ロシア海軍はヘリ空母ウラジオストク型の為のスぺツナズ大隊を設立する
- カテゴリ:ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル級

『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【(ロシア)海軍は「ミストラル」の為の特殊任務大隊を創設する】
2012年10月4日
2013年、(ロシア)国防省は、ヘリコプター揚陸ドック艦「ミストラル」への配置を意図した新たな海軍歩兵大隊を形成する。
海軍総司令部の情報提供者が『イズべスチア』に説明したように、新たな大隊の基礎定員は、アメリカの経験から得たものである。
「海軍歩兵大隊は3個中隊で編成される見通しであり、迫撃砲中隊、偵察隊、対戦車小隊及び高射小隊、更には、兵站部隊を有しているでしょう」
対談者は『イズべスチア』に話した。
彼によると、大隊の1番目の中隊の任務は、ヘリコプターからの降下となるだろう。
小隊は、軽火器、機関銃、擲弾銃を装備する。
加えて、降下するに当たり、戦闘員は迫撃砲、対戦車ミサイル及び高射ミサイルで増強される。
2番目の中隊は、沿岸へ浮揚装甲車~「クルガンツェフ-25」或いはBMP-3Fで上陸する事になるだろう。
「車両は、十分な広さを有していなければならず、大量の弾薬を有して水上を進み、良好な浮力を有していなければなりません。
例えば、アメリカの水陸両用車AAVP-7のような」
対談者は『イズべスチア』に説明した。
3番目の中隊は、「ゾディアック」型モーターボートで上陸するだろう。
この他「モーターボート上の海軍歩兵」は、不審な艦船を臨検し、更には、海賊艇を逮捕及び破壊する。
この3番目の小隊の将兵は、海軍特殊任務部隊(スぺツナズ)プログラムにより準備される。
(ロシア)海軍総司令部は、海軍歩兵の3個旅団及び2個連隊から「ミストラル」への1個大隊の創設を計画している。
軍事史家ドミトリー・ボルテンコ氏によると、このような大隊は、「ミストラル」の可能性を全て完全に現実化する。
「ソヴィエト時代、部隊は上陸の為に様々な艦を選択できました。
彼らは戦闘訓練において秩序立った追加業務をこなしておりました。
現在、構成員は同様に上陸の準備を整えており、艦の特殊性を知り、更にはパラシュート降下訓練を受け、確かな技能を有しております」
ボルテンコ氏は『イズべスチア』に語った。
彼によると、「ミストラル」の新たな大隊は、世界規模の戦争や地域紛争で使用される。
また、フランス製ヘリコプター空母は、海賊との戦い、交戦国での救助活動やロシア人の避難に使用出来る。
「ミストラル」汎用ヘリコプター揚陸艦は、フランス海軍の軍備として存在している。
(ミストラルは)陸上部隊の上陸、ヘリコプター受け入れ、更には、指揮艦や水上病院として機能する為に設計されている。
格納庫エリアは1800平方メートルの広さを有しており、900名の人員及び12トンまでの16機のヘリコプターを配置できる。
2011年1月、ロシアとフランスは、ロシア海軍の為の4隻のヘリコプター空母プロジェクト「ミストラル」の建造契約に署名した。
文書によると、この内2隻はフランスの造船所で建設され、他の2隻は、ロシアへのライセンス下でサンクト-ペテルブルクのバルト工場において建造される。
「ウラジオストク」と命名された最初の「ミストラル」の建造は、10月1日月曜日に開始された。
[ヘリ空母ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]
というわけで、今回の記事によると、ロシア海軍の「ミストラル」型には、海軍歩兵1個大隊が配属されるとの事です。
この「ミストラル」大隊は、異なる構成の3個中隊から成ります。
第1中隊:ヘリコプター降下中隊
第2中隊:水陸両用車中隊
第3中隊:ゾディアックボート機動中隊
第1中隊は、ロシア海軍の「ミストラル」に搭載されるKa-29戦闘輸送ヘリコプターを使用する空中機動歩兵部隊です。

第2中隊は、水陸両用歩兵戦闘車BMP-3F或いは「クルガンツェフ-25」を使う部隊です。

第3中隊はゾディアックボートに乗って不審船舶などに乗り込む為の部隊です。

ロシア海軍は最終的に「ミストラル」型を4隻導入する計画ですから、この海軍歩兵大隊も4個編成される事になるでしょう。
現在、ロシア海軍の各艦隊に配備されている海軍歩兵部隊(Морская пехота России)は以下の通りです。
北方艦隊:1個連隊
太平洋艦隊:1個旅団、1個連隊
バルト艦隊:1個旅団
黒海艦隊:1個旅団、1個独立大隊
カスピ小艦隊:2個独立大隊
ロシア海軍特殊任務部隊(スぺツナズ)は、2008年8月の南オセチア紛争(ロシア-グルジア戦争)に参加しています。
[グルジア海軍艦艇は、ロシア海軍スペツナズにより破壊された]
記事の最後に記されている「10月1日にウラジオストクの建造開始」というのは、正確には、「ウラジオストク」の後部船体のみです。
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]
ロシア海軍向け「ミストラル」1番艦「ウラジオストク」は、今年2月1日にフランスのサン・ナゼール造船所で起工されています。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]

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