最新鋭コルベット"グロームキー"はロシア海軍へ納入された

『タス通信』より
2018年12月19日22時48分配信
【情報筋:新たなコルベット「グロームキー」はロシア海軍へ納入された】
モスクワ、12月19日/タス通信
プロジェクト22380コルベット「グロームキー」は試験を完了し、水曜日にロシア海軍へ納入された。
『タス通信』は造船業界の情報提供者より伝えられた。
「国家受領委員会のメンバーは、本日、ウラジオストクで、太平洋艦隊の為に建造されたコルベットの受領証書へ署名しました」
対談者は『タス通信』へ話した。
彼によると、新たな艦への海軍旗掲揚式典は12月25日に開催される。
警備艦(新たな分類はコルベット)「グロームキー」はアムール造船工場(コムソモリスク・ナ・アムーレ、ハバロフスク地方)で6年以上前の2012年4月20日に起工された。
進水は2017年7月28日に行なわれた。
今年8月、艦はウラジオストクへ移動し、航行試験を開始した。
「グロームキー」は、ロシア海軍にとっては伝統的な名前である。
その名は、21世紀初頭には「ノーウィック」型駆逐艦に、ソヴィエト時代にはプロジェクト1135警備艦に付けられた。


太平洋艦隊には、現在、コルベットが1隻のみ在籍している~「ソヴェルシェーンヌイ」もプロジェクト20380として建造され、2017年に海軍へ引き渡された。

この12年間、艦隊には同クラスの艦は無く、前世代の最後の警備艦「リェトゥチー」(プロジェクト1135)は2005年に除籍された。

[プロジェクト20380]
プロジェクト20380警備艦(新たな分類はコルベット)は2000年代初頭に中央海洋設計局『アルマーズ』(サンクトペテルブルク)により開発された。
艦の排水量は2100トン、兵装は対艦ミサイル「ウラン」、高射ミサイル複合体「リドゥート」、砲装置AK-630M及びA-190、対潜防護複合体「パケート-NK」である。
「グロームキー」はシリーズの6隻目であり、更なる4隻のコルベットが建造段階に在る。
もう数隻の艦は、改善プロジェクト20385として建造された。
全てのシリーズの建造は、主動力装置の為のディーゼルエンジンの供給の問題が故に遅延した。
[プロジェクト20380/20385コルベット]

ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの2隻目となる「グロームキー」は、コムソモリスク・ナ・アムーレの『アムール造船工場』で2012年4月20日に起工されました。
[新世代コルベット「グロームキー」は起工された]
当初は2015年の引き渡しが予定されていましたが、様々な要因により建造工事は遅延しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト20380コルベット"グロームキー"の建造は対ロシア制裁の影響により遅延する]
起工から5年以上が経過した2017年7月28日に造船台を出渠しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト20380コルベット"グロームキー"は造船台を出渠した]
契約軍人のみで構成される「グロームキー」乗組員は、2017年10月末までに編成を完了しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月1日4時21分配信
【太平洋艦隊は新たなコルベット「グロームキー」の乗組員の形成を完了した】
「グロームキー」乗組員は、11月24日にサンクトペテルブルクの海軍統合訓練センターへ到着しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年11月24日15時38分配信
【コルベット「グロームキー」の乗組員は研修の為にサンクトペテルブルクへ到着した】
2018年2月7日、コムソモリスク・ナ・アムーレの『アムール造船工場』を視察に訪れたロシア国防次官ユーリー・ボリソフ氏は、「グロームキー」は2018年末にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡されると発言しました。
[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"は2018年末にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]
2018年5月下旬、サンクトペテルブルクでの研修を終えた乗組員が『アムール造船工場』へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2018年5月27日17時5分配信
【アムール造船工場は最新のプロジェクト20380コルベットの加入の為の作業を続けている】
乗組員は6月下旬から「グロームキー」艦内への居住を開始しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年6月21日8時59分配信
【最新コルベット「グロームキー」乗組員は、造船工場から艦の受け入れを開始した】
8月中旬、「グロームキー」は浮きドックに載せられ、ウラジオストクへの移動を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新型コルベット"グロームキー"はコムソモリスク・ナ・アムーレからウラジオストクへの移動を開始した]
8月31日にウラジオストクへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"はウラジオストクへ到着した]
9月5日に浮きドックを出渠しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"は浮きドックを出た]
その後、ウラジオストクの岸壁で最終艤装が行なわれ、10月中旬からは出航前の消磁作業が始まりました。


