ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で乗組員の慣熟訓練を始めた
- カテゴリ:地中海情勢(2019年)

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年1月15日15時43分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・マカロフ」は地中海での錬成任務へ移行した】
黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・マカロフ」乗組員は、毎年、艦の乗組員が意図される任務を遂行する為に通過する体系の最初の段階である錬成任務K-1へ移行した。
艦の乗組員は、地中海水域での遠距離航海条件下において、このような計画戦闘訓練活動を初めて実施する。
錬成任務への移行中、船員は、艦の戦闘及び航海の下準備となる様々な艦内演習を実施し、駐留所に停泊した艦でのダメージコントロール、対空防衛、更には港に停泊する艦の対水中工作防衛活動を行なう。
乗組員は、毎日の組織的勤務及び休養、艦の兵装及び機構の規範整備の実施、兵器及び弾薬の受入の準備の問題へ取り組む。
フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、2018年11月から地中海のロシア海軍常設連合部隊の一員として与えられた任務を遂行している。
プロジェクト11356Rフリゲート3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で起工され、2015年9月2日に進水し、2017年12月27日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[プロジェクト11356Rフリゲート3番艦アドミラル・マカロフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
就役後もバルト海に留まって慣熟訓練を行ない、2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
観艦式が終わった後、北方艦隊及びバルト艦隊の参加艦と共にバルト海で合同演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]
2018年8月18日、「アドミラル・マカロフ」は黒海艦隊基地セヴァストーポリへの移動を開始しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ向かった]
2018年8月末までに地中海東部へ到着し、同海域で9月1日から8日まで実施されたロシア海軍とロシア航空宙軍の大規模演習へ参加しました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]
その後も地中海東部に留まっていましたが、10月4日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去り、黒海へ向かった]
翌10月5日、黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
セヴァストーポリ到着後、「アドミラル・マカロフ」の舷側番号は「499」に変更されました。
(就役時は「799」)
11月5日にセヴァストーポリを出航し、11月6日にボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海へ入る]
11月16日、同型艦「アドミラル・エッセン」と共に艦載ヘリコプターの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で艦載ヘリコプターの訓練を行なった]
11月20日には「アドミラル・エッセン」と共に対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛演習を行なった]
その後も「アドミラル・マカロフ」は地中海東部に留まっており、12月28日にキプロスのリマソール港へ入港しました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソールを訪れた]
12月29日にリマソール港を去りました。
「アドミラル・マカロフ」は、2019年の新年を洋上(地中海東部)で迎えました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で2019年の新年を迎える]
そして2019年1月中旬、「アドミラル・マカロフ」は、地中海東部で錬成任務K-1を開始しました。
錬成任務K-1というのは、港に停泊した状態で行なう各種訓練の事です。
通常は、年の初めなどで新人の乗組員が大勢入ってきた際、最初に行なう慣熟訓練となります。
(本来は国内の母港で行なう)
これを地中海で実施するという事は、2019年1月上旬に「アドミラル・マカロフ」が大量の新人乗組員を受け入れたという事になります。
更に、港内に停泊した状態で行なう訓練ですから、「アドミラル・マカロフ」は地中海沿岸の何処かの港に停泊中という事になります。
今回の黒海艦隊広報部発表では、地中海での錬成任務K-1としか述べていませんが、「アドミラル・マカロフ」が錬成任務の為に停泊してるのは、シリアのタルトゥース以外には有り得ないでしょう。
[タルトゥースのロシア海軍基地に関するロシアとシリアの協定は批准された]
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」:2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」:2017年9月初頭から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」:2018年11月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」:2018年12月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2018年12月末から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「イマン」:2018年10月下旬から地中海東部に滞在
海洋曳船MB-31:2018年12月中旬から地中海東部に滞在
[バルト艦隊]
工作船PM-82:2017年8月中旬から地中海東部に滞在
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