部からシリアへ発射(計10基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリア政府軍の攻勢を支援する為、デリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
・2017年10月31日:黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」が地中海東部からシリアのデリゾールへ発射(計3基)。
『タス通信』より
2017年10月31日17時53分配信
【潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」はデリゾールの『イスラム国』戦闘員へ「カリブル」で打撃を与えた】
・2017年11月3日:黒海艦隊の潜水艦「コルピノ」が地中海東部からシリアのアブ・カマルへ発射(計6基)。
(同時にロシア航空宇宙軍の爆撃機Tu-22M3が空爆)
『タス通信』より
2017年11月3日17時17分配信
【ロシア軍のTu-22M3と潜水艦「コルピノ」はシリアの『イスラム国』戦闘員へ打撃を与えた】
「カリブル」は、2016年前半(1月~6月)には計47基がロシア海軍へ納入されています。
[ロシア海軍は2016年前半に47基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]
2016年7月~9月の3ヶ月間には、「カリブル」と超音速対艦ミサイル「オーニクス」を合わせて100基以上がロシア海軍へ納入されました。
[ロシア海軍は2016年7月-9月に100基以上の巡航ミサイル"カリブル"及び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領した]
2017年4月~6月の3ヶ月間には計60基の「カリブル」が引き渡されました。
[ロシア海軍は2017年4月~6月に60基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]
2018年1月~3月の3ヶ月間には、計46基の「カリブル」がロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍は2018年1月~3月に46基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]
今回の記事では、2018年前半に計49基の「カリブル」がロシア海軍へ引き渡されたと書かれていますが、これはおそらく、2018年4月~6月の3ヶ月間の間違いでしょう。
(仮に2018年前半に49基だとすると、同年4月~6月には3基しか引き渡されていない事になるが、近年のペースから見て、それは有り得ない)
今回、アレクセイ・クリヴォルチコ国防次官は、2018年前半にロシア海軍が受領した艦船についても述べていますので、これと混同したのでしょう。
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