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新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は11月末に航海試験を実施しない

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10月5日、『イズべスチア』は、ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」が11月末にバレンツ海で航海試験を開始すると報じました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は11月末に航海試験を行なう]

しかし、ロシア造船業の総元締めである「統合造船業営団」の関係者は、これを否定しました。


『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月にバレンツ海で試験を行なわない】
2012年10月9日

プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月末にバレンツ海で試験を行なわない。
『イズべスチア』が引用した海軍総司令部の情報提供者の話は、虚偽の情報である。

更に、フリゲート上部構造物の「外部」は、複合材料で作られておらず、それは、電波吸収コーティングのみが使用されている。
これは、『中央海軍ポータル』特派員が「統合造船業営団」職員から伝えられた事である。

「イズべスチア紙の記者は、これまでにも、海軍の情報提供者とやらに何度も振り回されてきました」
「統合造船業営団」の責任ある職員は、『中央海軍ポータル』に語った。

「フリゲートの建造は順調に進んでおりますが、11月末にバレンツ海で航海試験を行なえるような準備は出来ておりません。
同艦の最初の試験は、フィンランド湾で行なわれます・・・言わば、建造場所で。
11月には、艦の係留試験が開始されるかもしれませんが、海洋への最初の出航は、2013年になるでしょうね」

対談者は、『中央海軍ポータル』に対し、こう付け加えた。

フリゲートのトップ艦の初期試験と係留試験は、今年秋に実施されると遠海ゾーン艦プロジェクト22350の設計局総取締役-株式会社「北方計画設計局」ウラジーミル・イリイチ・スピリドプロは以前に述べた。

対談者は、更に『中央海軍ポータル』に対し、新聞(イズべスチア)は、フリゲートと同じく「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されているプロジェクト20380「ステレグーシチー」型と混同している可能性が高い事を指摘した。
双方とも上部構造物は、完全に多層複合材料で作られており、単なるカーボンプラスチックでは無い。
フリゲートの上部構造物は鋼鉄であり、電波位置特定範囲(レーダー反射面積)を減少させる電波吸収材料で覆われた特別な設計となっている。

『イズべスチア』の公開記事には、更なる「失策」が幾つかあり、例えば、複合体「ポリメント-リドゥート」などというものは無く、「ポリメント」である。

「総合的に見て、この新聞記事の情報及び信憑性は良いとは言えませんね」
情報提供者は『中央海軍ポータル』に対し、こう付け加えた。


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[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

「統合造船業営団の責任ある職員」というのは、要するに管理職という事です。

『イズべスチア』の記事では、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の上部構造物はカーボンプラスチック製であると書かれていましたが、これも否定されました。
実際にはフリゲートの上部構造物は鋼鉄製であり、その上に電波吸収コーティングが施されているようです。

更に、「アドミラル・ゴルシコフ」(プロジェクト22350)の高射ミサイル複合体の名称は「ポリメント-リドゥート」ではなく、「ポリメント」であるとの事です。

「ポリメント-リドゥート」という名称は、ロシアの主要メディアでも使われています。
[新世代艦載防空複合体ポリメント-リドゥートの試験は2012年末までに完了する]

今回の記事によると、「アドミラル・ゴルシコフ」の最初の航海試験は、2013年にフィンランド湾で実施されるとの事です。
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