ロシア海軍黒海艦隊の試験船セリゲルはシリア沖で撃墜された偵察機Il-20の捜索へ向かった
- カテゴリ:地中海情勢(2018年)

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月20日19時53分配信
【メディア:Il-20の墜落場所へ試験船「セリゲル」が向かった】
9月20日・木曜日、地中海のロシア連邦航空宇宙軍の偵察航空機Il-20の墜落場所での捜索活動へプロジェクト11982試験船「セリゲル」が合流する。
『NewsRu.com』は、艦船の移動を追跡するインターネット情報リソースを引用して伝えた。
「セリゲル」は、墜落した航空機の機内に在る機密性の高い機器を引き揚げる為の捜索活動への参加が予想される。
9月18日・火曜日、ロシア海軍の艦と補助船は、バーニヤース居住地(ラタキア県)から27km西方に墜落したIl-20の残骸と破片と発見し、捜索活動は続けられている。

15名の将兵が乗っていたロシアの偵察航空機は、月曜日夜に地中海で墜落した事が想起される。
9月17日、ロシア連邦国防省は、航空機は、イスラエルの航空機による攻撃へ反撃したシリアの対空防衛システムS-200により撃墜されたと表明した。
国防省は、イスラエルの行動は敵対的であると非難した。
次に、イスラエルは、ロシアの偵察航空機Il-20の墜落は、シリアに責任が有ると反論した。
イスラエル軍当局は、罪はダマスカス、テヘラン、組織「ヒズボラ」に有る事は明確であると表明した。
[『Mil.Press FLOT』]
プロジェクト11982船は、捜索救助作業へ参加し、科学研究作業及び海洋調査作業を実施する特殊機器装置の試験を行なう為に意図されている。
「セリゲル」は、プロジェクト11982のトップ船であり、沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造され、2012年12月にロシア海軍へ引き渡された。
「セリゲル」は黒海艦隊で勤務している。
プロジェクト11982船の全長は63.08メートル、幅10.8メートル、吃水3.8メートル。
速力12ノット、航続距離1000海里。
船の乗組員は16名、探検隊員は20名である。
プロジェクト11982試験船「セリゲル」は、カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2009年7月8日に起工され、2011年7月29日に進水しました。

2012年4月13日にバルト艦隊基地バルチースクへ回航され、航行試験が開始され、5月21日には一旦造船所へ戻りました。
2012年6月19日、内陸水路経由でバルト海から黒海への回航が始まり、7月20日にはテムリュクへ到着しました。
2012年8月末にノヴォロシースク海軍基地へ回航され、黒海で洋上試験が続けられ、11月17日から27日まで国家受領試験が行なわれました。
2012年12月25日、「セリゲル」のロシア海軍への納入証書への署名が行なわれ、正式な就役式典である聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催されました。
以後、黒海艦隊に所属し、水中探査機器などの試験に従事しています。


既に報じられていますが、2018年9月17日、シリア沖でロシア航空宇宙軍の偵察機Il-20がシリア軍の誤射により撃墜されました。
(搭乗員15名は全員死亡)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
【シリアにおける(ロシア)航空宇宙軍の航空機Il-20の墜落】
2018年9月17日のロシア軍偵察機Il-20誤認撃墜事件に関する記事。
当日、イスラエル空軍のF-16戦闘機がシリアのラタキアを空爆しており、シリア軍の地対空ミサイルは、このF-16と、当日に地中海上空を飛行してシリアのフマイミーン飛行場(ラタキア)へ戻る途中のIl-20を誤認して撃墜してしまったようです。
ロシア国防省は、Il-20撃墜の責任はイスラエルに有ると再三に渡り表明していますが、無論、イスラエル側は、これを否定し、責任はシリアに有ると表明しています。
既にIl-20の墜落現場にはロシア海軍地中海作戦連合部隊の艦船が到着していますが、海底に有るIl-20の残骸を回収する為、黒海艦隊の試験船「セリゲル」が派遣される事になりました。
「セリゲル」は9月20日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入り、9月23日には墜落現場へ到着します。
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