ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの試験完了の為にはロシア国防省との新たな契約が必要となる
- カテゴリ:ロシアの艦載ヘリコプター

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年2月11日9時0分配信
【「カトラン」の甲板での試験完了の為、国防省との新たな契約が必要である-『ロシアン・ヘリコプターズ』】
モスクワ、2月11日、インタファクス-AVN
『ロシアン・ヘリコプターズ』は、Ka-52K「カトラン」の甲板での試験を完了する為、ロシア連邦国防省との新たな契約を期待する。
ホールディングスのトップ、アンドレイ・ボギンスキーは報道機関へ伝えた。
「試験は続いております。
ですが、特に、その甲板への着艦の為の他の海上プラットフォームに関連する問題が残されています。
我々の現在の契約には、この作業は有りませんから」
アンドレイ・ボギンスキーは、Ka-52K(打撃機Ka-52「アリガートル」の艦上ヴァージョン)についての話で、こう語った。
「我々は、Ka-52を『海に慣らす』新たな作業の立ち上げを待っています」
彼は話した。
2018年2月、アンドレイ・ボギンスキーは『インタファクス-AVN』のインタビューに対し、「カトラン」の試験完了は同年を見込んでおり、量産への移行は2019~2020年になると述べた。
「私共は望んでいます(2018年の試験完了)。
何はともあれ、国防省の我々の同僚が同様の希望を持っており、我々の希望、我々の能力と重なる事を」
『ロシアン・ヘリコプターズ』のトップは話した。
「国家軍備プログラム(2018~2027年の)プロジェクトには、海軍の為のヘリコプターのヴァージョン"カトラン"が存在します。
これに関する契約は未だ有りませんので、正確な時期について御話しするのは難しいですね。
私共は、2019~2020年になると見ておりますが」
アンドレイ・ボギンスキーはKa-52Kの量産開始時期についての質問に答え、こう言った。
更に伝えられているように、ヘリコプター母艦「ミストラル」へ装備する為のKa-52Kの供給に関するエジプトとの契約締結の交渉は現在も続いている。
2017年夏、ロシアはカイロへのヘリコプター「カトラン」供給の入札に勝利した事が公表された。
戦闘ヘリコプターKa-52K「カトラン」は、パトロール、沿岸へ上陸する揚陸部隊への火力支援、前面地域及び戦術的縦深での対揚陸防衛の任務を果たす為に意図されている。
「カトラン」は、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海への航海の枠組みにおいて、試験飛行を成功裏に行なった。
艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(空軍のKa-52「アリガートル」の艦載機型)の試作1号機は、2015年3月7日に沿海地方で初飛行しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した]
Ka-52Kは、元々はロシアがフランスへ発注した2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の搭載機として開発されたのですが、フランスはウクライナ情勢に関連して艦の引き渡しを凍結しました。
2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンとフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
その後、2隻の「ミストラル」級はエジプトへ売却されました。
しかし、「ミストラル」級の動向とは関係なしにKa-52Kの開発と生産は続行されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの開発と生産は続行される]
Ka-52Kには、対艦ミサイルKh-35(ウラン)及び対レーダー/対艦ミサイルKh-31の運用能力が付与されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kは対艦ミサイルの運用能力を付与される]
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは最新鋭の目標探知システムを装備する]
「ミストラル」級ヘリ空母へ搭載される筈だったKa-52Kは、当面の間は重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」へ搭載されることになりました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは空母アドミラル・クズネツォフへ搭載される]
北方艦隊の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスク基地を出航し、2017年2月8日に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
この間、2016年11月中旬から2017年1月初頭まで約2ヶ月ほどシリア沖に滞在し、シリア領内のテロ組織(イスラム国やアル=ヌスラ戦線)への空爆作戦に参加しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]
このシリア遠征において、「アドミラル・クズネツォフ」は、艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB、救難ヘリコプターKa-27PS、対潜ヘリコプターKa-27PL、輸送戦闘ヘリコプターKa-29、早期警戒ヘリコプターKa-31、艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kを合計で約40機程度搭載しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]
艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」は2機の試作機が「アドミラル・クズネツォフ」に搭載され、シリア沖で各種試験に従事しました。
ただし、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBとは違い、戦闘には参加していないようですが・・・
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試験はシリアで行なわれた]
「アドミラル・クズネツォフ」が帰投した後、2機のKa-52K試作機は『カモフ』本社へ送られ、調査と分析が行なわれました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの海洋試験第1段階は完了した]
ロシア海軍向けのKa-52Kの量産は、2019~2020年には開始出来る見込みでした。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの量産は2019年-2020年に開始できる]
ですが、Ka-52Kの試験を完了させる為には、ロシア国防省との新たな契約の締結が必要である事が明らかにされました。
『ロシアン・ヘリコプターズ』のトップ、アンドレイ・ボギンスキー氏は、Ka-52Kの甲板への着艦の為の海上プラットフォームの問題と言っておりますので、Ka-52Kの実地での着艦試験を行なう為の水上艦をどれにするのかという事のようです。
Ka-52Kは、2020年代に建造が開始される汎用ヘリコプター母艦「プリボイ」級の搭載機となります。
[新世代汎用揚陸艦セヴァストーポリ型]
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