遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはウラジオストクを抜錨して北極海へ向かった

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年8月9日8時1分配信
【練習艦「ペレコプ」で初めての北極航海へ行く兵学校生徒及びナヒーモフ学校生徒の送別式典がウラジオストクで開催された】
ウラジオストクで、初めての北極航海士航海へ行くバルト艦隊の練習艦「ペレコプ」の送別式典が開催された。
会合は太平洋艦隊の主要埠頭で開催され、海軍副総司令官アレクサンドル・フェドテンコフ中将は、この航海の始まりが、ロシア軍事栄光の日~ロシア史上初のスウェーデンのガングート岬におけるピョートル大帝指揮下のロシア艦隊の勝利~であるのは偶然では無い事を指摘した。
彼は、ロシア海軍の船員の栄光の伝統は今も続いている事を確信していると述べた。
練習艦の乗組員全般、兵学校生徒、ナヒーモフ学校生徒、全連邦軍事スポーツ少年団員の編成は完了している。

「ペレコプ」は最初にサハリン島のコルサコフ港を訪れ、その後、カムチャツカへの寄港を行ない、更には、練習航海史上初めて北海航路をセヴェロモルスクまで通過する。
航海期間中に結氷海域で艦を先導する必要が生じた場合、砕氷船が派遣される。
航海指揮官は、S.O.マカロフ記念太平洋艦隊海軍兵学校の校長オレグ・ジュラヴリェフ少将である。
練習艦の艦内には、160名以上のS.O.マカロフ記念太平洋艦隊海軍兵学校生徒、64名のナヒーモフ海軍学校ウラジオストク分校の11級生徒及び全連邦軍事スポーツ少年団員が居る。
ナヒーモフ学校生徒及び全連邦軍事スポーツ少年団員の最初の海上実習はカムチャツカでの完了が計画されており、兵学校生徒は艦隊間移動を続ける。
実習プログラムに沿って、兵学校生徒及びナヒーモフ学校生徒は艦内演習へ参加し、更には様々な航海上の特徴を持つ海域での艦の任務遂行の為の航海士当直へ就く実地技量を得る。
以前、練習艦「ペレコプ」は、初めてのユーラシア周回航海の枠組みでセヴァストーポリからウラジオストクへの移動を行なった。
艦は2つの大洋と15の海を通過し、53日の航海で14300海里を走破した。
移動中に艦はインドネシア、スリランカ、そして初めてパプアニューギニアを訪れた。
6月3日に艦は沿海地方首都へ到着した。

プロジェクト877練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドのグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。
現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。
「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアのヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)
復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャのピレウス、9月にはポルトガルのリスボンを訪れました。
今年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海や黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)、更には北極海まで行く事になります。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海及び極東への遠洋実習航海を準備する]

2018年3月1日、「ペレコプ」はサンクトペテルブルク海軍兵学校の生徒を乗せてクロンシュタット港を抜錨し、遠洋実習航海へと出発しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは士官候補生の遠洋実習航海へ出発した]
3月5日には北海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北海へ入った]
「ペレコプ」はヨーロッパ大陸沿いに南下し、3月9日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは英仏海峡を通過した]
その後、更にヨーロッパ大陸に沿って南下し、3月12日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは地中海へ入った]

「ペレコプ」は地中海を東進して3月17日にはボスポラス海峡を北上し、黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ入港しました。
ここでクロンシュタット港から乗っていた生徒は艦を降り、新たにサンクトペテルブルク海軍兵学校から200名以上の生徒が3月26日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍兵学校の生徒はセヴァストーポリからウラジオストクまでの遠洋実習航海へ参加する]
4月1日、「ペレコプ」はセヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはセヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かった]
翌4月2日にはボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過してエーゲ海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過してエーゲ海へ入る]

4月7日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

4月11日には海賊出没海域であるアデン湾へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはアデン湾へ入った]
4月12日にはアデン湾を抜けてアラビア海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはアラビア海へ入った]
「ペレコプ」は、2018年4月18日から22日までスリランカのコロンボ港を訪問しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボを訪れる]
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボへ入港した]
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボを去り、インドネシアのジャカルタへ向かった]
4月29日から5月1日までインドネシアのタンジュンプリオク港(ジャカルタ)を訪問しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはインドネシアのタンジュンプリオク港へ到着した]
その後、5月4日から9日までインドネシア近海で実施された多国籍海軍演習『KOMODO-2018』へ参加しました。
【多国籍海軍演習『KOMODO-2018』公式サイト】

演習が終わった後、「ペレコプ」はパプアニューギニアの首都ポートモレスビーへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはパプアニューギニアの首都ポートモレスビーへ行く]
5月16日、「ペレコプ」はポートモレスビーへ入港しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはパプアニューギニアの首都ポートモレスビーを訪れた]
5月19日にポートモレスビーを出航した後の動向は公表されていませんが、おそらくは中部太平洋を北上してウラジオストクへ向かったようです。

6月3日、「ペレコプ」はウラジオストクへ入港しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはウラジオストクへ入港した]
無論、「ペレコプ」にとっては、就役後初のウラジオストク寄港となります。
その後も「ペレコプ」はウラジオストクへ滞在し、7月29日の『ロシア海軍の日』にウラジオストクで行なわれた太平洋艦隊の観艦式へ参加しました。
[練習艦ペレコプは7月29日の『ロシア海軍の日』にウラジオストクの観艦式へ参加する]
そして8月9日、「ペレコプ」はウラジオストクを抜錨し、北極海へ向かいました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは2018年8月上旬にウラジオストクを抜錨して北極海へ向かう]
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