ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33の新人パイロットはクリミア半島の訓練複合体ニートカで『発着艦』訓練を行なう
- カテゴリ:艦上戦闘機Su-33

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年2月12日17時7分配信
【北方艦隊の艦上飛行士はクリミアの地上トレーナー「ニートカ」でのプログラム訓練を行なう】
北方艦隊航空・防空連合部隊の艦上戦闘機航空連隊の飛行士は、地上試験訓練航空複合体ニートカで専門技量を向上させる為、サキ飛行場(クリミア共和国)への出発を準備している。
飛行士には、未だ航空母艦の甲板への着艦を行なった事が無い数名の若いパイロットが含まれる。
彼らは、戦闘練習航空機Su-25UTGで、その後、標準艦上戦闘機Su-33で訓練を行なう。
訓練プログラムでは、飛行士の航空母艦への着艦の完全な訓練サイクルが提供される。
トレーナーでの訓練は、半月以上に渡る。
チームの出発は近い内に計画されている。
ムルマンスク州からサキ飛行場へ数機の航空機Su-33、Su-25UTG、そして多目的戦闘機Su-30SMが移転する。
更にクリミアへ、北方艦隊艦上戦闘機連隊のパイロット及び技術スタッフが飛来する。
[参照]
航空隊地上試験訓練複合体(ニートカ)は、航空母艦の甲板を模した特別な地上練習-訓練複合体であり、航空母艦からの航空機の発着艦技術への習熟の為に意図されている。
複合体は、艦の飛行甲板と同様のトランポリン台と航空機拘束装置を装備した特別な鋼鉄の飛行場である。
飛行場の大きさは、重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」の飛行甲板の大きさに等しい。
複合体ニートカは、艦上航空機の飛行試験、水平離着陸、更には飛行士の研修の為に使用されている。
トランポリンから最初に戦闘機Su-27が離陸したのは1982年8月であった。
[ロシア海軍の艦上戦闘機連隊は創設40周年を迎えた]
[空母アドミラル・クズネツォフの最高の艦上戦闘機パイロット達]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33(Su-27K)は空母の甲板への初着艦から25周年の記念日を迎えた]
ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は、北方艦隊の「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」にのみ配備されており、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を母艦としています。
(普段はセヴェロモルスク-3飛行場に駐留)
現在の総保有機は20機であり、少なくとも15機程度が稼働状態に在ります。
(機体番号60、62、66、68、71、76、77、78、79、80、84、85、86、87、88)



稼動状態に在るSu-33は寿命延長近代化改修が行なわれており、少なくとも2025年までは運用されることになります。
[ロシア北方艦隊艦上戦闘機隊は近代化改修されたSu-33を受け取った]
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2025年まで現役に留まる]
第279連隊のSu-33は、2016年4月26日から6月24日までクリミア半島サキ飛行場の艦上機訓練施設「ニートカ」で「発着艦」訓練を行ないました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカでの発着訓練を完了した]
2016年7月1日からは母艦「アドミラル・クズネツォフ」での飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の飛行訓練が始まった]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]
重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年10月15日から2017年2月8日まで遠距離航海を行ない、地中海東部(シリア沖)まで遠征しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
この時、「アドミラル・クズネツォフ」には10機程度のSu-33が搭載されました。
11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦上戦闘機Su-33は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
Su-33はイドリブ県の『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]
11月17日、ロシア航空宇宙軍の戦略爆撃機がシリア領内のテロ組織『イスラム国』と『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルKh-101を発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」のSu-33もシリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]
元々は空対空専門のSu-33でしたが、シリア遠征へ出発する前に、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24-33が装備されました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]
12月5日、1機のSu-33(機体番号67)が「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年11月13日/12月5日)・続報]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年12月)の原因は着艦拘束装置のケーブルとは関係が無い]
Su-33を含む「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内のテロ組織の施設1252を破壊しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33とMiG-29K/KUBは2016年11月~2017年1月にシリア領内のテロ組織を空爆した]
地中海東部(シリア沖)から戻った後、艦上戦闘機Su-33とMiG-29Kは、北方艦隊の演習へ何度か参加しています。
2017年6月16日にはコラ半島のルンボフスキーで地上爆撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はコラ半島で地上爆撃訓練を行なった]
2017年8月には、クリミア半島サキ飛行場の艦上機訓練施設「ニートカ」へ移動して訓練を行ないました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2017年8月からクリミア半島の訓練複合体ニートカで訓練飛行を行なう]
2018年4月には北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の対空戦闘訓練の「敵役」を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で艦上戦闘機Su-33及びMiG-29Kを相手に対空戦闘訓練を行なった]
2018年5月末、第279連隊のSu-33と練習機Su-25UTGは、飛行訓練の為、クリミア半島サキ飛行場の艦上機訓練施設「ニートカ」へ移動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカで訓練飛行を行なう]



第100艦上戦闘機航空連隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBも、2018年6月上旬に「ニートカ」へ移動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kはクリミア半島の発着艦訓練施設ニートカで訓練飛行を行なう]
6月末、Su-33はロシア航空宇宙軍の空中給油機Il-78からの空中給油訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島で空中給油訓練を行なった]
その後、2018年9月1日から8日まで地中海東部(シリア沖)で実施されたロシア海軍とロシア航空宇宙軍の合同演習にも何機かのSu-33が参加しました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]
2018年12月1日、2機のSu-33は、ロシア/ソヴィエト時代の艦上戦闘機隊長に因んで「チムール・アパキージェ」、「フェオクチスト・マトコフスキー」と命名されました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はチムール・アパキージェ、フェオクチスト・マトコフスキーと命名された]
2019年1月、第279艦上戦闘機航空連隊の艦上戦闘機Su-33及び練習機Su-25UTGは、コラ半島及びバレンツ海上空で戦闘訓練飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はコラ半島およびバレンツ海上空で戦闘訓練飛行を行なった]
そして2019年2月、第279艦上戦闘機航空連隊の艦上戦闘機Su-33及び練習機Su-25UTGは、新人パイロットの「発着艦」訓練を行なう為、クリミア半島サキ飛行場の艦上機訓練施設「ニートカ」へ向かう事になりました。
この他、2016年12月末に配備された多用途複座戦闘機Su-30SMも同行します。
[ロシア海軍北方艦隊は2機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]
なお、第279艦上戦闘機航空連隊及び第100艦上戦闘機航空連隊の「母艦」アドミラル・クズネツォフは2018年4月末に近代化改装の契約が締結され、艦隊へ復帰するのは2021年以降になります。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]
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