インドは空母ヴィクラマーディティヤ納入遅延に関し、ロシアへ違約金を科すかもしれない
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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【インドは「ヴィクラマーディティヤ」遅延に関し、ロシア連邦に違約金を科す必要が有るかもしれない-メディア】
ニューデリー、10月9日-ロシア通信社ノーボスチ、エフゲニー・パホーモフ
インドは、航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」(旧「アドミラル・ゴルシコフ」)引き渡し遅延に関し、ロシアの約1億ドルの違約金の支払いを必要とするかもしれない。
火曜日、インドの新聞『エコノミック・タイムズ』は報じた。
以前、航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」のインド側への引き渡し式典は、2012年12月4日に予定されていた。
しかし、9月に、艦の次の段階の試験に関し、主要動力装置の蒸気ボイラーが最大出力を発揮できなかった事を含む幾つかの問題点が明らかにされた。
「我々は、艦の遅延に関し、違約金を科す事が出来ます」
同紙は、インド国防省の匿名の代理人の談話を引用した。
情報提供者によると、インドは、航空母艦の遅延の為、同艦の総費用の約5パーセントに当たる6億インドルピー(約1億1500万ドル)の違約金を科す必要があるかもしれない。
しかし、インドの防衛産業企業体に近い情報提供者がロシア通信社ノーボスチに述べたように、ニューデリーが制裁を科す決定を下す事は有りそうにない。
「それは、軍事技術協力分野における両国関係の発展に悪影響を及ぼす恐れがある為です」
対談者は、フランスはインドへの6隻の潜水艦「スコルペネ」の引き渡しを既に3年以上遅らせているが、この件に関し、インドが制裁を科す問題は持ち上がっていない事を想起させた。
軍事技術協力分野における最大の輸出契約である近代化された重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」のインド海軍への売却は、ロシアにより2004年に調印された。
ロシア連邦は、7億5000ドルで同艦の近代化を行ない、同じ額でインド海軍へ航空隊を引き渡す事になっていた。
元々は2008年に顧客へ艦を納入する計画だったが、作業量の増加に起因して何度も延期された。
2004年に締結された契約に付加された新規の契約額は23億ドルである。
同艦には、戦闘機MiG-29KとヘリコプターKa-27及びKa-31が配備される。
現在までに航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」は、ロシアの造船企業「セヴマシュ」において大規模な改造が行なわれた。
艦は、飛行甲板並びにMiG-29K離艦の為のトランポリン台、最新の機器が装備されており、航空母艦の船体には、長さ約2キロメートルの新たなケーブル線路が敷設された。
艦は、新たな航海及び電波位置特定システム、通信複合体及び航空管制複合体を受け取った。
(2012年10月9日11時34分配信)
[空母ヴィクラマーディティヤ(旧ブログ)]
[空母ヴィクラマーディティヤ]
今年12月に就役する筈だったインド空母「ヴィクラマーディティヤ」(旧ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」)ですが、試験中にボイラーが損傷し、引き渡し時期が延期されます。
[空母ヴィクラマーディティヤ、引渡し延期?]
[空母ヴィクラマーディティヤは23ノットでセヴェロドヴィンスクへ向かっている]
[空母ヴィクラマーディティヤに使われている外国製品に問題が生じた]
[中国はロシアへの耐火レンガ輸出を否定した]
[空母ヴィクラマーディティヤの修理には3ヶ月以上掛からない]
この件に関し、インドのメディアは、インドがロシアへ違約金の支払いを求めるかもしれないと報じましたが、今回の記事によると、現実には、その可能性は無いようです。
ロシアとインドの軍事技術協力は、空母「ヴィクラマーディティヤ」だけでは無く、他にも、超音速巡航ミサイル「ブラーモス」の共同開発、原子力潜水艦「ネルパ」のインドへの10年間リース、第5世代戦闘機の開発、フリゲート「タルワー」級の建造、T-90S戦車の導入とライセンス生産など、多方面に及んでおります。
空母「ヴィクラマーディティヤ」の件で、これらに悪影響を及ぼす事は避けたいというのがインド側の意向のようです。
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