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新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は11月末に航海試験を行なう

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『イズべスチア』より
2012年10月5日10時03分配信
【ロシア海軍はカーボンプラスチックのフリゲートを得る】

「ステルス」技術で作られた「見えない」艦は、今年11月に試験を行なうだろう。

海軍で最初の大型カーボンプラスチック製軍艦は、11月末までにバレンツ海で航海試験を行なうだろう。
このフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、プロジェクト22350のトップ艦である。
海軍総司令部の情報提供者が『イズべスチア』に伝えた所によると、同艦は試験後、北方艦隊第14対潜艦旅団へ加入する。

「ステルス」技術で建造されたフリゲートは、全ての外部上部構造物が電波を吸収あるいは部分的に透過する複合材料で作られており、レーダーからの不可視を提供する。

「これは、1987年以来、サンクトペテルブルクのセーヴェルナヤ・ヴェルフィなどの国内施設で完全に設計、建造された大型艦です。
"見えない"フリゲートのプロジェクト22350は、NATOが"ウダロイ"と呼んでいる大型対潜艦を代替します」

海軍総司令部の士官は話した。

同艦についての意見は分かれた。
海軍士官は、カーボンプラスチック艦は、鋼鉄艦と比べ、その弱点は適用されず、そして、何処でも強風が吹き、低温及び頻繁に嵐が吹くという北方の気候条件下において上部構造物が崩れないというのは疑わしいと言う。
加えて、対艦ミサイル及び高射ミサイルを発射する際、上部構造物は高熱に晒される。

これとは逆に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、物理的数値により、カーボンプラスチックが鋼鉄よりも優れていると見ている。
彼らが『イズべスチア』に説明したように、試験が実施され、上部構造物には個々の要素が追加され、高い強度と高温に対する耐久性を示した。

「ゴルシコフ」は、単に上部構造物が「ステルス」であるというだけではなく、最新のディーゼル-ガスタービン動力装置を有する艦として初めて受領される。
それは経済的であり、最高の加速性能を提供する。
このフリゲートは、現用の艦には無い最新のエレクトロニクスを数多く有している。
これは、強みであると共に弱点でもある。専門要員が準備されていないが故に。

海軍総司令部の代理人及び北方艦隊の士官は、編成された乗組員団が、陸上では不可能であるが為、継続的な訓練を受けていないと言った。

(ロシア連邦議会)下院国防委員会委員長で元黒海艦隊司令官のウラジーミル・コモエドフは、複合材料には心配が無い事を提議した。
「最近、僕は宇宙ロケット用ノズルのカーボンプラスチックを製造している工場を見てきました。
それは、高温および激しい振動下においても保持されています。
カーボンプラスチックは、不可視性を提供します。そう、艦が必要とするものを。
海軍の編制への新たな軍艦旗の加入は、如何なる場合でも、良い知らせです」

彼は『イズべスチア』代理人に話した。

『ヴィズリェート』編集長ウラジーミル・シチェルバコフは、航海操作や戦闘において、カーボンプラスチックがどういう状態になるのかは、現時点では明確ではないと述べた。
「複合材料は、今では、何処でも使用されています。
艦の個々の部品は、全て理論的な計算に基づく地上試験を実施しております。
1980年代には、アルミニウムが使用されておりました。ですがフォークランド戦争では、アルミニウム艦が熱に弱いことが示されました。
そして、これ以降、アルミの上部構造物は、多くの海軍から廃れていきました」

彼は話した。

軍事史家ドミトリー・ボルテンコフは、他の疑問を呈した。
「海軍の為に多くの功績を持つセルゲイ・ゴルシコフ提督の名前を使うだけの価値があるのでしょうか?
排水量が4500トンしかないフリゲートに。
以前、彼の名前は、45000トンの航空巡洋艦(現在はインドの「ヴィクラマーディティヤ」)に付けられておりました。
"アドミラル・ゴルシコフ"は、潜水艦プロジェクト"ボレイ"に命名されるべきでしょう」


「見えない」フリゲートは、 2006年2月、 「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工され、2010年10月に進水した。
同艦は、1基の130mm砲塔、16基の対艦ミサイル「オーニクス」或いは16基の対潜ミサイル「カリブル-NKE」を装備する。
空中攻撃からの保護の為に高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を有し、潜水艦に対処する為、ヘリコプターKa-27を有する。


[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

記事中でも触れられていますが、「アドミラル・ゴルシコフ」には、各種の新開発の艦載兵器が搭載されます。
[新世代の艦対空ミサイルシステム3K96「リドゥート」]
[汎用ミサイル垂直発射機3R-14UKSK]
[A-192-5P-10 130mm砲]
[新型CIWS「パラシ」]

「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲート(プロジェクト22350大型警備艦)は、ガスタービン1基とディーゼル1基で構成される「ガスタービン・ディーゼルユニットDGTA55MR」を2組搭載しています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]


ロシア連邦「2011-2020年の国家軍備プログラム」によると、「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲートは2020年までに8隻が調達される計画です。
[2011-2020年のロシア兵器プログラムにおけるロシア海軍の艦艇調達数]


今回の記事によると、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、北方艦隊第14対潜艦旅団に編入されるようです。

第14対潜艦旅団は、北方艦隊所属の大型対潜艦「ウダロイ」型の部隊です。

ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ(1981年就役)
セヴェロモルスク(1987年就役)
アドミラル・レフチェンコ(1988年就役)
アドミラル・ハルラモフ(1989年就役)
アドミラル・チャバネンコ(1999年就役)


この内、「アドミラル・ハルラモフ」は予備役となっており、数年前から動いていません。
同艦はオーバーホール時期に差し掛かっているのですが、その為の予算が付かず、セヴェロモルスク基地に係留されたままとなっております。

新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」が就役したら、大型対潜艦「アドミラル・ハルラモフ」が除籍されるかもしれません。
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