ロシア海軍のエアクッション揚陸艦艇の建造が極東のハバロフスク造船工場で再開される
- カテゴリ:ロシアの造船業


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年7月30日8時28分配信
【ロシア軍の為にエアクッション艦が建造される】
モスクワ、7月30日-ロシア通信社ノーボスチ
2027年までの国家軍備プログラムの枠組みにおいて、ロシア海軍のニーズの為に数十隻のエアクッション艦「ズーブル」及び「ムレナ」が建造できる。
ロシア連邦副首相ユーリー・ボリソフは報道陣へ伝えた。
「ハバロフスク造船工場は、常にアルミニウム船体を専門としてきました。
僕が思いますに、現在の工場の状況は、改善へと向かっております。
国家軍備プログラムにおいて、エアクッション艦ズーブル及びムレナの建造が設定されております:第1は、もう少し大きく、第2は、もう少し小さく。
発注は割り当てられます」
副首相は話した。
彼によると、これは、「数十隻の」エアクッション艦の発注についての話である。
構造的な特色のお陰で、エアクッション艦は地上を移動し、壕、、塹壕、機雷源を迂回し、沼地を移動し、敵の防衛網の奥深くへ揚陸部隊を上陸させることが出来る。
このような艦による揚陸部隊の上陸の為に、全世界の大洋及び海洋の海岸線の70パーセントが到達できる。
エアクッション小型揚陸艦プロジェクト12322「ズーブル」は、世界最大のエアクッション艦である。
「ズーブル」は、合計150トンまでの3両の主力戦車或いは10両の装甲車両と140名の揚陸隊員を移送できる。
エアクッション揚陸艇プロジェクト12601「ムレナ」は、無防備の海岸への揚陸部隊の上陸の為に意図されている。
艇は150トンの排水量を有しており、その全長は31.3メートル、幅は14.6メートル。
「ムレナ」は55ノット(時速102キロメートル)の速力の発揮と、1両の戦車、2両の歩兵戦闘車或いは130名の揚陸隊員を移送できる。
艦の兵装には、2基の30mm自動砲AK-306、2基の擲弾筒AGS-17「プラーミャ」、更には24個までの機雷の敷設の為の運搬装置がある。
『中央設計局アルマーズ』公式サイトより
【揚陸艦プロジェクト12322「ズーブル」】
プロジェクト12322「ズーブル」エアクッション小型揚陸艦は、サンクトペテルブルクの『沿海造船工場』(現『造船商会アルマーズ』)で7隻(内3隻はギリシャ海軍向け)、クリミア半島のフェオドシヤの『造船工場モーリェ』で7隻(この内の1隻はギリシャ海軍、2隻は中国海軍向け)が建造されました。
『造船商会アルマーズ』公式サイトより
【揚陸艦プロジェクト12322「ズーブル」】
『造船工場モーリェ』公式サイトより
【軍用艇及び軍用艦】
(ページの一番下にプロジェクト12322「ズーブル」エアクッション小型揚陸艦の解説が有る)
現在、ロシア海軍では、バルト艦隊に2隻が残っているのみです。
エアクッション揚陸艦「エフゲニー・コチェシコフ」

エアクッション揚陸艦「モルダヴィヤ」

『造船商会アルマーズ』公式サイトより
【プロジェクト12601揚陸艇「ムレナ」】
プロジェクト12601「ムレナ」エアクッション揚陸艇は、1985年から1992年に掛けて8隻が極東の『ハバロフスク造船工場』で建造されましたが、ソ連邦解体後に全て退役しました。
輸出型のプロジェクト12061E「ムレナ-E」は、大韓民国が2006年に3隻を購入しています。
【ムレナE型エアクッション揚陸艇(韓国)】

そして今回、ロシア連邦副首相(ロシア防衛産業統括)ユーリー・ボリソフ氏は、今後、『ハバロフスク造船工場』で「ズーブル」及び「ムレナ」が建造されると述べました。
「ズーブル」は以前から建造再開が検討されており、建造する造船所の候補はサンクトペテルブルクやクリミア半島の造船企業が挙げられていましたが、結局、極東の『ハバロフスク造船工場』になったようです。
[ロシア海軍の為のエアクッション揚陸艦ズーブル級の建造が再開される]
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