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ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはスペインのセウタを訪れた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年11月9日19時42分配信
【ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はアフリカ沿岸のスペインの飛び地セウタへ寄港した】

本日(11月9日)、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」率いる北方艦隊戦闘艦支隊は、スペインセウタ港への業務寄港を行なった。

この数日間、ロシア艦の乗組員は、物資を補充する。
物資の補充を終えた後、艦船支隊は計画遠距離航海任務の遂行を続ける。

北方艦隊艦船支隊セウタ港への寄港は、2015年以来初めて行われる。



北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(「055」、1986年11月5日就役、2016年12月末に近代化改装完了)及び大型対潜艦「セヴェロモルスク」(「619」、1988年1月24日就役)は、『ロシア海軍の日』(7月29日)にクロンシュタットで行なわれる観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、2018年7月4日にセヴェロモルスク基地を出航しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はセヴェロモルスク基地を出航した]

2018年7月15日、『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する他の北方艦隊所属艦と共にフィンランド湾へ到着しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はフィンランド湾へ入る]

7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、他の北方艦隊所属艦と共にクロンシュタットを去り、8月1日から他の艦隊の観艦式参加艦と共にバルト海で演習を開始しました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

演習終了後、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」及び大型対潜艦「セヴェロモルスク」バルト海から北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡へ向かった]

8月8日にラマンシュ海峡(英仏海峡)の通過を完了し、8月9日から大西洋北部で演習を開始しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは北大西洋で演習を開始した]

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8月11日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月15日にアルジェリアの首都アルジェへ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはアルジェを訪れた]

8月19日にアルジェを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはアルジェリアを去った]

8月23日には地中海中部で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海中部で演習を行なった]

9月1日から8日まで地中海東部で実施されたロシア海軍ロシア航空宇宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]

その後も2隻は地中海東部に滞在していましたが、大型対潜艦「セヴェロモルスク」ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」と別れ、9月21日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾で海賊対処任務に就く]

大型対潜艦「セヴェロモルスク」と別れた後もロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」地中海東部に滞在しており、10月17日には対艦ミサイルの迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海東部で対艦ミサイル迎撃訓練を行なった]

10月23日にはキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはキプロスのリマソールを訪れた]

その後、地中海東部を離れて西へ向かい、11月9日には北アフリカスペイン領セウタへ寄港しました。
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今回の北方艦隊広報部発表は、あっさりした内容ですが、セウタへ寄港したのは、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、中型海洋給油船「ドゥブナ」、救助曳船SB-406の3隻であり、寄港期間は11月9日から12日までとの事です。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年11月8日1時0分配信
【メディアはロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」がスペインのセウタ港への入港を計画していると報じた】


セウタへのロシア海軍艦船の寄港は、2年ぶりになります。

2011年以降、ロシア海軍艦船は定期的にセウタへ寄港するようになりました。

しかし、2016年10月中旬に黒海からバルト海へ回航される途中の小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」と「セルプホフ」、救助曳船SB-36が寄港したのを最後に、スペインセウタへのロシア海軍艦船の寄港を認めないようになりました。


2016年10月下旬、シリア沖へ向かう途中のロシア海軍空母機動部隊セウタへの寄港を予定していたようですが、スペイン側は土壇場になって寄港許可を出し渋り、これに業を煮やしたロシアは、セウタへの寄港を諦めました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はスペイン領セウタへの寄港を取りやめた]

そして2年が経ち、スペインは再びロシア海軍艦船のセウタへの寄港を認めました。


何故、ここへ来てスペインセウタへのロシア海軍艦船の寄港を再び認めたのかと言えば、おそらくは、経済的な問題でしょう。

ロシア海軍艦船がセウタへ3日間寄港すれば、同市には約20万ユーロのお金が落とされます。
[ロシア北方艦隊海賊対処部隊はスペインのセウタ港で20万ユーロを支出した]

ロシア海軍の艦船が寄港しなければ、当然ながら、この収入は無くなります。

そしてセウタへの寄港が認められなくなった後、ロシア海軍艦船は、ポルトガルリスボン港へ寄港する事が多くなりました。
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つまり、本来ならばセウタへ落ちる筈だった金がリスボンへ落とされる事になるので、セウタは一方的に損するわけです。

それでセウタ市スペイン政府「ロシア海軍艦船の寄港を認めてくれ」と陳情したのではないでしょうか。
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