サンクトペテルブルクの北方造船所は2019年以降にロシア海軍の新世代原子力駆逐艦リデル級の建造が可能となる
- カテゴリ:ロシアの造船業

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年9月6日9時43分配信
【『北方造船所』は2019年に駆逐艦「リデル」の建造を開始できる】
モスクワ、9月6日-ロシア通信社ノーボスチ、セルゲイ・サフロノフ
造船工場『北方造船所』(サンクトペテルブルク)は、国防省が決定すれば、2019年には最新駆逐艦「リデル」級の建造へ着手できる。
『ロシア通信社ノーボスチ』は同社の総取締役イーゴリ・ポノマリョフより伝えられた。
「駆逐艦建造というテーマは消え去っておらず、私共は、このような艦の建造を可能にする大型造船台の建設を続けております」
総取締役は話した。
連邦目的プログラムの下で、現在、工場は近代化を行なっている:
「おそらくは、ヨーロッパで最大となる全長250メートル、幅70メートルの造船台を建設しています」
「その建設完了は2019年前半になり、私共は、排水量25000トンまでの大型戦闘艦及び民間船の建造が可能となります」
ポノマリョフは話した。
同時に彼は、最新駆逐艦「リデル」級の建造の決定権は、未だ国防省に残されている事を強調した。
「決定するのは軍ですが、造船業界は、この発注の履行の用意があります。
極東(工場『ズヴェズダー』)には生産能力が有り、バルト工場にも有りますし、『北方造船所』にも有ります」
ポノマリョフは指摘した。
以前から海軍及び防衛産業企業体の代表は、駆逐艦「リデル」級の起工は2017年に計画されていると何度も表明していた。
前のロシア連邦海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、新世代駆逐艦は核動力装置を有していなければならないことを強調した。
その排水量は14000トンになり、プロジェクトの開発には、クルイロフ記念科学研究所が関わっている。
元ロシア連邦海軍第1副総司令官イーゴリ・カサトノフ大将は、プロジェクト「リデル」は、ロシア海軍の為の将来原子力航空母艦の建造の為の理論的基礎になると説明した。
現在、ロシア海軍の戦闘編制には、1隻の核動力装置搭載水上艦~重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」が在る。
[ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」]
[ロシア海軍将来駆逐艦概念設計案・プロジェクト23560E「シクヴァル」]
ロシア海軍は、2000年代後半以降、新世代多用途駆逐艦(将来駆逐艦Перспективный Эсминец)の建造計画について何度も表明して来ました。
[ロシア海軍新世代原子力駆逐艦建造計画]
[ロシア海軍新世代駆逐艦の建造計画は現司令部に承認された]
[ロシアは「超駆逐艦」を建造する]
将来駆逐艦「リデル」は、原子力推進と通常動力(ガスタービン)の2タイプの設計が進められていました。
[ロシア新世代駆逐艦は通常動力と核動力の2種類が設計される]
しかし現在では将来駆逐艦「リデル」の動力は原子力推進に決まっています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級は原子力推進となる]
[ロシア海軍の為の将来駆逐艦リデルは原子力推進となる]
原子炉は将来原子力空母と同型になるようです。
[ロシア海軍将来原子力空母は原子炉RITM-200を搭載するかもしれない]
ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、「リデル」の排水量は、前のクラス(プロジェクト956駆逐艦、約8000トン)よりも遥かに大きくなり、その打撃力は巡洋艦に匹敵すると述べています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルは巡洋艦に匹敵する攻撃力を有する]
「リデル」の上部構造物には複合材料の使用も検討されています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級の上部構造物は非金属複合材料で造られるかもしれない]
「リデル」の設計を担当する『北方計画設計局』は、実際にロシア海軍向けとして建造される艦の設計へ着手しています。
(これまでに公開されている模型は、「リデル」の概念設計案「シクヴァル」のものであり、このままの形で建造されるわけではない)
[ロシア海軍の為の将来原子力駆逐艦リデル級の設計が始まる]
「リデル」級駆逐艦はロシア連邦の『2018-2027年の国家軍備プログラム』に含まれています。
[ロシア海軍の将来原子力駆逐艦リデルの建造計画は中止されていない]
「リデル」級駆逐艦の設計概略はロシア国防省に承認されています。
[ロシア海軍の将来原子力駆逐艦リデルの設計概略は承認された]
[ロシア海軍の将来駆逐艦リデルは原子力推進となる事がロシア国防省に承認された]
「リデル」級の艦名は、まだ正式には決まっていませんが、艦名候補として「オルロフ-チェスメンスキー」(1770年のチェスマ海戦でトルコ艦隊に勝利したロシア海軍の貴族提督アレクセイ・オルロフ伯爵)が挙げられています。
『イズベスチヤ』より
2017年3月31日0時1分配信
【原子力の「リデル」は「オルロフ-チェスメンスキー」となる】

「リデル」級駆逐艦の技術設計、つまり、実際に艦を建造する為の細部の設計は、2019~2020年に開始されます。
この作業の完了は2022年に予定されており、当然ながら、艦の建造開始は、それよりも後になります。
(つまり、早くても2023年)
[ロシア海軍の新世代原子力駆逐艦リデルの設計は2022年に完了する]
「リデル」級駆逐艦の建造の為のインフラ整備も進められています。
[ロシア海軍の新世代原子力駆逐艦リデルの建造の為のインフラ整備は進められている]
「リデル」級を建造する予定のサンクトペテルブルクの『北方造船所』は、以前から設備の近代化を進めており、その一環として、2017年12月末に新たな船台を建造する契約へ署名しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年12月29日12時51分配信
【北方造船所は新たな船台を建設する契約を締結した】
2019年春頃に完成予定の『北方造船所』の新たな船台のサイズは、全長250メートル、幅140メートル、高さ75メートルになります。
今までの『北方造船所』の船台では、全長170メートル、幅20メートル、満載排水量12000トンまでの艦船しか建造できませんでした。
新たな船台の完成後、『北方造船所』は「リデル」級駆逐艦を含め、排水量25000トンまでの艦船の建造が可能となります。
「リデル」級駆逐艦が何隻建造されるのかは未だ決まっていませんが、現在の所、4~6隻程度の建造が想定されているようです。
[ロシア海軍の新世代原子力駆逐艦リデルは4~6隻が建造される]
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