ロシア海軍は合計32基のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンを太平洋艦隊と北方艦隊へ配備する
- カテゴリ:大洋多目的システム「ポセイドン」

『タス通信』より
2019年1月12日16時2分配信
【情報筋:(ロシア)海軍は32基の装置「ポセイドン」を戦闘当直に就かせる事を計画している】
モスクワ、1月12日/タス通信
ロシア海軍は、将来的に32基の戦略無人水中装置「ポセイドン」を戦闘当直に就かせる事を計画している。
土曜日に『タス通信』は防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「2隻の潜水艦がポセイドンを搭載し、北方艦隊及び太平洋艦隊の戦闘編制へ加入する予定です。
それぞれが最大8基の無人機を搭載し、戦闘当直に就くポセイドンの総数は32基に達するでしょう」
対談者は話した。
彼は、無人機の標準搭載艦は『セヴマシュ』で建造されている特殊用途原子力潜水艦「ハバロフスク」になる事を指摘した。
更には、海軍に在籍する特殊潜水艦及び「然るべき仕上げの後のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦」が「ポセイドン」の搭載艦として使用できると情報提供者は付け加えた。
『タス通信』は、この情報を公式には確認していない。
ロシアが作成する無人水中装置は核動力装置を有するという事は、昨年3月にロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンが連邦教書演説で初めて話した。
この時大統領は、この無人機は通常は核弾頭を装備し、敵の沿岸インフラストラクチュア、航空母艦グループ、その他を破壊できると述べた。
この装置は、事実上無制限の航続距離を得る事は注目される。
装置「ポセイドン」は、搭載艦~原子力潜水艦を含め、大洋多目的システムと呼ばれる。
以前、『タス通信』は防衛産業企業体の情報提供者より、「ポセイドン」は、敵の海軍基地を破壊する為、2メガトンまでの威力の核弾頭を搭載可能であり、その最大速度は時速200キロメートルになると伝えられた。
更には、装置の動力設備は既に水中試験を実施していると伝えられた。
[大洋多目的システム「ポセイドン」]
2018年3月1日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は教書演説を行ない、この中で、ロシアが開発中の各種新兵器に言及しました。
『タス通信』より
2018年3月1日18時25分配信
【プーチンが話したロシアの超兵器はどのようなものか】
この演説の中でプーチン大統領は、ロシア海軍の「無人水中装置」について話しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月1日13時36分配信
【プーチンは水中システムの為の新たな原子力推進について話した】
プーチン大統領の教書演説の後、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将が「無人水中装置」について記者団へ説明しました。
[ロシア海軍の為の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)の開発は進められている]
コロリョーフ提督は、この原子力推進の「無人水中装置」を「大洋多目的システム」と呼んでおり、原子力潜水艦に搭載され、敵の領域付近で使用されると述べています。
この「大洋多目的システム」は、おそらく、数年前から開発が噂されている大洋多目的システム「スタトゥース6」の事でしょう。
これは、2015年11月10日のプーチン大統領とロシア連邦軍首脳の会議について報じたニュース映像の中で「偶然」映った図面に描かれていたのが発端でした。
(動画の1:45から大洋多目的システム「スタトゥース6」の説明図が映っています)

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2015年11月12日20時17分配信
【知られざるプロジェクト「スタトゥース6」】
大洋多目的システムは、敵の海軍基地や、航空母艦グループなどを撃破する為の兵器です。
その後、ロシア国防省は、この「原子力無人水中装置」などの公式に名前が付いていない新兵器の愛称を公募しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月23日4時27分配信
【ロシアは新たな国産兵器の為の名前を公表した】
その結果、原子力無人水中装置は「ポセイドン」と命名されました。
その他の候補には「アヴローラ」、「プリボイ」などが有りました。
大洋多目的システム(原子力無人水中装置)「ポセイドン」は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、同プログラムの末までにロシア海軍へ制式採用されます。
「ポセイドン」の搭載艦は、セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で建造される原子力潜水艦になります。
[大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、ロシア海軍へ採用される]
「ポセイドン」は2メガトンの核弾頭を搭載できるようです。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは2メガトンの核弾頭を搭載する]
大洋多目的システム「ポセイドン」の動力には、液体金属(鉛ビスマス合金)冷却原子炉が使用される可能性も有ります。
[ロスアトムはロシア軍(海軍)の為の新たな液体金属冷却原子炉を開発する]
「ポセイドン」の海上での試験は既に始まっています。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの試験は進められている]
2018年12月には「ポセイドン」の水中試験が始まりました。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの水中試験は始まっている]
「ポセイドン」の水中速力は時速200キロメートル(約110ノット)以上になり、ソヴィエト連邦時代に開発された超高速ロケット魚雷「シクヴァル」と同様のスーパーキャビテーション技術が使われるようです。
[ロシア海軍のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの水中速力は110ノット以上となる]
ロシア海軍は、「ポセイドン」を北方艦隊と太平洋艦隊へ配備します。
「ポセイドン」の搭載艦は、2014年7月27日にセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』で起工されたプロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦「ハバロフスク」になります。
[ロシア海軍のプロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦ハバロフスクの船体の水圧試験が始まった]
「標準搭載艦」との事ですから、「ハバロフスク」は当初から「ポセイドン」搭載艦として設計されているようです。
この他、未完成のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦を改造した特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」(2019年就役予定)にも搭載できるようです。
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドの乗組員は既に編成されている]
搭載艦は1隻辺り8隻の「ポセイドン」を搭載し、総計で32基の「ポセイドン」が実戦配備に就くとの事ですから、合計で4隻の原子力潜水艦が「ポセイドン」搭載艦となります。
(北方艦隊と太平洋艦隊に2隻ずつ)
つまり、「ハバロフスク」、「ベルゴロド」以外に、もう2隻「ポセイドン」搭載艦が必要になります。
従いまして、今後新規に建造されるか、或いは現用の原子力潜水艦を改造する事になるでしょう。
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