ロシア海軍の新世代高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートは2019年前半に制式採用される
- カテゴリ:ロシア海軍の艦載兵器
『タス通信』より
2018年11月26日21時22分配信
【情報筋:高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」は2019年前半に軍備採用される】
モスクワ、11月26日/タス通信
艦載高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」は、2019年前半に軍備採用される。
『タス通信』は月曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「2018年末には、この搭載艦の空中及び海上目標への射撃を実施しなければならない事を含め、プロジェクト20380コルベットで高射ミサイル複合体の全ての試験の完了が計画されております。
2019年前半には複合体は海軍へ軍備採用されます」
対談者は話した。
情報提供者は、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」が全ての新造及び近代化されるコルベット及びフリゲートクラスの戦闘水上艦へ装備されると説明した。
「更に高射ミサイル複合体は、修理及び近代化中の航空母艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフ及びピョートル・ヴェリキーへ設置されます」
対談者は付け加えた。
『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。
以前、複合体の試験は、プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」で成功裏に完了した。
公開情報によると、現在、プロジェクト20380コルベットには、フェーズドアレイアンテナ方式の電波位置測定ステーション(レーダー)「ポリメント」が無いヴァージョンの高射ミサイル複合体「リドゥート」が設置されている。
「ポリメント-リドゥート」は、垂直発射の艦載高射ミサイルシステムである。
公開情報によると、このシステムは、最大で150km離れた空中目標を撃破する高射ミサイル9M96MDの使用が可能である。
[ロシア海軍の新世代艦対空ミサイル「リドゥート」/「ポリメント-リドゥート」]
3K96「リドゥート」/3K96-2「ポリメント-リドゥート」は、ソヴィエト連邦解体後に開発されたロシア海軍の新世代高射ミサイル複合体であり、数種類の高射ミサイルを使用できます。
・遠距離高射ミサイル9M96E2:慣性、アクティブレーダーホーミング、射程距離120-150km
・中距離高射ミサイル9M96E:慣性、アクティブレーダーホーミング、射程距離40-50km

・近距離高射ミサイル9M100:赤外線ホーミング、射程距離10-15km

(ただし、簡易版の「リドゥート」では、おそらく9M96Eと9M100しか運用できない)
簡易版の「リドゥート」は、プロジェクト20380コルベットの2番艦「ソーブラジテルヌイ」(2011年10月14日就役)以降に装備されています。
(2008年2月27日に就役した1番艦「ステレグーシチー」は「リドゥート」が間に合わなかった為、代わりに高射ミサイル-砲複合体「コールチク-M」を装備)
更には、改良型のプロジェクト20385コルベットとプロジェクト20386コルベットにも装備されます。
ミサイルの管制や誘導は3座標レーダー「フルケ-2」により行なわれます。

フルスペック版の「ポリメント-リドゥート」は、プロジェクト22350フリゲート1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)に初めて装備されました。
ミサイルの管制や誘導は4面フェーズドアレイレーダー「ポリメント」により行なわれます。

「ポリメント-リドゥート」の開発は相当難航したらしく、これが「アドミラル・ゴルシコフ」の就役を遅延させる事になりました。
2018年11月2日、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、北方艦隊における「ポリメント-リドゥート」の国家試験中、様々なタイプの目標(つまり空中目標と海上目標)へ10回以上のミサイル発射が実施された事を明らかにしました。
『タス通信』より
2018年11月2日19時5分配信
【ショイグ:高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の国家試験中に10回以上のミサイル発射が実施された】
これは、北方艦隊へ配備されたプロジェクト22350フリゲート1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」による「ポリメント-リドゥート」のミサイル発射を指しています。
同艦は、2018年10月に「ポリメント-リドゥート」のミサイル発射を少なくとも3回実施しています。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で海上目標と空中目標を撃破した]
ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で空中目標を撃破した
これ以前~おそらくは、就役前の2018年5月初頭から7月初頭まで北方艦隊基地セヴェロモルスクに滞在していた期間~にも、「アドミラル・ゴルシコフ」は「ポリメント-リドゥート」の発射試験を実施していたようです。
「ポリメント-リドゥート」は2019年前半にロシア海軍へ制式採用されます。
今後、「ポリメント-リドゥート」はプロジェクト22350フリゲートの他に、近代化改装される重原子力ロケット巡洋艦2隻と重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」にも装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年に完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は2020年に始まる]
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]
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