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ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの近代化改装は2020年代初頭に延期される

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年1月31日20時38分配信
【情報筋:巡洋艦「モスクワ」の近代化は2020年代に延期される】

黒海艦隊の旗艦のプロジェクト1164(コード名「アトラント」)ロケット巡洋艦の近代化は、少なくとも2020~2021年までには開始されない。
未だ発注主からは、然るべきプロジェクトの開発資金すら無い。
造船分野の消息筋は『Mil.Press FlotProm』へ話した。


同艦を設計した『北方計画設計局』の技術者の1人は、この情報を確認した。
同社は、未だ近代化プロジェクト作成の為の発注及び資金供給を受けていないと彼は話した。

『Mil.Press FlotProm』の対談者は、現在、『北方計画設計局』の専門家は将来フリゲート・プロジェクト22350Mの草案設計を開発していると付け加えた。
然るべき契約は、2018年12月25日に締結された。
黒海艦隊旗艦の近代化プロジェクトの作成には、少なくとも1年が必要である事を考慮すれば、「モスクワ」の更新がセヴェロドヴィンスク『ズヴェズドーチカ』で開始されるのは、順調に行ったとしても2020年になるだろう。

艦隊の情報提供者は、黒海艦隊更新の目的は、新たな艦により順調に進んでいると話した。
「モスクワ」は、現時点では『第13艦船修理工場』で修理されており、この為の資金は、おそらくは黒海艦隊司令部へ十分に供給されていると彼は付け加えた。

『Mil.Press FlotProm』は、巡洋艦の状態に関する情報を黒海艦隊広報サービスから得られなかった。
『第13艦船修理工場』の情報提供者は、修理は正常規準で行なわれていると話した。
同社は、巡洋艦の航行状態の回復を計画しており、故障した動力装置の要素を修理する。

2018年10月、『Mil.Press FlotProm』記者は、『第13艦船修理工場』「モスクワ」の航行準備状態の回復作業を開始した事を明らかにした。
これは、6ヶ月から8ヶ月が必要であり、作業は2019年晩夏には完了できるだろう。
その後、艦は勤務遂行を続けるか、あるいはセヴェロドヴィンスクへ向かう。

同型の巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の近代化を成功させた『ズヴェズドーチカ』の広報サービスは、以前、発注を受けた場合、自社へ「モスクワ」を受け入れる用意が有ると伝えた。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
「モスクワ」
は、プロジェクト1164「アトラント」のトップ艦である。
1983年に「スラヴァ」の名で就役した。
1996年、後援者としてモスクワ市庁が現れ、それに改名された。

プロジェクト「アトラント」巡洋艦の排水量は11380トン、全長186メートル、最大幅20.8メートル。
艦は34ノットまでの速力を発揮できる。
乗組員は510名。
巡洋艦の主な打撃兵装は、ミサイルP-1000「ヴルカーン」の16基の発射装置である。
これに加え、砲、対空防衛ミサイル手段、高射ミサイル複合体「オサー-M」、魚雷発射管及び深海爆撃の為の反応装置を装備する。

2015年後半、巡洋艦は、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊を率い、その対空防衛手段でシリアロシア航空基地フマイミーンをカバーした。
最後の戦闘勤務は2016年1月に完了した。



黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年には何度も長期航海を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の艦船は2015年に総計50万海里以上を航行した]

2015年1月1日の時点では、太平洋遠征(ニューギニア沖まで進出)から戻る途中であり、オマーンで新年を迎えました。
[ロケット巡洋艦モスクワ遠距離航海(2014年9月-2015年1月)]

2015年5月には中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』へ参加しています。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

2015年6月には、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加しました。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]

2015年6月下旬から8月初頭まで大西洋へ進出し、アンゴラ赤道ギニアを訪問しています。
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-)]

2015年9月24日にセヴァストーポリを出航して地中海東部(シリア沖)へ向かい、2016年1月9日に帰港しました。

[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアからセヴァストーポリへ帰港した]

2016年5月21日から7月16日までセヴァストーポリ第13艦船修理工場浮きドックへ入渠しました。
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2016年7月22日、視察のためにセヴァストーポリを訪れたロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将によりナヒーモフ勲章が授与されました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはナヒーモフ勲章を授与された]


2016年7月31日、2017年7月30日、2018年7月29日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。


以前、「モスクワ」は、2018年から近代化改装の開始が予定されていましたが、実行には移されませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2018年からセヴァストーポリで近代化改装を行なう]

ただし、「モスクワ」の近代化改装自体は断念されていません。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの近代化改装は断念される?]
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの近代化改装は断念されていない]

結局、まずセヴァストーポリ『第13艦船修理工場』「モスクワ」の修理を行なう事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはセヴァストーポリで修理を行なう]

その後、セヴェロドヴィンスクへ移動して近代化改装を行なう事も考慮されているようですが、未だ最終決定は下されていません。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの今後に関する最終決定は下されていない]

仮に近代化改装が実行に移されるとしても、それは2021年以降になるようです。
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