ロシア海軍向けだった3隻のプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦はインドへ売却された


『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年11月13日14時10分配信
【インド海軍の為のプロジェクト11356フリゲートの艤装は2019年1月に始まる】
沿バルト造船工場『ヤンターリ』は、インド海軍の為の2隻のプロジェクト11356フリゲートの艤装作業の開始準備へ着手した。
12月13日・木曜日、『インタファクス』は同社の代理人の談話を引用して報じた。
「工場はインド海軍の為の2隻のプロジェクト11356フリゲートの建造再開に先行する作業を開始しました。
この為に、黒海艦隊の為に建造されていた警備艦の船体を使用します。
これは、異なる準備段階に在るフリゲート"アドミラル・ブタコフ"及び"アドミラル・イストミン"についての話です」
対談者は話した。
彼によると、作業の開始は2019年1月に予定されている。
インド海軍の為の艦には、「アドミラル」シリーズ警備艦へ設置する為にウクライナで製造されたが、ロシアへ供給されなかったガスタービンエンジンが設置される。
『ヤンターリ』で建造されていたものの、工事が中断しているもう1隻のフリゲート「アドミラル・コルニロフ」は、インドの企業で完成する艦の1隻となる。
「『ヤンターリ』の専門技術者は、既にこの受注、更には、建造されるもう1隻のフリゲートの建造場所で、既にインドと一緒に作業を行なっています」
企業の代理人は説明した。
「この艦は、ゼロから起工されます。
カリーニングラードにはインドとの協同の経験が有ります。
以前、工場はインドと何度も協力し、この国(インド)の海軍の為にカリーニングラードで建造されたフリゲートの保証作業を実施しております」
11月20日、モスクワとニューデリーは、インドの為のロシアのプロジェクト11356フリゲートの製造および供給を含めたパッケージ契約へ署名されたことが知られるようになった。
締結された契約額は明らかにされていないが、非公式情報によると、既に用意されている2隻の艦の供給の為の発注は、およそ9億5000万ドルである。
ロシア海軍向けのプロジェクト11356Rフリゲート(インド海軍向けの「タルワー」級フリゲートのロシア向けヴァージョン)は、現在までに6隻が起工され、3隻が就役しています。
[「タルワー」級(プロジェクト1135.6)]
[プロジェクト11356(タルワー級)の装備]
[プロジェクト11356R(改タルワー級)フリゲート]
1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(2010年12月18日起工/2014年3月14日進水)は2016年3月11日に就役し、2016年6月9日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
2番艦「アドミラル・エッセン」(2011年7月8日起工/2014年11月7日進水)は2016年6月7日に就役し、2017年7月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ到着した]
3番艦「アドミラル・マカロフ」(2012年2月29日起工/2015年9月2日進水)は2017年12月27日に就役し、2018年10月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
4番艦「アドミラル・ブタコフ」は2013年7月12日、5番艦「アドミラル・イストミン」は2013年11月15日に起工されました。
6番艦「アドミラル・コルニロフ」も2013年12月頃に起工されました。
しかし、この3隻は、ウクライナからのガスタービンエンジンの供給問題により建造が中断しました。
[ガスタービンエンジン代替問題]
ソ連/ロシアの艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシアの「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」、ウクライナの「ゾーリャ機械設計」が関わっており、エンジンの主要パーツはロシアで製造し、最終組立は「ゾーリャ機械設計」で行なわれていたのですが、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナとロシアの関係も悪化し、ガスタービン生産の分業体制も瓦解しました。
この為、2016年初春頃からインドへの売却交渉が行なわれ、2017年2月にはインドへの売却が決まったと報じられました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為に建造されたプロジェクト11356Rフリゲートの4番艦と5番艦はインドへ売却される]
2018年11月20日、ロシアとインドは、インド海軍向けのプロジェクト11356フリゲート4隻を含む兵器輸出契約へ署名しました。
インド海軍向けのプロジェクト11356フリゲートは、2021年末までに引き渡される予定です。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年11月23日12時39分配信
【『統合造船業営団』は、この3年間でインドへのプロジェクト11356フリゲートの供給を見込んでいる】
インド海軍向けの新たな11356フリゲート4隻の内、2隻はロシアの造船工場『ヤンターリ』、もう2隻はインドの『ゴア造船所』で建造されます。
造船工場『ヤンターリ』

『ゴア造船所』

ロシアで建造される2隻は、4番艦「アドミラル・ブタコフ」と5番艦「アドミラル・イストミン」になります。
そして6番艦「アドミラル・コルニロフ」は、インドの『ゴア造船所』へ回航し、同地で完成する事になります。
この他に、『ゴア造船所』でもう1隻の11356フリゲートが起工されます。
当初、プロジェクト11356Rフリゲートは6隻全てが黒海艦隊へ配備される予定でしたが、結局は前期建造艦3隻のみで終了する事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト11356Rフリゲートは3隻で終了する]
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