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ロシア海軍の練習艦ペレコプは遠洋実習航海を終えた


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年11月14日16時6分配信
【「ペレコプ」の遠距離航海後に海軍の為の新たな練習艦が建造される】
モスクワ、11月14日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア海軍の為に建造される砕氷クラスを含む新たな練習艦は、40000海里以上を航行した練習艦「ペレコプ」の世界一周航海の経験が考慮に入れられる。
水曜日、サンクトペテルブルクでの同艦の歓迎式典中にロシア海軍総参謀長アンドレイ・ヴォロジンスキー中将は語った。

「この遠距離航海の分析を基にして、砕氷クラスの艦を含め、砕氷船が随伴する事無く著しく広大な北極海を乗り越える事が可能な新世代練習艦の建造プログラムが立案されます」
ロシア連邦国防省
情報・マスコミュニケーション部は、ヴォロジンスキーの談話を引用した。

伝えられているように、「ペレコプ」は航海中に40000海里以上を航行した。
練習艦では、1000名以上のサンクトペテルブルク、バルチースク、セヴァストーポリ、ウラジオストクの海軍教育学校の生徒が実習を行なった。

「ペレコプ」は3月1日にクロンシュタットから遠距離航海へ出発した。
航海中に艦はユーラシアを周回し、4つの大洋へ到着し、北方海上航路を航行し、インドネシア、スリランカ、そして初めてパプアニューギニアを訪れた。
8ヶ月間に渡った艦の航海で30000海里以上を走破し、多国籍演習『KOMODO-2018』へ参加し、外国及びロシアの港へ10回の業務寄港を行なった。



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プロジェクト877練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。



今年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)、更には北極海まで行く事になりました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海及び極東への遠洋実習航海を準備する]
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2018年3月1日、「ペレコプ」サンクトペテルブルク海軍兵学校の生徒を乗せてクロンシュタット港を抜錨し、遠洋実習航海へと出発しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは士官候補生の遠洋実習航海へ出発した]

3月5日には北海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北海へ入った]

「ペレコプ」ヨーロッパ大陸沿いに南下し、3月9日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは英仏海峡を通過した]

その後、更にヨーロッパ大陸に沿って南下し、3月12日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは地中海へ入った]
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「ペレコプ」地中海を東進して3月17日にはボスポラス海峡を北上し、黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ入港しました。

ここでクロンシュタット港から乗っていた生徒は艦を降り、新たにサンクトペテルブルク海軍兵学校から200名以上の生徒が3月26日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍兵学校の生徒はセヴァストーポリからウラジオストクまでの遠洋実習航海へ参加する]

4月1日、「ペレコプ」セヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはセヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かった]

翌4月2日にはボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過してエーゲ海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過してエーゲ海へ入る]

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4月7日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

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4月11日には海賊出没海域であるアデン湾へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはアデン湾へ入った]

4月12日にはアデン湾を抜けてアラビア海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはアラビア海へ入った]

「ペレコプ」は、2018年4月18日から22日までスリランカコロンボ港を訪問しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボを訪れる]
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボへ入港した]
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボを去り、インドネシアのジャカルタへ向かった]

4月29日から5月1日までインドネシアタンジュンプリオク港(ジャカルタ)を訪問しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはインドネシアのタンジュンプリオク港へ到着した]

その後、5月4日から9日までインドネシア近海で実施された多国籍海軍演習『KOMODO-2018』へ参加しました。
【多国籍海軍演習『KOMODO-2018』公式サイト】



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演習が終わった後、「ペレコプ」パプアニューギニアの首都ポートモレスビーへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはパプアニューギニアの首都ポートモレスビーへ行く]

5月16日、「ペレコプ」ポートモレスビーへ入港しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはパプアニューギニアの首都ポートモレスビーを訪れた]


5月19日にポートモレスビーを出航した後の動向は公表されていませんが、おそらくは中部太平洋を北上してウラジオストクへ向かったようです。
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6月3日、「ペレコプ」ウラジオストクへ入港しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはウラジオストクへ入港した]
無論、「ペレコプ」にとっては、就役後初のウラジオストク寄港となります。

その後も「ペレコプ」ウラジオストクへ滞在し、7月29日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクで行なわれた太平洋艦隊の観艦式へ参加しました。
[練習艦ペレコプは7月29日の『ロシア海軍の日』にウラジオストクの観艦式へ参加する]

8月9日、「ペレコプ」ウラジオストクを出航しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはウラジオストクを抜錨して北極海へ向かった]

8月12日から14日までサハリン南部コルサコフへ寄港した後、8月17日にカムチャツカ半島ペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ到着しました。
(つまり、8月11日頃に宗谷海峡を通過)
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはペトロパヴロフスク・カムチャツキーを訪れた]

8月23日、「ペレコプ」ペトロパヴロフスク・カムチャツキーを出航し、北極海へ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海へ向かった]

9月2日にベーリング海峡を通過してチュクチ海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはベーリング海峡を通過して北極海へ入った]
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9月5日、原子力砕氷船「バイガチ」と共に東シベリア海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年9月5日17時21分配信
【バルト艦隊の練習艦「ペレコプ」は東シベリア海からセヴェロモルスクへ進路を取った】

この時、北極遠征を行ない、戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加する為に東進していた北方艦隊戦闘艦支隊と会合したようです。

9月7日にはラプテフ海へ入りました。
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[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはラプテフ海へ入った]

その後も「ペレコプ」北極を西へ進んでバレンツ海へ入り、9月15日には北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
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[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海を通過して北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

「ペレコプ」は9月21日にセヴェロモルスクを出航し、再びセヴァストーポリへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはセヴェロモルスクを出航した]

10月1日に再びラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは再び英仏海峡を通過した]

その後、ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、東進して10月10日にダーダネルス海峡ボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは再び黒海へ入った]

「ペレコプ」は10月12日にセヴァストーポリへ到着しました。

10月18日にセヴァストーポリを出航して再び地中海へ入り、10月27日にキプロスリマソール港へ到着しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはキプロスのリマソール港へ寄港した]

10月29日にリマソール港を出航しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはキプロスを去り、バルト海へ向かった]

地中海を横断した「ペレコプ」は、11月4日にジブラルタル海峡を通過しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはジブラルタル海峡を通過してビスケー湾へ向かった]

その後、「ペレコプ」ビスケー湾へ向かい、ラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して北海へ入り、カテガット、スカゲラク海峡を通過してバルト海へ入り、11月9日にはバルト艦隊基地バルチースクへ入港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年11月9日18時14分配信
【練習艦「ペレコプ」は遠距離航海任務の遂行後にバルチースクへ到着した】

「ペレコプ」は11月12日にバルチースクを出航、11月14日にサンクトペテルブルクへ到着し、ロシア海軍首脳(総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将、総参謀長アンドレイ・ヴォロジンスキー中将)に出迎えられました。




そして「ペレコプ」の歓迎式典中、ロシア海軍総参謀長アンドレイ・ヴォロジンスキー中将は、新たな練習艦の建造が計画されている事を明らかにしました。

この新型練習艦は、砕氷船の助けを借りる事無く北極海の航行が可能になるとの事ですから、砕氷能力を有するようです。

現在、ロシア海軍向けにプロジェクト23550砕氷哨戒艦が建造されていますが、このタイプをベースにして練習艦を造るのでしょうか。
[2隻のプロジェクト23550(イワン・パパーニン型)砕氷哨戒艦は2023~2024年にロシア海軍へ引き渡される]
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