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ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサはバルト艦隊へ転属する

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『イズベスチヤ』より
2018年8月14日0時1分配信
【金剛石はフィンランド湾へ】

静かな潜水艦はバルト艦隊を強化する。

バルト艦隊潜水艦「アルローサ」~世界で噴水エンジンを装備する潜水艦の1隻~が補充される。
これは、国内の「ワルシャワンカ」型潜水艦シリーズで最も静かであり、北大西洋条約機構からは「ブラックホール」と呼ばれている。
「アルローサ」黒海からバルト海へ移動する。
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専門家は、これは、現在、潜水艦が殆ど残っていないバルト艦隊を強化すると見ている。

ロシア連邦海軍総司令部は、プロジェクト877V潜水艦「アルローサ」は、黒海艦隊へ新たな潜水艦が登場した後にバルト艦隊へ移転すると『イズベスチヤ』へ話した。
近いうちに「アルローサ」は、バルト艦隊赤旗レニングラード海軍基地へ編入されなければならない。
その後、潜水艦は近代化を実施しなければならない。
ディーゼル潜水艦は、既にバルト海を訪れたことがある。
2011~2012年、同艦はセヴァストーポリからクロンシュタットへの移動を行ない、計画修理を実施し元の場所へ戻った。

「アルローサ」バルト艦隊を強化する。
2010年代、バルト艦隊は合計で2隻のプロジェクト877潜水艦「ヴィボルグ」「ドミトロフ」を有していた。
これらは、クロンシュタットを駐留所とする潜水艦大隊へ加わっている。
双方ともソヴィエト時代に建造された。
潜水艦「ヴィボルグ」は1983年にコムソモリスク・ナ・アムーレで建造された。
最近まで同艦は近代化されず、修理されていない。
潜水艦「ドミトロフ」は既に32歳であり、2014~2018年に『クロンシュタット海洋工場』で修理された。

これらの潜水艦の1隻は、間もなくバルト艦隊から除籍される。
潜水艦「ヴィボルグ」は、駆逐艦「ベスパコーイヌイ」ロケット艇R-47が送られたクロンシュタット『愛国者』公園への移転が計画されている。
従って「アルローサ」は、適切なタイミングでバルト海へ現れる。

2013年まで「アルローサ」は、黒海で唯一の戦闘可能なロシア潜水艦であった。
2014~2016年、黒海艦隊は6隻の最新潜水艦を受け取った。
その一部は、既にシリアの地上作戦の支援へ参加している~彼らは『イラク・レバントのイスラム国』(ロシアでは非合法組織)の戦闘員へ有翼ミサイル「カリブル」による打撃を与えた。

[『イズベスチヤ』参照]
多目的ディーゼル潜水艦「アルローサ」は、ニジニーノヴゴロドの『クラースノエ・ソルモヴォ』工場で1988年5月に起工された。
潜水艦は、プロジェクト877V「パルトゥース」により建造された。
しかし、構造特性の特色は、スクリュー推進器に代わる噴水エンジン装置にあった。
それ故に、この潜水艦は、国内の「ワルシャワンカ」型潜水艦の中で最も静音であり、北大西洋条約機構からは「ブラックホール」と呼ばれている。
潜水艦は、魚雷と対空防衛手段で武装する。

1990年11月、潜水艦は内陸水路により黒海への移動を行ない、B-871の番号で海軍へ加入した。
1991~1992年には戦闘当直に就いた。
1992~1996年にはバッテリーの故障により遊休状態に在った。

1997年のロシア-ウクライナ合意に沿って、潜水艦はロシア黒海艦隊へ加入し、聖アンドレイ旗が掲揚された。
潜水艦は『アルローサ』社の後援を受けるようになった。
1998~1999年、潜水艦はセヴァストーポリで大規模修理を行ない、復帰した。
2004年、B-871は新たな名前「アルローサ」で呼ばれるようになった。


