遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海を通過して北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した

『タス通信』より
2018年9月15日20時48分配信
【練習艦「ペレコプ」は初めての北海航路の移動を完了した】
ムルマンスク、9月15日/タス通信
初めてウラジオストクからバレンツ海までの北海航路の移動を行なった練習艦「ペレコプ」は、土曜日に北方艦隊主要基地-セヴェロモルスク市へ到着した。
北方艦隊広報サービスは発表した。
「S.O.マカロフ記念太平洋艦隊海軍兵学校及びナヒーモフ海軍学校ウラジオストク分校の生徒が乗って海上実習を行なった艦は、初めての北海航路の移動を完了しました」
広報サービスは伝えた。
東シベリア海で「ペレコプ」は、演習『ヴォストーク-2018』へ参加する北方艦隊戦闘艦支隊との会合を行なったと艦隊は付け加えた。
セヴェロモルスクで、太平洋艦隊海軍兵学校及びナヒーモフ海軍学校の生徒は、海軍技術教育学校の生徒と交代する。
全ての将来の士官の為に、北方艦隊は、ムルマンスクの海軍博物館及びセヴェロモルスクとサフォーノヴォ駐屯地の支所、更には記念場所を訪れる文化啓蒙プログラムを用意する。
その後、物資を補充し、実習生を交代させた練習艦「ペレコプ」は、生徒の海上実習計画を実行する航海を続ける。
[練習航海]
バルト艦隊の練習艦「ペレコプ」は、3月1日にクロンシュタットから航海へ出発した。
艦内には、200名の乗組員に加え、200名以上のピョートル大帝海軍兵学校及び他のサンクトペテルブルクの海軍学校の生徒が乗っていた。
ルート上での最初の港への寄港は、ロシア海軍黒海艦隊基地セヴァストーポリだった。
その後、スエズ運河を通過した「ペレコプ」は紅海及びインド洋へ入り、赤道を越え、
スリランカのコロンボ港、インドネシアの首都ジャカルタ、そしてパプアニューギニアのポートモレスビーへの業務訪問を行なった。
パプアニューギニアは、この大洋独立国家へのロシア軍用艦の史上初の公式寄港であった。
5月初頭、「ペレコプ」は国際海洋演習『KOMODO-2018』へ参加し、その中で、中国海軍、インドネシア海軍、その他の国の海軍と合同での操艦及び救助活動の要素へ取り組んだ。
6月3日、バルト艦隊の練習艦はウラジオストク住民の歓迎を受けた。
極東の港で、生徒の交代が行なわれ、サンクトペテルブルクの生徒は自身の母校へ向かい、その代わりにマカロフ提督記念太平洋艦隊海軍兵学校及びナヒーモフ海軍学校ウラジオストク分校の生徒が乗った。
航海の次の段階は8月9日に始まった。
ウラジオストクを去った練習艦は、コルサコフ港及びペトロパブロフスク・カムチャツキー港を訪問し、その後、ロシアの練習航海の現代史上初めて北海航路経由でセヴェロモルスクへ向かった。
その40年の歴史において「ペレコプ」は総計40万海里を航行した。
艦はポーランド人民共和国のシュチェチン造船所で1976年に建造され、1977年にレニングラード海軍基地の稼働艦の一員として加わった。
「ペレコプ」の最初のヨーロッパ周回練習航海は1979年に行なわれた。
それぞれの航海で艦では、ソヴィエト社会主義共和国連邦と、後のロシアの海軍学校の生徒が実習を行なった。

プロジェクト877練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドのグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。
現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。
「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアのヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)
復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャのピレウス、9月にはポルトガルのリスボンを訪れました。
今年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海や黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)、更には北極海まで行く事になります。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海及び極東への遠洋実習航海を準備する]

2018年3月1日、「ペレコプ」はサンクトペテルブルク海軍兵学校の生徒を乗せてクロンシュタット港を抜錨し、遠洋実習航海へと出発しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは士官候補生の遠洋実習航海へ出発した]
3月5日には北海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北海へ入った]
「ペレコプ」はヨーロッパ大陸沿いに南下し、3月9日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは英仏海峡を通過した]
その後、更にヨーロッパ大陸に沿って南下し、3月12日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは地中海へ入った]

「ペレコプ」は地中海を東進して3月17日にはボスポラス海峡を北上し、黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ入港しました。
ここでクロンシュタット港から乗っていた生徒は艦を降り、新たにサンクトペテルブルク海軍兵学校から200名以上の生徒が3月26日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍兵学校の生徒はセヴァストーポリからウラジオストクまでの遠洋実習航海へ参加する]
4月1日、「ペレコプ」はセヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはセヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かった]
翌4月2日にはボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過してエーゲ海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過してエーゲ海へ入る]

4月7日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

4月11日には海賊出没海域であるアデン湾へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはアデン湾へ入った]
4月12日にはアデン湾を抜けてアラビア海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはアラビア海へ入った]
「ペレコプ」は、2018年4月18日から22日までスリランカのコロンボ港を訪問しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボを訪れる]
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボへ入港した]
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボを去り、インドネシアのジャカルタへ向かった]
4月29日から5月1日までインドネシアのタンジュンプリオク港(ジャカルタ)を訪問しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはインドネシアのタンジュンプリオク港へ到着した]
その後、5月4日から9日までインドネシア近海で実施された多国籍海軍演習『KOMODO-2018』へ参加しました。
【多国籍海軍演習『KOMODO-2018』公式サイト】

演習が終わった後、「ペレコプ」はパプアニューギニアの首都ポートモレスビーへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはパプアニューギニアの首都ポートモレスビーへ行く]
5月16日、「ペレコプ」はポートモレスビーへ入港しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはパプアニューギニアの首都ポートモレスビーを訪れた]
5月19日にポートモレスビーを出航した後の動向は公表されていませんが、おそらくは中部太平洋を北上してウラジオストクへ向かったようです。

6月3日、「ペレコプ」はウラジオストクへ入港しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはウラジオストクへ入港した]
無論、「ペレコプ」にとっては、就役後初のウラジオストク寄港となります。
その後も「ペレコプ」はウラジオストクへ滞在し、7月29日の『ロシア海軍の日』にウラジオストクで行なわれた太平洋艦隊の観艦式へ参加しました。
[練習艦ペレコプは7月29日の『ロシア海軍の日』にウラジオストクの観艦式へ参加する]
8月9日、「ペレコプ」はウラジオストクを出航しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはウラジオストクを抜錨して北極海へ向かった]
8月12日から14日までサハリン南部のコルサコフへ寄港した後、8月17日にカムチャツカ半島のペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ到着しました。
(つまり、8月11日頃に宗谷海峡を通過)
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはペトロパヴロフスク・カムチャツキーを訪れた]
8月23日、「ペレコプ」はペトロパヴロフスク・カムチャツキーを出航し、北極海へ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海へ向かった]
9月2日にベーリング海峡を通過してチュクチ海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはベーリング海峡を通過して北極海へ入った]

9月5日、原子力砕氷船「バイガチ」と共に東シベリア海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年9月5日17時21分配信
【バルト艦隊の練習艦「ペレコプ」は東シベリア海からセヴェロモルスクへ進路を取った】
この時、北極遠征を行ない、戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加する為に東進していた北方艦隊戦闘艦支隊と会合したようです。
9月7日にはラプテフ海へ入りました。

[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはラプテフ海へ入った]
その後も「ペレコプ」は北極を西へ進んでバレンツ海へ入り、9月15日には北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。

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