ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはクロンシュタットへ行く

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月10日11時15分配信
【給油船「アカデミック・パシン」はクロンシュタットへ進路を取った】
9月11日・火曜日、プロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」は、ロシア海軍への引き渡しを行なう為、クロンシュタットに到着する。
『ポートフリート』社広報サービスが話したように、シュリッセブルクから指定地点まで、船は3隻の曳船により移送される。
「アカデミック・パシン」は『ネヴァ川造船・修理工場』で2014年4月に起工され、2016年5月に進水した。
当初、船の海軍への引き渡しは、2016年末~2017年初頭に予定されていたが、船の航行試験が始まったのは、2018年5月になってからであった。
給油船は貨物タンク区画の二重船体を持つ単一甲板船であり、北方緯度での航行が可能である。
船は、戦闘艦の為の燃料、航空燃料、食料品の移送の為に意図されている。
航続距離は9000海里であり、主な任務の1つは、航空艦への随伴であると言われている。
船は、係留される事無く、海上で並行貨物移送システムにより他の船或いは艦へ数種類の液体貨物:ディーゼル燃料(軽油)、重油、ケロシン(航空燃料)、潤滑油、水の移送あるいは受け入れ、更には乾燥貨物(食料、用具、技術資産)の受入、保管、輸送及び移送の為に意図されている。
プロジェクト23130給油船の全長は130メートル、幅約21メートル、最大速力16ノット、自立航行期間60日、乗組員24名。

『ネヴァ川造船・修理工場』公式サイトより
【中型給油船プロジェクト23130】
ロシア海軍の為の新たな中型海洋給油船・プロジェクト23130は、2013年5月に建造所を決める為の入札の公募が発表されました。
[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)が建造される]
その結果、サンクトペテルブルク近郊のシュリッセリブルク市に在る『ネヴァ川造船・修理工場』で建造される事になり、2013年11月に建造契約が締結され、2014年2月末にはプレートカットが始まりました。

[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)プロジェクト23130のプレートカットが始まる]
プロジェクト23130中型給油船の1番船「アカデミック・パシン」は、2014年4月26日に『ネヴァ川造船・修理工場』で起工されました。
[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンは起工された]
2年後の2016年5月26日に進水しました。
[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンは進水した]
進水後は、造船所の岸壁で艤装工事が進められていました。
2018年3月初頭の「アカデミック・パシン」

そして2018年5月18日、シュリッセリブルク市のすぐ近くのラドガ湖で航行試験を開始しました。


[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンの航行試験が始まった]
2018年8月には洋上補給システムの試験が行なわれました。
[ロシア海軍の為の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンは洋上補給システムの試験を続けている]
「アカデミック・パシン」のラドガ湖での試験は完了したようであり、同船はクロンシュタットへ向かいました。
9月11日に到着予定です。
現在、ロシア海軍の給油船(補給艦)で最も新しい船は、1982年9月末に2隻揃って就役したプロジェクトREF-675中型海洋給油船「ヴャージマ」と「カーマ」(2隻とも北方艦隊所属)ですから、実に36年ぶりの新造船となります。
プロジェクトREF-675中型海洋給油船「ヴャージマ」

プロジェクトREF-675中型海洋給油船「カーマ」

準同型船のプロジェクト23131汎用海洋給油船は、クリミア半島ケルチ市のザリフ造船所で2014年12月26日に2隻が同時起工されています。
[クリミア半島のケルチ造船所でロシア海軍の為の新たな給油船2隻が起工された]
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