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ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2022年末までの完了が予定されている

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『タス通信』より
2018年11月13日17時12分配信
【(ロシア)国防省は「アドミラル・クズネツォフ」の事故後の修理期間の査定を行なった】
モスクワ、11月13日/タス通信

航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、第82艦船修理工場の浮きドックからの艦の出渠時に甲板へクレーンが落下した事で重大な損傷を受けていない。
火曜日、ロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコは発表した。
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「艦が修理実施場所の第35艦船修理工場(株式会社『艦船修理センター・ズヴェズドーチカ』の支所)へ到着した際、特別に作成された委員会は、被った損傷の査定を始めました。
予備検査の結果、アドミラル・クズネツォフは重大な損傷を受けておりませんでした」
クリヴォルチコ
は、ロシア連邦第1国防次官ルスラン・ツァリコフ主催の個別評議会において話した。
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クリヴォルチコが指摘したように、「艦の技術的準備状態回復の為の全ての措置は計画通りに行なわれており、必要な作業実施の計画スケジュールの明確化は既に提示されており、契約下での作業完了時期には影響を及ぼしません」

彼によると、10月30日の艦の計画出渠の際の浮きドックPD-50の異常な水没により、航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の甲板への第2ドッククレーンの落下が発生した。
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[『統合造船業営団』からの約束]
『統合造船業営団』
のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、浮きドック事故の際に甲板へクレーンが落下した事により受けた航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の損傷の復旧は、艦の修理期間には大きな影響を及ぼさないと国防省に約束した。
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「私共は、この出来事は戦闘準備態勢、(修理)時期に影響を及ぼさない事を確信しております」
ラフマノフ
ルスラン・ツァリコフの質問に答えた。

「ドックの異常な水没の結果により受けた航空母艦の甲板の機構に関する全ての損傷は、大きな影響を及ぼしません」
『統合造船業営団』
のトップは答え、航空母艦は重大な損傷を受けていないと付け加えた。

彼は「損傷の復旧は、修理実行時期から大きくずれる事はありません」と強調した。

「重要なのは、期限が順守され、修理の品質が確保されるという自信を我々が持っている事です」
第1次官は結論付けた。

[作業は完全に実行される]
更にアレクセイ・クリヴォルチコは、航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」浮きドック上での全ての必要な作業は完全に実行された事を指摘した。

「ロシア国防省は、2018年の国家防衛発注の枠組みにおいて、契約下で完了時期が2022年第4四半期(10月~12月)に義務付けられている重航空巡洋艦アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフの技術的準備状態の回復及び幾つかの近代化の作業の国家契約を株式会社『艦船修理センター・ズヴェズドーチカ』と締結しました。
2018年9月17日から10月30日までの期間に、ムルマンスクの第82艦船修理工場の浮きドックでの作業は完全に遂行されました」

彼は話した。

彼によると、艦の作業実行時に、主動力装置の要素の交換及び修理、電力システム、電波工学兵装及び対空防衛手段の近代化、巡洋艦の航空団の運用を保障する手段の設置及び近代化の実施が計画されている。



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[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]
現在、「アドミラル・クズネツォフ」は寿命を延長するなどの近代化改装が行なわれています。

近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな火災探知システムを装備する]
機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用のボイラーは8基全てが交換されます。

近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

以前には「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まる予定でしたが、2018年に延期されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスク艦船修理工場で2018年から始まる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装案を作成しています。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]
「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな淡水化装置が設置されます。


「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の契約は、2018年4月23日に締結されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

更には、ロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに様々な数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる]

2018年7月下旬から「アドミラル・クズネツォフ」ボイラーの撤去作業が始まりました。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのボイラーの撤去作業が始まった]

「アドミラル・クズネツォフ」は、まず始めに蒸気タービン機関の修復を行ないます。
(8基のボイラーは全て交換し、タービンエンジンはリビルド)
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは蒸気タービンエンジンを修復する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、ボイラー交換工事の準備を行なっています。
(9月2日の時点で飛行甲板上に新品のボイラーが確認できる)
【Capt(N)氏のツイート(2018年9月3日21時38分)】

「アドミラル・クズネツォフ」は、8基のボイラー(KVG-4)を、新たに製造された高圧ボイラーKVG-4と交換します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月4日8時0分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の新たなロシア製ボイラーは25年と見積もられている】
新たなボイラーKVG-4の寿命は25年になります。

「アドミラル・クズネツォフ」は、2018年9月17日にムルマンスク北東のロスリャコヴォ第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2018年秋にロスリャコヴォの大型浮きドックへ入る]
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2018年9月中旬にロスリャコヴォの大型浮きドックへ入る]
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]


2018年10月30日未明、大型浮きドックPD-50へ入渠していた「アドミラル・クズネツォフ」の出渠作業中、突然に電力供給が止まり、浮きドックは沈没しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]

この事故により、浮きドックPD-50のクレーン1基が「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
具体的には、飛行甲板に直径5メートル程の穴が開きました。

「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後にロスリャコヴォからムルマンスク第35艦船修理工場へ回航され、第24埠頭(「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。
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「アドミラル・クズネツォフ」の修理(近代化改装)作業は第35艦船修理工場の岸壁で続けられますが、現段階での作業は艦内で実施されるものが殆どであり、飛行甲板上に「障害物」が横たわっていても関係無いようです。
[浮きドックPD-50の沈没事故は重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの修理作業を妨げない]

一方、「アドミラル・クズネツォフ」から取り外された蒸気タービンエンジンは、サンクトペテルブルク『キーロフ-エネルゴマシュ』などへ送られ、修復されます。
その完了は2020年に予定されています。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの蒸気タービンエンジン修復は2020年に完了する]

「アドミラル・クズネツォフ」の修理(近代化改装)作業の完了は、2022年第4四半期、つまり、同年10月~12月に予定されています。


近代化改装後の「アドミラル・クズネツォフ」は、艦上戦闘機MiG-29K/KUB(2013年~2015年に納入)が「主力」となり、同機を完全に運用する為、同艦の航空機運用システムが更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの主力艦戦はMiG-29K/KUBになる]

さらに将来的には、既に開発作業が始まっているヤコブレフ新世代VSTOL艦上戦闘機が搭載される事になるでしょう。
[ヤコブレフ新世代VSTOL艦上戦闘機]
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