ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクはシリアへ行く
- カテゴリ:地中海情勢(2018年)

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年11月8日16時43分配信
【ロシア海軍の大型揚陸艦「オルスク」は地中海へ出た】
イスタンブール、11月8日、インタファクス-AVN
ロシア海軍の大型揚陸艦「オルスク」は、木曜日に黒海海峡を通過して地中海エリアへ出た。
現地のインターネットサイトは、ボスポラス海峡を通過する写真を公表した。
イスタンブールのサイトは、黒海艦隊の戦闘艦「オルスク」は、地中海のロシア海軍の物資-技術サービス供給所が置かれているシリアのタルトゥース港へ向かっていると確信している。
これは、同艦のシリアへの今年9度目の航海となる事は注目される。
伝えられているように、火曜日には、有翼ミサイル「カリブル」を装備するロシアのフリゲート「アドミラル・マカロフ」が黒海海峡を地中海へ向かって通過している。
海外メディアによれば、ロシア海軍の大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアのフマイミーン飛行場のロシア航空群、タルトゥースの海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける「シリア・エクスプレス」と呼ばれる作戦へ参加している。
プロジェクト1171大型揚陸艦BDK-69は1968年12月5日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
ソ連海軍時代には、地中海、大西洋、インド洋へ進出し、活発に行動していました。
1972年6月~7月にはエジプトへ駐留しました。
ソ連邦解体後も2000年代初頭までは稼働状態に在りました。
上陸演習を行なうBDK-69(1997年撮影)

複合補給艦「べレジナ」と共に(2000年撮影)

2004年からオーバーホールが始まりましたが、資金の割り当てが不十分だった為に作業は殆ど進まず、事実上予備役となっていました。
2014年8月から本格的な修理工事が始まりました。
[ロシア黒海艦隊のアリゲーター級揚陸艦2隻はセヴァストーポリで修理される]
オーバーホールは2017年10月下旬に完了し、10月27日には艦の点検の為に出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年10月27日14時3分配信
【黒海艦隊の大型揚陸艦「オルスク」は計画修理後に出航した】
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2017年11月12日8時0分配信
【大型揚陸艦「オルスク」乗組員は艦の修理後の工場点検を完了した】
オーバーホール後の点検を終え、2017年12月中旬に艦隊へ復帰しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年12月12日13時6分配信
【黒海艦隊の大型揚陸艦「オルスク」は修理後に戦闘任務遂行へ着手する】
「オルスク」は2018年1月10日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、シリアのタルトゥース港へ向かいました。

1月27日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。

これは黒海沿岸からシリアのタルトゥース港へ各種貨物を輸送する「シリア・エクスプレス」と呼ばれる輸送任務です。

2018年3月5日には再びボスポラス海峡を南下し、2度目の「シリア・エクスプレス」へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクはシリアへの輸送任務に就いた]
3月15日にボスポラス海峡を北上して黒海へ戻りました。
3月20日にはクリミア半島のオプークで上陸訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフとオルスクはクリミア半島で上陸訓練を行なった]
「オルスク」は3月26日にもボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、4月9日には同海峡を北上して黒海へ戻っています。
4月15日、「オルスク」はボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクはシリアへの輸送任務(シリア・エクスプレス)に就いた]
4月25日にボスポラス海峡を北上し、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。
6月27日、「オルスク」はボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、今年5度目の「シリア・エクスプレス」へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクはシリアへ貨物を運ぶ]
7月8日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。
7月30日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、8月11日に同海峡を北上して黒海へ入りました。
8月24日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、9月13日に同海峡を北上して黒海へ入りました。
10月20日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、その後、同海峡を北上して黒海へ入りました。
そして11月8日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
記事中で触れられているように、これは同艦にとって、今年9度目の「シリア・エクスプレス」になります。
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」
潜水艦「コルピノ」
フリゲート「アドミラル・エッセン」
フリゲート「アドミラル・マカロフ」
大型揚陸艦「オルスク」
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」
中型海洋給油船「イマン」
試験船「セリゲル」
[バルト艦隊]
工作船PM-82
この他、少し前までは北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」と中型海洋給油船「ドゥブナ」も居ましたが、これらの艦船は、現在、地中海西部に居るようです。
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