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ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はチムール・アパキージェ、フェオクチスト・マトコフスキーと命名された

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年12月1日19時25分配信
【北方艦隊の航空機Su-33に名誉ある名前「チムール・アパキージェ」と「フェオクチスト・マトコフスキー」が授与された】

本日(12月1日)、北方艦隊の艦上飛行士が駐屯する軍用飛行場セヴェロモルスク-3で、航空機Su-33に栄光の飛行士名を授与する式典が開催された。
式典は、スモレンスク赤旗・ソヴィエト連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念・艦上戦闘機航空連隊の設立45周年の記念日に合わせて行われた。

海洋飛行士の重要な出来事は、赤旗北方艦隊司令官ニコライ・エフメノフ大将により祝福された。
彼は指摘した。
「チムール・アパキージェとフェオクチスト・マトコフスキーの名前は、ロシア艦上航空隊の歴史と誇りです」
北方艦隊司令官
は強調した。
「彼ら飛行士の人生は、悲しむべき状況の一致により航空機の操縦を中断させましたが、今日、彼らの名前が空へ戻る特別な機会が作られました」

航空機への飛行士名授与式典には、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将からの祝電を携えたロシア海軍海上航空隊司令官イーゴリ・コジン少将も出席した。

飛行場には更に、海上航空隊の退役将兵、著名な飛行士の家族と親類、仲間の将兵、全連邦軍事スポーツ少年団員も居合わせた。

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フェオクチスト・グリゴリエヴィチ・マトコフスキーは、航空巡洋艦「キエフ」の甲板への着艦を行なった海軍航空隊の最初の艦上航空連隊司令である。

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チムール・アヴタンジロヴィチ・アパキージェは、巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の甲板をマスターした最初の海洋飛行士であり、ロシアの為、このユニークな艦を保持する為、あらゆる事を行なった。
彼は、ロシア連邦英雄称号を授与された海洋飛行士の最初の1人だった。

スモレンスク赤旗・ソヴィエト連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念・艦上戦闘機航空連隊は、ソヴィエト軍、そしてロシア軍で最初に航空艦の甲板からの飛行をマスターした飛行士の最初の連隊である。
この唯一の軍部隊は、ロシア時代、航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」への習熟中、6名の将兵がロシア連邦英雄称号を授与された。

連隊の艦上飛行士達は、シリア国際テロリストとの戦闘任務を果たす過程において、航空巡洋艦の甲板からの戦闘行動実施のユニークな経験を最初に得た1つである。
現在、北方艦隊の艦上飛行士は、世界で唯一、北極圏周辺の高緯度地域での艦上航空機の使用を実際に経験している。
連隊の軍備は、第4世代重艦上戦闘機Su-33から成る。



[ロシア海軍の艦上戦闘機連隊は創設40周年を迎えた]
[空母アドミラル・クズネツォフの最高の艦上戦闘機パイロット達]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33(Su-27K)は空母の甲板への初着艦から25周年の記念日を迎えた]

ロシア海軍艦上戦闘機Su-33は、北方艦隊「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」にのみ配備されており、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を母艦としています。
(普段はセヴェロモルスク-3飛行場に駐留)
現在の総保有機は20機であり、少なくとも15機程度が稼働状態に在ります。
(機体番号60、62、66、68、71、76、77、78、79、80、84、85、86、87、88)
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稼動状態に在る15機のSu-33は寿命延長近代化改修が行なわれており、少なくとも2025年までは運用されることになります。
[ロシア北方艦隊艦上戦闘機隊は近代化改修されたSu-33を受け取った]
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2025年まで現役に留まる]

第279連隊Su-33は、2016年4月26日から6月24日までクリミア半島サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」で「発着艦」訓練を行ないました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカでの発着訓練を完了した]


2016年7月1日からは母艦「アドミラル・クズネツォフ」での飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の飛行訓練が始まった]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]


重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年10月15日から2017年2月8日まで遠距離航海を行ない、地中海東部(シリア沖)まで遠征しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この時、「アドミラル・クズネツォフ」には10機程度のSu-33が搭載されました。

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機シリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルKh-101を発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

元々は空対空専門のSu-33でしたが、シリア遠征へ出発する前に、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24-33が装備されました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]

12月5日、1機のSu-33(機体番号67)が「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年11月13日/12月5日)・続報]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年12月)の原因は着艦拘束装置のケーブルとは関係が無い]

Su-33を含む「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。

[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]


地中海東部(シリア沖)から戻った後、艦上戦闘機Su-33MiG-29Kは、北方艦隊の演習へ何度か参加しています。

2017年6月16日にはコラ半島ルンボフスキーで地上爆撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はコラ半島で地上爆撃訓練を行なった]

2017年8月には、クリミア半島サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」へ移動して訓練を行ないました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2017年8月からクリミア半島の訓練複合体ニートカで訓練飛行を行なう]

2018年4月には北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の対空戦闘訓練の「敵役」を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で艦上戦闘機Su-33及びMiG-29Kを相手に対空戦闘訓練を行なった]

2018年5月末、第279連隊Su-33練習機Su-25UTGは、飛行訓練の為、クリミア半島サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」へ移動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカで訓練飛行を行なう]
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第100艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBも、2018年6月上旬に「ニートカ」へ移動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kはクリミア半島の発着艦訓練施設ニートカで訓練飛行を行なう]

6月末、Su-33ロシア航空宇宙軍空中給油機Il-78からの空中給油訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島で空中給油訓練を行なった]

その後、2018年9月1日から8日まで地中海東部(シリア沖)で実施されたロシア海軍ロシア航空宇宙軍の合同演習にも何機かのSu-33が参加しました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]


そして2018年12月1日、2機のSu-33は、ロシア/ソヴィエト時代の艦上戦闘機隊長に因んで「チムール・アパキージェ」、「フェオクチスト・マトコフスキー」と命名されました。

チムール・アパキージェは、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の最初の戦闘機隊長を務めましたが、2001年7月17日、Su-33を操縦中の事故により殉職しました。
[伝説のロシア艦上戦闘機パイロット、故チムール・アパキージェは60回目の誕生日を迎えた]

フェオクチスト・マトコフスキーは、ロシア海軍航空隊の最古参の艦上戦闘機パイロット、イーゴリ・マトコフスキー大佐の父です。
[ロシア海軍航空隊最年長の艦上戦闘機パイロット、イーゴリ・マトコフスキー大佐]
ソ連海軍時代、北方艦隊重航空巡洋艦「キエフ」艦上襲撃機Yak-38隊長を務めましたが、1977年4月15日に練習機MiG-21Uでの飛行中の事故により殉職しました。

Su-3360号機「フェオクチスト・マトコフスキー」88号機「チムール・アパキージェ」と命名されたようです。
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なお、第279艦上戦闘機航空連隊及び第100艦上戦闘機航空連隊「母艦」アドミラル・クズネツォフは2018年4月末に近代化改装の契約が締結され、艦隊へ復帰するのは2021年以降になります。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]
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