1隻しか潜水艦が残らなくなるバルト艦隊には潜水艦が必要であると海軍専門家ドミトリー・ボルテンコフは指摘した。

「まず初めに、一連の特別な任務を果たすために」
彼は『イズベスチヤ』へ話した。
「例えば、アドミラルティ造船所で新たに建造される潜水艦の試験の支援の為。
そして更には、建造される国内や外国の潜水艦へ受け入れられる乗組員の訓練の為。
更に、潜水艦は、バルト艦隊の艦の戦闘訓練活動へ参加する為にも必要です。
特に、対潜行動への取り組みにおいて」


「ワルシャワンカ」の建造は1980年代に開始され、今まで続けられている。
それは、ロシア海軍のみならず、中国、ベトナム、アルジェリア海軍でも軍務に就いている。



[ポンプジェット潜水艦アルローサ(旧ブログ)]

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ロシア黒海艦隊潜水艦B-871「アルローサ」(1990年12月1日就役)は、2014年6月からセヴァストーポリ第13艦船修理工場(黒海艦隊直営)で修理及び近代化が行なわれています。
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは近代化改装を行なう]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサは近代化改装を行なっている]

「アルローサ」は、2016年4月18日までに『第13艦船修理工場』の浮きドックへ入渠しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは浮きドックへ入った]

その後、浮きドックを出渠し、『第13艦船修理工場』の岸壁に係留されています。

「アルローサ」の近代化改装作業の完了時期は何度も延期され、2017年末の完了予定も実現しませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサの近代化改装は2017年に完了する]

2014年から2016年に掛け、黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦6隻が就役した為、黒海艦隊にとっては、「アルローサ」の復帰を急ぐ必要性は無くなっています。
[プロジェクト06363潜水艦]


今や、黒海艦隊では持て余されている「アルローサ」ですが、今度はバルト艦隊へ転属させるという話が出てきました。

記事中で触れられているように、バルト艦隊には2隻のプロジェクト877潜水艦が在籍しています。
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この内の「ドミトロフ」(1986年9月25日就役)は、2014年から2017年前半に掛けて『クロンシュタット海洋工場』でオーバーホールが行なわれています。
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[ロシア海軍バルト艦隊の潜水艦ドミトロフは2017年にオーバーホールを終えて復帰する]

もう1隻の「ヴィボルグ」(1983年2月23日就役)は、艦齢の関係から近い内に除籍され、クロンシュタットで記念艦として展示される予定です。

「ヴィボルグ」が退役すれば、バルト艦隊潜水艦は1隻だけになってしまうので、黒海艦隊で持て余されている「アルローサ」を「ヴィボルグ」の代わりにバルト艦隊へ転属させることになったようです。


現在、ロシア海軍に在籍するプロジェクト877潜水艦は計14隻です。

[北方艦隊]
B-808「ヤロスラヴリ」(1988年就役)
B-800「カルーガ」(1989年就役)
B-459「ウラジカフカース」(1990年就役)
B-471「マグ二トゴルスク」(1990年就役)
B-177「リぺツク」(1991年就役)

[太平洋艦隊]
B-394「ヌルラト」(1988年就役)
B-464「ウスチ・カムチャツスク」(1990年就役)
B-494「ウスチ・ボリシェレツク」(1990年就役)
B-187「コムソモリスク・ナ・アムーレ」(1991年就役)
B-190「クラスノカメンスク」(1992年就役)
B-345「モゴーチャ」(1994年就役)

[バルト艦隊]
B-227「ヴィボルグ」(1983年就役)
B-806「ドミトロフ」(1986年就役)

[黒海艦隊]
B-871「アルローサ」(1990年就役)


これらの潜水艦の大半は、順次寿命延長改修工事が行なわれ、暫くの間は現役に留まります。

この他、2014年からは改良型のプロジェクト06363潜水艦が6隻就役しています。
[黒海艦隊]
B-261「ノヴォロシースク」(2014年就役)
B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(2014年就役)
B-262「スタールイ・オスコル」(2015年就役)
B-265「クラスノダール」(2015年就役)
B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(2016年就役)
B-271「コルピノ」(2016年就役)


今後、プロジェクト06363潜水艦は、太平洋艦隊向けにも6隻が建造され、2019年~2021年に就役する予定です。
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]
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