ロシア海軍のプロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦の1隻はメルクーリイと命名される

『タス通信』より
2019年2月11日7時13分配信
【プロジェクト22800小型ロケット艦の1隻はブリッグ「メルクーリイ」に敬意を表して命名される】
モスクワ、2月11日/タス通信
建造されるプロジェクト22800小型ロケット艦は、1829年に2隻のトルコ戦列艦と戦った勇敢なブリッグ「メルクーリイ」の名を受ける。

月曜日、新聞『クラースナヤ・ズヴェズダー』は、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフの談話を引用して報じた。
「建造される高精度兵器装備の最新のプロジェクト22800小型ロケット艦は、メルクーリイの名を受けます。
私は既に命名の指示書へ署名しております」
コロリョーフは話した。
彼によると、このように、皇帝ニコライ1世が確立した伝説のブリッグに敬意を表して命名された艦を海軍の編制に有するという伝統は、復活する。
革命まで、「パーミャチ・メルクーリヤ」という名は、黒海艦隊の3隻の艦が持っていた~帆走コルベット、帆走-スクリュー巡洋艦、「ボガトイリ」型装甲甲板巡洋艦。
プロジェクト22800(カラクルト)艦の排水量は800トン~ブリッグ「メルクーリイ」のほぼ2倍、全長は67メートルに達する。
それはミサイル複合体「カリブル」を装備している。
ロシア海軍は、このような艦の18隻の受領を計画しているものの、就役しているのは未だにトップの「ムィティシ」のみである。
18門の砲を持つ帆走ブリッグ「メルクーリイ」は、1928~1829年のロシア-トルコ戦争に参加した。
1829年5月、黒海で同艦は、74門及び110門の砲を有する2隻のトルコ戦列艦との不利な戦闘へ巻き込まれた。

巧みな操艦により、ブリッグは深刻な損傷を回避でき、反撃の砲撃で双方の敵の円柱と索類を損傷させ、その追跡から逃れる事ができた。
この偉業により艦は聖ゲオルギー旗を授与され、その艦長アレクサンドル・カザルスキーは聖ゲオルギー勲章を授与された。
[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦]
プロジェクト22800「カラクルト」は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の代替となる新世代の小型ロケット艦です。
プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)

プロジェクト12411ロケット艇(R-239)

元々は「オヴォード」や「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]
その後、「アルマーズ」設計局は「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)


プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦

プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、現在までに10隻が起工されています。
最初の2隻:「ウラガーン」と「タイフーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「ウラガーン」は2017年7月29日、「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)]
「ウラガーン」改め「ムィティシ」は2018年12月17日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦1番艦ウラガーン改めムィティシはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
[ムィティシ市はロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ムィティシを後援する]
2016年5月10日、クリミア半島のフェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)で「シトルム」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]
2016年7月29日、『ペラ』造船所で「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」は2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]
2016年12月24日、『ペラ』造船所で「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
「ブーリャ」は2018年10月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]
2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場で「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]
2017年12月19日、フェオドシヤ造船工場で「ヴィフリ」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]
この他、タタールスタンのゼレノドリスク造船所でも5隻の建造が予定されています。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]
既に、この内の3隻の建造は始まっているようです。
(「ツィルコン」:2016年建造開始、「パッサート」:2016年建造開始、「ブリズ」:2017年7月建造開始)
プロジェクト22800は計18隻の建造が計画されています。
[ロシア海軍の新世代小型ロケット艦プロジェクト22800は2022年までに18隻建造される]
この内の6隻は太平洋艦隊向けとして極東の造船所での建造が計画されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦6隻の建造契約は2019年に締結される]
そして、今後建造されるプロジェクト22800の内の1隻は、ロシア海軍にとっては伝統的な名前である「メルクーリイ」と命名される事になりました。
プロジェクト22800の主要兵装は打撃有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[打撃巡航ミサイル「カリブル」]
この他、AK-176MA 76mm砲と高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
(ただし、「ムィティシ」と「タイフーン」はAK-630M 30mmガトリング砲を装備)
[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
[ロシア海軍黒海艦隊のロケット艇シューヤは新型の高射複合体パーンツィリ-Mの試験艇となる]
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