ロシア海軍バルト艦隊旗艦・駆逐艦ナストーイチヴイはオーバーホールを行なう

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年2月5日10時46分配信
【バルト艦隊の駆逐艦「ナストーイチヴイ」は2019年に修理される】
カリーニングラード、2月5日-ロシア通信社ノーボスチ
バルト艦隊の駆逐艦「ナストーイチヴイ」は、カリーニングラード州の株式会社『第33艦船修理工場』(『統合造船業営団』へ加入)で2019年に計画修理を開始する。
西方軍管区下のバルト艦隊広報サービス・情報供給部長ローマン・マルトフは報道機関へ伝えた。
「バルト艦隊の駆逐艦ナストーイチヴイは、近い内に計画修理及び技術的準備状態の回復を行ないます。
この為に、艦隊は全ての必要な資金を拠出します。
この作業には、艦隊の艦の修理及びメンテナンスの国家契約を締結した『第33艦船修理工場』の専門技術者が従事します」
士官は話した。

彼は、現在、艦の作業は、直接に恒久配置場で行なわれている事を指摘した。
この2019年に「ナストーイチヴイ」は動力装置を交換し、艦の全ての居住保障システムを修復する。
計画ドック修理中に駆逐艦で専門家は、船体の水中部分の点検及び清掃、推進軸-スクリュー群、他の船外装置システム及び艦の機構の修復を行なう。
プロジェクト956駆逐艦「ナストーイチヴイ」は、1988年にジダーノフ記念第190工場(現『北方造船所』)で起工され、1990年に進水し、1993年3月27日に海軍へ加入した。
艦の全長は156.5メートル、幅17.2メートル、排水量6500トン、乗組員296名。
プロジェクト956A戦隊水雷艦「モスコフスキー・コムソモーレッツ」は、1988年4月7日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『A.A.ジダーノフ記念工場』(現『北方造船所』)で起工され、1991年1月19日に進水しました。
1992年2月15日に「ナストーイチヴイ」と改名され、同年10月から11月までバルト海で洋上試験が行なわれました。

1992年12月30日にロシア海軍へ納入され、翌1993年3月27日にロシア海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
就役と同時にバルト艦隊旗艦に指定されました。
就役から3ヶ月弱の1993年6月16日にキール運河を通過し、6月19日から26日までドイツのキール市を訪問し、同市で開催されていたイベント『キール週間』へ参加しました。

1994年7月4日から24日までフランスのルーアン及びル・アーヴルを訪問しました。
1995年4月30日から7月20日までドック修理を行ないました。
1996年6月23日にはロシア大統領ボリス・エリツィンが訪れました。
1996年6月6日から17日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-96』へ参加し、10月10日から13日までフランスのシェルブールを訪問しました。
1997年2月17日に遠距離航海へ出発し、3月15日から18日までアラブ首長国連邦のアブダビで開催された国際兵器展示会『IDEX-1997』へ参加しました。
4月2日から6日まで南アフリカ共和国のサイモンズタウン及びケープタウンを訪問し、南アフリカ共和国海軍創設75周年記念式典へ参加し、ネルソン・マンデラ大統領の訪問を受け、4月30日にバルチースクへ帰投しました。
1998年6月8日から19日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-98』へ参加しました。
1999年5月にはカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所でドック修理を行ない、同年9月21日から11月18日までクロンシュタットへ滞在し、中国へ売却される事になった同型艦の乗組員の研修を行ないました。
2000年2月8日にはドイツ連邦海軍艦隊司令官ディルク・ホルテン中将の訪問を受けました。
2003年6月7日から23日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-2003』へ参加しました。
2005年6月6日から17日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-2005』へ参加しました。

2008年7月には、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ポーランドを訪問しました。
[バルト艦隊の3隻の戦闘艦は、1ヶ月間の長期航海を実施する]
[バルト艦隊艦艇、オーフス(デンマーク)訪問(2008年7月10日)]
[ソブレメンヌイ級駆逐艦ナストーイチヴイ、グディニヤ訪問(2008年7月14日)]
2009年9月には実地戦略演習『ザーパド-2009』へ参加しました。
[実地戦略演習「ザーパド-2009」と「ラドガ-2009」(2009年9月)]
2011年7月31日にはロシア大統領ドミトリー・メドベージェフの訪問を受けました。

2015年2月には海上教会が置かれました。
2018年3月27日、戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」は就役25周年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊旗艦・戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」は就役25周年を迎えた]
2018年7月29日の『ロシア海軍の日』には、バルチースクの観艦式へ参加しました。

最近は海上へ出る機会も無くなった「ナストーイチヴイ」ですが、2019年にバルチースクの『第33艦船修理工場』でオーバーホールを行なう事になりました。
動力装置(エンジン)も交換するとの事ですから、修理完了後も、暫くは現役に留まり続けるようです。
[駆逐艦ソブレメンヌイ型]
[ソブレメンヌイ級全艦リスト]
プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦)は、1981年から1994年に掛けて17隻がソ連/ロシア海軍へ就役しましたが、現在、稼動状態に在る艦は3隻です。
(太平洋艦隊の「ブイストルイ」、北方艦隊の「アドミラル・ウシャコーフ」、バルト艦隊の「ナストーイチヴイ」)
この3隻の内、最近に遠洋航海を行なっているのは「ブイストルイ」のみです。
稼動艦3隻以外にも、一応は海軍籍に在る艦が2隻(太平洋艦隊の「ブールヌイ」、「ベズボヤズネンヌイ」)有りますが、「ベズボヤズネンヌイ」は2000年代初頭から予備役保管中、「ブールヌイ」はオーバーホールを中止して予備役編入されており、何れの艦も現役に復帰して海へ出る可能性はゼロです。
この他、バルト艦隊には、もう1隻のプロジェクト956駆逐艦「ベスパコーイヌイ」が居たのですが、退役して洋上博物館に改装され、クロンシュタットで展示されています。
[ロシア海軍バルト艦隊の駆逐艦ベスパコーイヌイはクロンシュタットで記念艦として展示される]

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