10月28日、「グロームキー」は洋上試験の最初の段階である工場航行試験を実施する為、ウラジオストクを抜錨して日本海へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"は洋上試験の為にウラジオストクを出航した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"の洋上試験は日本海で続けられている]
最初の洋上試験実施後、一旦ウラジオストクへ戻り、次の洋上試験を行なう為、11月6日に再び出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"は2回目の洋上試験の為に出航した]
11月15日には、艦載砲~A-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲と、6銃身30mm機関砲AK-630Mの発射試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"は砲撃試験を行なった]
11月26日には艦対艦ミサイル「ウラン」の発射試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"は対艦ミサイルの発射試験を行なった]
その翌日・11月27日には、100mm単装砲による海上標的及び沿岸標的への砲撃が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"は100mm砲による対水上・対地砲撃を行なった]
11月29日には100mm単装砲と6銃身30mm機関砲により、対艦ミサイル「テルミート」(SS-N-2スティックス)を撃墜しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"は対艦ミサイルの迎撃試験を行なった]
11月30日には、「グロームキー」のレーダーなどの動作点検の為、ロシア航空宇宙軍の爆撃機Tu-22M3、迎撃戦闘機MiG-31、戦闘機Su-35、太平洋艦隊海軍航空隊の対潜哨戒機Tu-142、Il-38が同艦への模擬攻撃を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"の洋上試験へロシア航空宇宙軍の爆撃機と戦闘機が協力した]
12月6日には、ピョートル大帝湾でヘリコプター(Ka-27PL)の発着艦試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"はピョートル大帝湾でヘリコプターの発着艦試験を行なった]
翌12月7日には、対潜/対魚雷複合体「パケート」の発射試験などが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"は対潜/対魚雷複合体パケートの発射試験を行なった]
これで「グロームキー」の洋上試験は全て完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グロームキー"は全ての洋上試験を終えた]
そして2018年12月19日、ウラジオストクで「グロームキー」の受領証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
ただし、これはまだ正式な就役では無く、12月25日に聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役します。
ロシア海軍の新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(基本型のプロジェクト20380及び武装強化型のプロジェクト20385)は、現在までに計12隻が起工され(20380が10隻、20385が2隻)、このうち5隻がロシア海軍へ引き渡されています。
20380/20385は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)とコムソモリスク・ナ・アムーレの『アムール造船工場』で建造されています。
[『北方造船所』建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(プロジェクト20380、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役(艦番号550)
バルト艦隊に配備
「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(プロジェクト20380、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備
「ボイキー」Бойкий(プロジェクト20380、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役(艦番号532)
バルト艦隊に配備
「ストイーキー」Стойкий(プロジェクト20380、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役(艦番号545)
バルト艦隊に配備
「グレミャーシチー」Гремящий(プロジェクト20385、建造番号1005)
2012年2月1日起工/2017年6月30日進水/2019年就役予定
太平洋艦隊に配備予定
「プロヴォールヌイ」Проворный(プロジェクト20385、建造番号1006)
2013年7月25日起工/2019年就役予定
太平洋艦隊に配備予定
「リェチーヴイ」Ретивый(プロジェクト20380、建造番号1007)
2015年2月20日起工/2020年就役予定
バルト艦隊に配備予定
「ストローギー」Строгий(プロジェクト20380、建造番号1008)
2015年2月20日起工/2021年就役予定
バルト艦隊に配備予定
[『アムール造船工場』建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(プロジェクト20380、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/
2017年7月20日就役(艦番号333)
太平洋艦隊に配備
「グロームキー」Громкий(プロジェクト20380、建造番号2102)
2012年4月20日起工/2017年7月28日進水/2018年12月25日就役予定(艦番号335)
太平洋艦隊に配備予定
「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(プロジェクト20380、建造番号2103)
2015年7月22日起工/2020年10月25日就役予定
太平洋艦隊に配備予定
「リェーズキー」Резкий(プロジェクト20380、建造番号2104)
2016年7月1日起工/2021年就役予定
太平洋艦隊に配備予定
プロジェクト20380/20385に続き、更なる改良発展型であるプロジェクト20386の建造も始まっており、1番艦「ジェルズキ―」は2016年10月28日に起工されました。
[プロジェクト20386コルベット(ジェルズキ―型)]
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