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ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンは白海での洋上試験を終えてサンクトペテルブルクへ戻った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2018年11月6日6時0分配信
【最新小型ロケット艦「ウラガーン」は北方緯度での試験後にサンクトペテルブルクへ到着した】

サンクトペテルブルク造船工場『ペラ』ロシア海軍の為に建造した最新のプロジェクト22800小型ロケット艦「ウラガーン」は、広範囲に及ぶ国家受領試験の段階を成功裏に完了し、サンクトペテルブルクへ到着した。

白海の射爆場での国家受領試験の最も重要な段階で、小型ロケット艦「ウラガーン」は、高精度兵器複合体「カリブル」の海上および沿岸標的へのミサイル発射を成功裏に実施した。
艦は、居住保障システム、動力装置及び発電機の点検を成功裏に行なった。
更に艦は、北方海上ゾーンの水文気象条件下で、仕様書通りの高い航海性能及び制御性、機動性を示した。

バルト海で国家受領試験の最後の段階を完了した後、小型ロケット艦「ウラガーン」は、2018年末までにロシア海軍へ移管される。
海軍の為に、合計18隻の同プロジェクト艦の建造が計画されている。

海軍総司令部の評価では、海軍が受領する新世代小型ロケット艦は、試験中、当初の設計よりも遥かに大きな可能性を示した。
これは、航海性能と標準装備兵器の効果性に適用される。

小型ロケット艦「ウラガーン」の建造には、最新の国内技術が使用されており、艦は、北方緯度及び南方緯度で海軍グループの一員としての効果的な行動を可能にする。

以前、サンクトペテルブルク造船企業『ペラ』で、ロシア海軍の為に建造された第3の生産艦(4隻目)である新世代小型ロケット艦プロジェクト22800「ブーリャ」の進水式典が開催された。

プロジェクト22800小型ロケット艦の建造は、海軍の水上構成の高精度兵器搭載艦での更新を目的とする国家軍事造船プログラムに沿って行われている。

[参照]
海洋中央計画設計局『アルマーズ』
が設計したプロジェクト22800小型ロケット艦は、約800トンの排水量を有し、速力は30ノット以上である。
小型ロケット艦は高精度ミサイル複合体と現代的な砲複合体を装備する。
この艦の長所の中には、高い機動性、増大した航海性能、更には、(レーダー)反射率の低減の技術を用いて造られた上部構造物と船体がある。
艦は、基地から約3000海里離れた海上ゾーンで任務を遂行できる。



[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦]


プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦の1番艦「ウラガーン」は、2016年7月29日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]

2017年7月29日に進水しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の1番艦ウラガーンは進水した]

その後、造船所の岸壁で艤装工事が進められ、2018年5月19日にラドガ湖で工場航行試験を開始しました。
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[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンの航行試験が始まった]
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7月初頭までにラドガ湖で計3回の工場航行試験を実施しました。

[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンは3度に渡り航行試験を行なった]

「ウラガーン」は、サンクトペテルブルクで7月29日に行なわれた『ロシア海軍の日』記念観艦式へ参加しました。
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工場航行試験は9月中旬頃までに完了し、一旦造船所へ戻りました。
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9月28日から最終試験となる国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンの国家試験が始まった]

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「ウラガーン」は内陸水路で移動を行ない、10月7日には白海への出口となるベロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンは白海沿岸のベロモルスクへ到着した]

「ウラガーン」白海で、打撃有翼ミサイル複合体「カリブル」対地攻撃型及び対艦攻撃型の試射を含む各種試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンは白海で洋上試験を実施した]

その後、「ウラガーン」は内陸水路経由で『ペラ』造船所へ戻りました。

今後はバルト海で試験の最終段階を実施します。

「ウラガーン」ロシア海軍への引き渡しは2018年に予定されており、就役後はバルト艦隊へ配備されます。
[プロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の1番艦ウラガーンは2018年にロシア海軍へ引き渡される]

バルト艦隊には、計6隻の「カラクルト」小型ロケット艦が配備されます。


プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、現在までに7隻が起工されています。

最初の2隻:「ウラガーン」「タイフーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「ウラガーン」は2017年7月29日、「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)]
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2016年5月10日、クリミア半島フェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)「シトルム」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]

2016年7月29日、『ペラ』造船所「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」は2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]
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2016年12月24日、『ペラ』造船所「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
「ブーリャ」は2018年10月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]
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2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]

2017年12月19日、フェオドシヤ造船工場「ヴィフリ」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]


プロジェクト22800の主要兵装は打撃有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

この他、AK-176MA 76mm砲高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
(ただし、「ウラガーン」「タイフーン」AK-630M 30mmガトリング砲を装備)
[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
[ロシア海軍黒海艦隊のロケット艇シューヤは新型の高射複合体パーンツィリ-Mの試験艇となる]


プロジェクト22800は、『ペラ』造船所並びにフェオドシヤ造船工場の他に、タタールスタンゼレノドリスク造船所でも建造されます。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

プロジェクト22800は計18隻の建造が計画されています。
[ロシア海軍の新世代小型ロケット艦プロジェクト22800は2022年までに18隻建造される]

この内の6隻は太平洋艦隊向けとして極東の造船所での建造が計画されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦6隻の建造契約は2019年に締結される]
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