ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンは自立して敵の防護システムを回避できる
- カテゴリ:大洋多目的システム「ポセイドン」

『タス通信』より
2019年2月3日9時31分配信
【情報筋:「ポセイドン」はあらゆる敵の防護システムを自立回避できる】
モスクワ、2月3日/タス通信
多目的大洋システム「ポセイドン」の無人水中装置は、あらゆる潜在敵の防護システムを自立回避でき、その航行性能を考慮すれば、敵の攻撃を受け付けない。
日曜日に『タス通信』は防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「目標へのコース上でポセイドンは、完全に自立した制御システムにより、あらゆる敵の対潜防御線や機雷防護システムを回避できます」
対談者は話した。
情報提供者は、無人機の航行深度は1キロメートルを超え、「新たな技術的解決策は、時速200キロメートルの最大速力を確保します」と指摘した。
「これら全て~装置に備えられる知能及び航行能力~は、敵の攻撃を受け付けず、目標の確実な撃破を保障します」
彼は付け加えた。
多目的大洋システム「ポセイドン」には、艦内に無人装置を収容する特殊用途原子力潜水艦が含まれる。
情報提供者は想い起こした。
「システムを構成する装置は、戦略的任務のみならず、例えば敵の航空母艦グループの撃破の為に意図されています」
『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。
[ポセイドン]
土曜日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、戦略無人水中装置「ポセイドン」の試験の最も重要な段階が完了したと述べた。
『タス通信』が2018年12月末に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられたように、この時点で海上では、無人装置の核動力装置の試験が行なわれていた。
この時、情報提供者は、装置の胴体へ設置された原子炉は動作している事を指摘した。
ロシアが作成する無人水中装置は核動力装置を有するという事は、2018年3月にロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンが連邦教書演説で初めて話した。
この時大統領は、この無人機は通常は核弾頭を装備し、敵の沿岸インフラストラクチュア、航空母艦グループ、その他を破壊できると述べた。
[大洋多目的システム「ポセイドン」]
2018年3月1日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は教書演説を行ない、この中で、ロシアが開発中の各種新兵器に言及しました。
『タス通信』より
2018年3月1日18時25分配信
【プーチンが話したロシアの超兵器はどのようなものか】
この演説の中でプーチン大統領は、ロシア海軍の「無人水中装置」について話しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月1日13時36分配信
【プーチンは水中システムの為の新たな原子力推進について話した】
プーチン大統領の教書演説の後、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将が「無人水中装置」について記者団へ説明しました。
[ロシア海軍の為の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)の開発は進められている]
コロリョーフ提督は、この原子力推進の「無人水中装置」を「大洋多目的システム」と呼んでおり、原子力潜水艦に搭載され、敵の領域付近で使用されると述べています。
この「大洋多目的システム」は、数年前から開発が噂されている大洋多目的システム「スタトゥース6」の事でしょう。
これは、2015年11月10日のプーチン大統領とロシア連邦軍首脳の会議について報じたニュース映像の中で「偶然」映った図面に描かれていたのが発端でした。
(動画の1:45から大洋多目的システム「スタトゥース6」の説明図が映っています)

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2015年11月12日20時17分配信
【知られざるプロジェクト「スタトゥース6」】
大洋多目的システムは、敵の海軍基地や、航空母艦グループなどを撃破する為の兵器です。

その後、ロシア国防省は、この「原子力無人水中装置」などの公式に名前が付いていない新兵器の愛称を公募しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月23日4時27分配信
【ロシアは新たな国産兵器の為の名前を公表した】
その結果、原子力無人水中装置は「ポセイドン」と命名されました。
その他の候補には「アヴローラ」、「プリボイ」などが有りました。
大洋多目的システム(原子力無人水中装置)「ポセイドン」は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、同プログラムの末までにロシア海軍へ制式採用されます。
「ポセイドン」の搭載艦は、セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で建造される原子力潜水艦になります。
[大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、ロシア海軍へ採用される]
「ポセイドン」は2メガトンの核弾頭を搭載できるようです。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは2メガトンの核弾頭を搭載する]
大洋多目的システム「ポセイドン」の動力には、液体金属(鉛ビスマス合金)冷却原子炉が使用される可能性も有ります。
[ロスアトムはロシア軍(海軍)の為の新たな液体金属冷却原子炉を開発する]
「ポセイドン」の海上での試験は既に始まっています。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの試験は進められている]
2018年12月には「ポセイドン」の水中試験が始まりました。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの水中試験は始まっている]
「ポセイドン」の水中速力は時速200キロメートル(約110ノット)以上になり、ソヴィエト連邦時代に開発された超高速ロケット魚雷「シクヴァル」と同様のスーパーキャビテーション技術が使われるようです。
[ロシア海軍のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの水中速力は110ノット以上となる]
ロシア海軍は、「ポセイドン」を北方艦隊と太平洋艦隊へ配備します。
[ロシア海軍は合計32基のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンを太平洋艦隊と北方艦隊へ配備する]
「ポセイドン」は、現在建造中のプロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦「ハバロフスク」(2014年7月27日起工)、プロジェクト09787特殊用途原子力潜水艦「ポドモスコヴィエ」(2016年12月26日再就役)、プロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」(2019年就役予定)などに搭載されるようです。
[ロシア海軍のプロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦ハバロフスクの船体の水圧試験が始まった]
[ロシア海軍北方艦隊の特殊用途原子力潜水艦ポドモスコヴィエ(モスクワ州)は原子力救助潜水艦となる]
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドの乗組員は既に編成されている]
2019年2月2日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、「ポセイドン」の試験の最も重要な段階が完了したと述べました。
それ以上具体的な事には言及していませんが、おそらくは、動力となる原子力推進装置に関する試験でしょう。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの試験の重要な段階が完了した]
「ポセイドン」は完全自立制御システムを有する一種の水中ロボットであり、敵の対潜防御線や機雷源なども回避できるとの事です。
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