ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は東シベリア海へ入った

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年9月21日15時40分配信
【北方艦隊北極グループは困難な結氷状況の東シベリア海へ入った】
旗艦である大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」艦上でコラ小艦隊司令官オレグ・ゴルベフ中将が指揮する北方艦隊北極グループの艦船は、東シベリア海へ入った。
支隊は、国営法人『ロスアトム』の原子力砕氷船「バイガチ」に随伴されて北海航路の西へ向かうルートを進んでいる。
航行は困難な結氷状況下で行なわれている。
チュクチ海と東シベリア海では、氷結プロセスが始まっている。
艦船は縦列で進んでいる。
砕氷船「バイガチ」の後に大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、その後に大型揚陸艦「コンドポガ」と「アレクサンドル・オトラコフスキー」が続いている。
戦闘艦の後を支援船が進んでいる。
2週間前、北方艦隊支隊は、原子力砕氷船「50リェート・ポベードゥィ」に随伴されて東へ進んだ。
東シベリア海で北方艦隊将兵は、砕氷船「バイガチ」の支援下で航行する練習艦「ペレコプ」と出会った。
現在、艦船は、軍事基地「セーヴェルヌィ・クレーヴェル」が在るラプテフ海のコテリヌイ島(ノヴォシビルスク諸島)へ向かっている。
艦の乗組員と北極旅団及び海軍歩兵部隊の隊員は、次なる防衛へ指向される戦術演習へ参加する。
北方艦隊北極グループの艦船は8月8日からの遠距離航海を行なっている。
航海時に彼らは6000海里以上を走破し、演習『ヴォストーク-2018』へ参加し、ベーリング海とチュクチ海のチュクチ沿岸で海洋揚陸部隊の上陸を行ない、対潜、対空、対水中工作防衛と、遭難した船を救助する一連の演習を実施した。

2018年8月8日、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊は、7度目となる北極圏への遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は7回目の北極圏航海へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊](指揮官オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」
後方支援船「エリブルス」
給油船「セルゲイ・オシポフ」
救助曳船「パミール」
サルベージ船KIL-143
(「ウラジーミル・グマネンコ」と「エリブルス」は途中からオビ湾で別行動)
バレンツ海を航行中、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、同海域で操業している漁船のモニタリング及び監視を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で漁業監視を行なった]
8月12日には、北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」をテロリストから防衛する為の演習を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は石油採掘プラットフォーム防衛演習を行なった]
8月13日にはカルスキエボロタ海峡を通過してカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はカラ海へ入った]
8月14日、ロシア最北の港町ディクソンへ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はディクソン港へ到着した]
8月18日にディクソンを去りました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はディクソン港を去った]
8月21日、ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はラプテフ海へ入った]
8月25日、北方艦隊艦船支隊は、近日中に行なわれる演習の準備の為、チクシ湾に投錨停泊しました。

[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はチクシ湾に投錨停泊した]
8月28日、北方艦隊艦船支隊はチクシ湾で上陸演習を行ないました。
演習には、北方艦隊のキルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団及び第80独立自動車化射撃兵旅団(北極圏旅団)の他、ロシア空挺軍の部隊も参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の海軍歩兵旅団と北極自動車化射撃兵旅団は、空挺軍部隊と共に北極圏のチクシ湾で上陸演習を行なった]
北方艦隊艦船支隊は8月31日までにノヴォシビルスク諸島へ到着し、コテリヌイ島付近で演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はノヴォシビルスク諸島付近で演習を実施した]
過去5回(2012~2017年)の北極遠征では、北方艦隊艦船支隊はノヴォシビルスク諸島までしか進出していなかったのですが、今回は更に東へ進み、9月5日にはサンニコフ海峡を通過して東シベリア海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は東シベリア海へ入った]
その後も北方艦隊艦船支隊は更に東進し、9月11日にはチュクチ海沿岸のヴァンカレム岬付近へ到達しました。
それは、9月11日から17日までロシア極東部で実施される大規模演習『ヴォストーク-2018』へ参加する為でした。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は演習『ヴォストーク-2018』へ参加する]

北方艦隊艦船支隊は、戦略演習『ヴォストーク-2018』の一環として、9月11日にヴァンカレム岬付近で上陸演習を行ないました。
[演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍北方艦隊艦船支隊はチュクチ海で上陸演習を行なった]
9月12日、北方艦隊艦船支隊の揚陸艦に乗っている第80独立自動車化射撃兵旅団(北極圏旅団)所属部隊は、ヴァンカレム岬付近で破壊工作員を撃破する演習を行ないました。
[演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍北方艦隊艦船支隊はヴァンカレム岬で破壊工作への対処演習を行なった]
9月14日にはベーリング海で捜索救助及び消火演習を行ないました。
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍北方艦隊艦船支隊はベーリング海で捜索救助演習を行なった]
9月15日、北方艦隊艦船支隊はオホーツク海へ入り、ここで対潜演習を実施しました。
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍北方艦隊艦船支隊はオホーツク海で対潜演習を行なった]

その後、北方艦隊艦船支隊は再びベーリング海へ入り、9月17日にはチュクチ自治管区のエグヴェキノトで上陸演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はチュクチ自治管区のエグヴェキノトで上陸演習を行なった]
9月19日にはベーリング海峡を通過してチュクチ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はベーリング海峡を通過してチュクチ海へ入った]
9月20日、チュクチ海のヴァンカレム岬付近で給油船「セルゲイ・オシポフ」から物資を補充する為に停泊している最中、水中破壊工作員への対処演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はチュクチ海で水中破壊工作員へ対処する演習を行なった]
9月21日には東シベリア海へ入りました。
今回の記事に登場する原子力砕氷船「バイガチ」は、1980年代末にフィンランドのバルチラ造船所で建造され、1989年にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『バルト工場』へ回航されて原子力機関の設置と最終艤装を行ない、1990年7月25日に就航しました。
就航後、現在まで北極圏で活動しています。
- 関連記事
スポンサーサイト